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市場経済

2015-05-03 19:52:18 | 14期生のブログリレー

14期生の長田真由美です。

先日会社の先輩に勧められて、マイケル・サンデル教授の 「What Money Can’t Buy (それをお金で買えますか)」 という本を読みました。

マイケル・サンデルと言えばハーバード大学の名物教授で、数年前にNHKで「マイケル・サンデルの白熱教室」という番組が放映され、ブームが巻き起こったことは記憶に新しいですよね。この本の内容も「マイケル・サンデル 究極の選択」としてNHKで番組になったようです。

この本の内容は第1ページ目から衝撃的でした。

「この世の中にはお金で買えないモノもあるが、最近はそんなに多くはない。今日ではほとんど何でも世に売り出されている。たとえば、以下のようなモノ。

1.     刑務所の居室アップグレード 1泊82ドル: 一般の収用部屋でなく、きれいで静かな部屋をもらえる。
2.     インドでの代理母サービス 1回6250ドル: 代理母のインドへのアウトソーシング。アメリカに比べ3分の1の価格。
3.     絶滅危惧種の黒サイの狩猟権 15万ドル: 牧場主がハンターに限定数の黒サイの狩猟権を販売。牧場主に絶滅危惧種の育成を動機づけるため南ア政府が特別に許可。
4.     温室効果ガスを排出する権利 1トンあたり13ユーロ:  EU運営の排出権市場で“大気を汚染”する権利を売買可能。
5.     有名大学に子弟を入学させる権利 ?ドル: アメリカの有名大学関係者がWall Street Journalに「多大な財政的貢献が期待できる裕福な親を持つ学生」は成績が多少劣っても入学させるとコメント。
6.     自分の坊主頭を広告宣伝看板として提供 777ドル: 坊主頭にして、広告宣伝の文言をタトゥーシールでペイント。
7.     自分自身を実験材料に提供 7500ドル: 新薬臨床試験に参加。
8.アメリカ国会議事堂で徹夜行列 1時間20ドル: ロビイストが議会ヒアリング傍聴権を求め、ホームレスの人々などを使って「待ち行列サービス」を提供する会社に払う代金。
9.成績の悪い生徒の読書 1冊2ドル: 読書への動機づけのため。
10.4か月で14ポンドの減量 378ドル: あなたの会社と保険会社が健康へのインセンティブを提供。
11.血のつながりのない高齢者の死後に保険金を受け取る権利: 保険料を肩代わりし続けることにより、死後に保険金を受領。何歳まで生きるかにより“投資効果”は変動。アメリカでは3兆円の市場。。。」

刑務所の居室アップグレードしちゃったら、懲罰の意味ないでしょ…と思いますけどね、私は。金融詐欺などで逮捕される大金持ちの金融マンなんかは、マフィアの手下たちが入ってる雑居房にはいられない、ということでしょうか。

売り出す人がいて、それを買う人がいる。それだけでビジネスとして成り立つのが「市場経済」ということなのでしょうか、ね。でも、上記のような「サービス」を見ると、国により文化により受け入れられないサービスもありそうです。

お金さえあれば何をしてもいいのか? 自分自身でもOKと思えるサービスと「それはちょっと」と思うものがあり、その境界は何なのか考えてしまいます。自分の思う境界と日本人の他の人が思う境界、他の国の人が思う境界。ビジネスにおいて倫理感は人によって異なり、とても曖昧なものだからこそ、自分自身の軸をいつも顧みることが大切だと思いました。

 

コメント (2)
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