かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

東アジアと日本

2023年01月11日 | Books
今日は、在宅。
いい天気だけど寒い。



角川選書の地域の古代日本シリーズの、『東アジアと日本』。

地域の古代史と銘打っているが、タイトルが示すように、地域と言う感じではなく、古代日本本丸と東アジアとの関係を、いろいろな切り口から、コンパクトに鋭く論じている。
新たにわかって来たことも、積極的に取り上げていて、面白かった。

例えば、都の作り。
日本の都は、中国に従って、方形をしているが、朝鮮半島の、都は、そのような形は、とっていない。
一方で、日本の漢字の使い方は、中国から直接というよりも、朝鮮経由で伝わったと考えられる点が多い。
例えば、漢字を、中国語の語順ではなく、ただ単語を並べて表現したりする方法などもそうだ。
漢文の次は、万葉仮名と思っていたが、その中間もあったらしい。
日本での漢字は、7世紀以降急増するが、やはり百済の滅亡と同時に、百済人が、移って来たと考えるのが自然という。
たぶん、そうだろう。

古墳の話も面白かった。
古墳を研究すると、人の流れがよくわかるが、前方後円墳が生まれる前は、必ずしも、西から流入したとは言えないという。
災い(わざはひ)の反対語は、幸(さきはひ)であったという。
それほど、災いは、日常茶飯事の関心事であったが、当時から、噴火、地震、疫病、飢饉が中心であり、平成以降、日本も同じ状態に戻ってしまった感。
地域差が大きく、政治にも大きな影響を与えて来た。
最後は、ジェンダーの話だが、当時、まだ家の制度が定着していなかったことを念頭に置く必要がある。
その中で、女帝が多く生まれた訳だが、女帝になった後は、配偶者を持っていない。
これも、後継者選びに混乱を生じさせないような意図があったのではないかという。

いろんな遺跡調査、文献調査を通し、当時の世界を想像してく。
古代史の醍醐味を味あわせてくれる1冊だった。
コメント
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