かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

濹東綺譚(ぼくとうきたん)

2006年03月15日 | Books
相変わらず、濫読、積読進行中。特に、積読はひどく、家族からも非難轟々である。読みたいと思った本を放っておくと、永久に読めないのではないかと思い、とりあえず、買って置くという習性は変えられない。いつかは読もうと思っている。
濹東綺譚(ぼくとうきたん)は、ご存知永井荷風の名著。尊敬する古書収集家に勧められ、横浜で一番大きな有隣堂で、GETした。永井荷風の本も、どんどん絶版になったりして、小さな本屋では入手が困難になっていることを知った。
ちなみに、濹東は、隅田川の東の下町(墨田区付近)、綺譚は、珍しい話という意味だが、当時の雰囲気が、独特の流れで、自然に描かれている。すばらしい日本文学だと思う。小説なのか随筆なのかわからないのもいいところ。
話が終わると作後贅言(さくごぜいげん)のコーナーで、永井荷風自身による長い後書きがあり、最後に永井荷風の年譜までついている(新潮文庫版)。
年譜によると、永井荷風は、1879年に東京都小石川に生まれ、1897年上海へ。帰国後、1903年アメリカのタコマへ、1904年にアメリカのカラマズーへ(シカゴ時代に行ったがど田舎)、1905年ニューヨークへ。1907年フランスのリヨンへ。1908年パリ生活後帰国。当時の経験を基に、あめりか物語や、ふらんす物語を書いた。その後は、日本で、ご存知の放蕩三昧を続けつつ創作活動を続け、文化勲章を受けるほどの大作家になった。まさに波乱万丈の人生を送った人だ。
ちなみにお父さんは、役人から転じて、日本郵船に勤めた人で、その関係で、永井荷風もインターナショナルな経験をしたようだ。当時これだけの海外暮らしをした人も多くなかっただろう。
人生いろいろを地でいった人である。
コメント
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