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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

素晴らしき哉、人生!

2022-01-29 18:26:40 | CD・DVD・ビデオ

「It's A Wonderful Life」は、1946年のフランク・キャプラ監督作品。
前に、町山智浩さんの『ブレードランナーの未来世紀』を読んだら、80年代のいくつかの映画のルーツにはこの作品があるって解説されていて、とても気になっていた。
さらには、1976年の『ロッキー』だって、
>街をランニングするロッキーが人々の励ましを受けて両腕を空に突き上げるシーンは明らかに『素晴らしき哉、人生!』の最後にジョージが町を駆け抜けるシーンの再現です。(『ブレードランナーの未来世紀』p.7-8)
ってことらしいしね、そりゃどんなもんだか観てみたくなる。
アメリカぢゃあクリスマスになるとテレビで必ず放送するってことなんで、日本だってその季節になりゃやるだろと思ってたら、ちっとも見かけない。
そしたら最近古本屋で安く売ってるDVDみつけたんで買ってみることにした、キープ株式会社の2009年発売版。
さて、観る前からだいたいのストーリーは本で教わっちゃってるんで、それ確かめるように観てくわけだが、まあ驚きを期待してるわけぢゃないからいいんだけど。
絶望して川に身を投げて自殺しようとしてる主人公の男んとこに、翼を持ってない身分の天使がやってきて救出する。
男が生まれていなかった世界ってのを見せてくれる、そこでは男のまわりの人たちが幸福になってない。
それ見て、やっぱ元に戻してくれって祈ると、現実に戻されて、まわりの人たちの助けで自身のトラブルも切り抜けることができた、と。
主演はジェームズ・ステュアート、いいよね、私は『スミス都へ行く』のほうがいいと思ったけど。
フランク・キャプラ監督作品は、『或る夜の出来事』と『オペラハット』なんかは観たことあるけど、いいよね、安定した古き良き物語って感じで。
そんな明るい話だけ作ってたわけぢゃないってことらしい『群衆』ってのを次には観てみたいとは思ってるが。
ところで、この映画がのちの世にいろいろ影響与えてるらしいってことは、歴史とか脚本や演出の作法にも詳しくない私にもなんとなくわかった気がする。
つい最近、たまたま、『天使のくれた時間』(2000年)ってのを観たんだけど、あー、もし違う人生選択してたら、ってテーマなのは、これじゃん、という感じがしたし。
『ラ・ラ・ランド』(2016年)だって、最後に、もしこうだったら、って人生のイフをさーっとみせてくれるのは、こういう伝統の流れなのかあ、って感じするし。
まあ『バック・トゥ・ザ・フューチャー』もそうだよね、アナザーワールドがヤだから強引に歴史に関与していくのは現代調だけど。
違う選択肢のもたらすもの、もしかしたらこうだったのにって別の世界、そういうの映像で大胆に描くのは映画の特権だなあ、って思う。
んなこと考えてると、例によって、『AKIRA』のなかの
>…未来は… 一方向だけに 進んでる訳では ないワ…
>私達が選択 出来る未来も あるはずよ…
ってセリフを意味もなく思い起こしてしまう。

コメント
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