大川慎太郎 2016年7月 講談社現代新書
観戦記者による棋士へのロングインタビュー集。
テーマは将棋のコンピュータ・ソフトについて。
ホットな話題だからかな、すごいね発行から二十日で3刷を重ねてる。
答えてる棋士はアタマから読んでくと順に、羽生善治、渡辺明、勝又清和、西尾明、千田翔太、山崎隆之、村山慈明、森内俊之、糸谷哲郎、佐藤康光、行方尚史。
ちょっと聞きにくいだろ、それ聞いてもいいの的な質問が、それぞれに対して繰り返される。
たとえば以下のようなもの。
・「いまいちばん強いソフトと対局したら勝つ自信はありますか?」という質問にはどう答えますか?
・2015年10月に情報処理学会が「トップ棋士との対戦は実現していないが、ソフトは事実上トップ棋士に追い付いた」と宣言しました。これにはどういう感想を持っていますか?
・人間にしか指せない将棋というのはあるのでしょうか?
・棋士の存在価値の一つに、将棋の強さは間違いなくあったと思います。もし将来、ソフトに完全に実力を上回られたら、棋士の存在価値はどうなりますか?
・棋士がソフトに負けてガッカリして将棋から離れていったファンもいるかもしれませんが、それについてはどう思いますか?
・「ソフトと棋士が共存共栄できるように」という言い方をしますが、できると思いますか?
・タイトル戦のインターネット放送では「評価値」のグラフが出ます。対局者としてソフトに指し手を評価されるのはどういう気分ですか?
で、感心するのは、棋士たちの答えが、問いに対して正面から向き合ってて、よく考えられているし、明快な(わかんないならわかんないと明快に言うのも含めてって感じの)ものであること。
とても真剣な受け答えがまとめられてるんで、現在がどういう状況であるか理解するのにも、現時点から考えられる近い未来を想像するのにも、かなり参考になると思う。
個人的には、「甘いままで時代遅れの自分がこのまま消えていくのかどうかを他人事のように眺めていますね」って言う山崎とか、「自分が指していて楽しい将棋ですね。だから前例がないような将棋を好んで指すようにしています」と言う糸谷なんかが好きなんだけど。
好き嫌いぢゃなくて、いちばん興味ひくのは、「これからは『棋力向上』を第一に目指してやっていこう」と言う千田翔太。
この1994年生まれの若い棋士は、レーティングや評価値を明確な指標としてとらえてる。
こないだNHK杯のインタビューで「50点ほど強くなった」みたいな言い方をして、山崎隆之が「歩一枚ほど強くなった、くらいの意」と解説してたけど、そうかホントにデジタルで考えてんだとびっくりさせられた。
観戦記者による棋士へのロングインタビュー集。
テーマは将棋のコンピュータ・ソフトについて。
ホットな話題だからかな、すごいね発行から二十日で3刷を重ねてる。
答えてる棋士はアタマから読んでくと順に、羽生善治、渡辺明、勝又清和、西尾明、千田翔太、山崎隆之、村山慈明、森内俊之、糸谷哲郎、佐藤康光、行方尚史。
ちょっと聞きにくいだろ、それ聞いてもいいの的な質問が、それぞれに対して繰り返される。
たとえば以下のようなもの。
・「いまいちばん強いソフトと対局したら勝つ自信はありますか?」という質問にはどう答えますか?
・2015年10月に情報処理学会が「トップ棋士との対戦は実現していないが、ソフトは事実上トップ棋士に追い付いた」と宣言しました。これにはどういう感想を持っていますか?
・人間にしか指せない将棋というのはあるのでしょうか?
・棋士の存在価値の一つに、将棋の強さは間違いなくあったと思います。もし将来、ソフトに完全に実力を上回られたら、棋士の存在価値はどうなりますか?
・棋士がソフトに負けてガッカリして将棋から離れていったファンもいるかもしれませんが、それについてはどう思いますか?
・「ソフトと棋士が共存共栄できるように」という言い方をしますが、できると思いますか?
・タイトル戦のインターネット放送では「評価値」のグラフが出ます。対局者としてソフトに指し手を評価されるのはどういう気分ですか?
で、感心するのは、棋士たちの答えが、問いに対して正面から向き合ってて、よく考えられているし、明快な(わかんないならわかんないと明快に言うのも含めてって感じの)ものであること。
とても真剣な受け答えがまとめられてるんで、現在がどういう状況であるか理解するのにも、現時点から考えられる近い未来を想像するのにも、かなり参考になると思う。
個人的には、「甘いままで時代遅れの自分がこのまま消えていくのかどうかを他人事のように眺めていますね」って言う山崎とか、「自分が指していて楽しい将棋ですね。だから前例がないような将棋を好んで指すようにしています」と言う糸谷なんかが好きなんだけど。
好き嫌いぢゃなくて、いちばん興味ひくのは、「これからは『棋力向上』を第一に目指してやっていこう」と言う千田翔太。
この1994年生まれの若い棋士は、レーティングや評価値を明確な指標としてとらえてる。
こないだNHK杯のインタビューで「50点ほど強くなった」みたいな言い方をして、山崎隆之が「歩一枚ほど強くなった、くらいの意」と解説してたけど、そうかホントにデジタルで考えてんだとびっくりさせられた。