というわけで、年に一度の乗馬の競技会の日がやってまいりました。
朝7時半に集合して厩舎作業。馬房ひとつ掃除したら、いっぱい人もいるんで、馬場に行って障害並べるほうの手伝いも。
8時半ころには出場する各馬の馬装も始まって、予定どおり9時前には競技が開始できた。
最初の競技は、部班。3班に分かれて実施。
元気すぎる馬もいたようだけど、まあ騎乗馬のその日のご機嫌は競技につきものの運です。
ちなみに、私がこのあと乗るセルスコールも部班に入ってました。
きょうは試合だってことを馬にもわかってもらうために、タテガミ編んでもらいました。
(しかし、編んでもらってるあいだ、ウトウト寝てたぞ、セルスコール。キレイにして張りきってもらおうという人の気持ちがどうしてわからないのだ。)
部班を見てるうちに、となりの障害を横目に眺めてたら、あれ?なんか違う。
朝障害組んでたときに思ってたのと、ちがうところに1番とかの番号札がある。これ、スタートとゴールが逆ぢゃない?
しまった、100センチとかと60センチぢゃ、回りが違うんだ、あわてて図面を見せてもらう。間違えちゃ大変だ。
(↑あくまでイメージなんで、寸法は適当です。)
うーん、そんなに難しくはないから大丈夫か。それに予想どおり、オクサーも無いしね。オクサーのない障害は、私にとっては、盗塁ナシのルールの野球でマウンドに登るようなもんだ、なんも気にするものがない
ちなみに、紙の上の図を見ても、なかなか覚えづらいんで、順番に飛んで回るさまを3Dっぽく想像してシミュレートする。慣れてる馬場だと、どっち向いたときの周りの景色がどうとか、脳内に浮かぶんでラク。
部班が終了したんで、セルスコールにまたがる。
乗る前にアブミの長さ直そうとしたら、それより鞍が少し後ろにズレてるなって気づいて、手伝ってもらって直す。
妙に冷静。いままでだったら、あわてて乗ってたとこ。競技だと緊張しないつもりでも緊張してきた。一度なんか、乗ったあとアブミを短くするつもりで、急いで長さ直したら、逆に長くしちゃったことがあった
セルスコールと常歩。妙に冷静だ、人間がね。いままでだと「あー、いつものように、10分でも20分でも練習してから、障害に向かわせてほしいよなー」とか思ってたんだけど、今日は、まるで1頭乗り終わってから二鞍目にまたがったときのように、馬上体操もなんもせんと、鞍とアブミにすんなりおさまっている自分がいる。
言い換えれば圧倒的な自信(←あくまで当社比)。今年は、いっぱい乗ってきたからなー、と思う。セルスコールにも、結果的にはここんとこ4週連続で乗ったし、なんも心配することがない。準備OK、いますぐにでも障害飛べそう。あ、でも、セルスコールがまだ障害のウォーミングアップしてないか
(でも、いま思うと、セルスコールとテンションがだいたい一致してたのが良かったのかもね。誰かが下乗りしてバンバン障害飛んで戦闘モードに入ってるとこで乗り換わったら、「ちょ、ちょっと待て、俺はまだ心の準備が、準備が」って言ってたかもしれない。)
常歩でハミうけ確認、速歩にして同じこと確認。
いいぞぉ、なんか乗りやすい。部班競技で乗ったひととそのあとの待機中の常歩で乗ってくれたひとが上手に乗ってくれたのか、前に出る気があって、それでいて落ち着いている、とてもいい。
駈歩して、んぢゃ、障害やるかって、軽速歩で低いクロスを飛んでみる、ちょっと左にいく、ヘタだな、俺
そしたら、先生が試走をするっていうんで、見る。ニアフュージョンが経路を飛んでまわる。あー、あのくらいのスピードか、あそこらへんをまわるのね、あそことあそこの間が6歩でいいのか、フムフム。
いつもは競技の前に、自分の足で経路を歩いて回る、下見を一応するんだが、今日はやってない。でも、正直言って、歩いてみても、人の足で何歩のところ馬の足で何歩なのかとか、全然わからない。直前に試走してみせてくれるのが一番いい、それを見とけば、タイムだってそんなにひどい離れかたをすることはない。ちなみに、規定69秒のところ、ニアフュージョンは73秒台。うーん、もう少し速くかぁ、でもセルスコールはきっと後半勝手に速くなるから、あのくらいのイメージで入ろうっと。
今回は出番が1番。「負けたら、1番のせいにする」って言ったんだけど、それは冗談。そんなに高くもない障害で、出る順番は何の関係もない。
どうでもいいけど、いつも言う「知力、体力、政治力、どんな手を使っても勝つ」ってのがあるんだけど、出番1番での考えられる政治力は、(1)いきなり出てって失敗したら、「さ、練習は終わり、本番始めるよ」とやり直す (2)最初の自分のときだけ、障害を少し下げといてもらって、2番から上げる (3)1番の走行が終わったとこで、それに合わせて規定タイム(そのタイムに近いもん勝ち)を修正してもらう …どうだ
…バカなこと考えながら、駈歩で障害(はっきり言って、これまでの練習からしたら低い)を何回か飛んで、ウォーミングアップもできたんで、競技開始を待つ。
でも、ちょっとだけ気になったんで、5頭の常歩の隊列から離れて、空いてるとこで右手前の輪乗りの駈歩をする。左ひじを身体につけて、内側の手綱は引っ張ったりしない、外側の手綱でまわる。だいたいOK、馬のせいか人のせいかわかんないけど、右回転でふくらまなければ、まあ問題ないでしょう。いざ競技が始まれば、こんなスピードぢゃ済まないんだけど、それでもキレイにまわるためのイメージはできた。
呼び出されて、スタート。
落ち着いてるかも、俺。念のため見せとかなきゃいけないような、ピカピカした色の障害とかもどこにもないんで、やおら大きくまわってスタート。
1個飛んで、2個目まで長い、すこし小回りしようか迷ったけど、試走と同じところを通る。
2個目の障害に向けて回転してくとこで、あれ?もしかして手前違う?とか思ったけど、いまさらここで速歩には落とせないので、強引に左へまわる。難なく障害に向いたけど、手前の真相は藪の中…。
2個目飛んで、「走るなよぉ」って念じる、馬は落ち着いててペースが変わらない。ちょっと角度ついてて「左行くなよぉ」ってまた念じる、微妙に真ん中ぢゃない気がするけど、3個目飛越。
ラチに向かってって、右回転だ、手前よーし、まわる。そろそろ走るかなってビクビクしてんだけど、走るどころか、ちょっと弱いかも、推進しながら右にまわって4番目へ。
4番飛んで、さあ、ここだ、ここで正面に見える次に向かって突撃しないようにって思ったら、セルスコール意外とおとなしい。左にいかないように、障害の前へつれてけば、難なく飛越。
後半のこのへんから経路の記憶がいつもあやふやになる、もし走るセルスコールを必死でなだめようとする展開だったら、たぶんアタマんなか真っ白、障害の袖にある番号を探すとこだったんだけど、今日は落ち着いてるんで、ラチ近くを回転する前から右に振り返って、次の障害を見る。
6番飛越、走るかな、と思ったら走らない。身構えて逆に腰が浮いちゃってる自分が恥ずかしいよ、左にいかないように微修正、7番飛越。
左へ大きく回転、中途半端なツーポイント気味? アクセルふかすでもなくブレーキかけるでもなくまわっていく、することがない。いいペースなんぢゃないの、ちょうどよくない?って思う。
最後のふたつに向かう、先飛びすんな、待って飛ぶ、最後まで馬は前のめりにならずに次へ向かいましたとさ、ラストを飛越
おお、上出来、上出来。ずっと馬は自分のコントロール下にあったような気がするよ、今日
どうよ、やっちゃったんぢゃないの、俺? 1番から規定1秒以内の68秒台とか、ない?
引き上げる途中で、「ただいまのタイム、73秒55ぉ」って聞こえる
ええー
遅かったぁ?
完璧だと思ったんだけどなぁ
残念
勝ち負けがどうこうぢゃなくて、規定・狙いより5秒も遅いってのが、ガックリだ
そう言やぁ、最近は練習はしてたけど、試合のペース(分速315m超?)で走ることはしてなかったもんなー、甘かったか
…でもさー、ニアフュージョンの試走とほぼ一緒っしょ?イメージまちがってないっしょ、俺?って、自分をなぐさめる
セルスコールを次のひとに渡して、準備馬場での障害を少し手伝って、そのあと所用があったんで、競技全部見ずに離れました。
(↑これ別のひとが乗ったセルスコール、80センチ競技。)
(↓ちなみに、80センチを勝ったのは、エアサンタムール
)
(↑マジ規定の1秒以内に入ってきました、お見事
)
ぜんぶ競技も手入れも終わったあとくらいに、ようやく戻れたんで、馬房まわって馬たちにリンゴやる。みんな御苦労さん。
終わったあとは、懇親会。ちょっと風が強いけど、いつものように外で肉焼いたりしました。
私の結果は順位にしたら7人中3位ってことで、賞品もちゃっかりいただいちゃったんだけど、73秒ぢゃなあ
(←4秒も遅いことに、かなりこだわっている。)
でも“暴走しない”って秘かなテーマには沿って走行できたから、ま、いっか。(←6月にエアサンタムールで、もっとおっきな競技で3位に入ったときより、今回のほうが中身には全然納得がいってる。)
でも、私のあとで同じセルスコールに乗ったひとも、そんな苦労してなかったっぽいんで、馬適度に疲れてただけかもね
来年の最終的な目標は「“サラブレッドで”100センチ」だし。また来週から練習だな。