皆様こんにちは、14期生の中川です。
5月に入り、スポーツにふさわしい季節が到来です。昨晩のNHKプロフェショナルでも取り上げられましたが、今回は横綱白鵬の強さの秘密に迫りたいと思います。
その前に皆様は大相撲観戦に行かれたことありますでしょうか?
私は幼少期から大相撲のファンであり、高校時代から、時折両国国技館に足を運んでは、ひいきの力士を応援しています。(古くは“黄金の左 横綱輪島”、ちょっと前では、“平成の名大関 魁皇”、現在は“稀勢の里”のファンです。)
大相撲観戦は、テレビでは決して味わうことの出来ない独特の雰囲気、力士同士がぶつかり合う生音や肉弾戦の迫力、“臨場感“を堪能出来ますので、興味ある方は是非一度国技館観戦に行かれることをお勧めします。
さて、最近の大相撲では、白鵬の強さが一際目立っています。優勝記録回数はそれまでの歴代1位の大鵬の32回の記録を、今年の初場所で更新、3月場所でも優勝、まだまだ優勝回数を伸ばす勢いです。
ここで、白鵬の強さの秘密について“心・技・体”で考えたいと思います。
まずは“技”。白鵬には右四つ、上手投げという絶対の型を持っており、この形が出来れば、まず負けることは考えられません。また“後の先”といい、相手に先に立たせておいても、いつの間にか自分の型に持ち込む”技”も持ち合わせております。
次に“体”。一番の特徴は、その柔らかさです。相手力士が“力が吸収されてしまう”と嘆くように、体全体が“餅”のようで、押してもその力がいつの間にか吸収されてしまうようです。また柔軟な足腰により、怪我が少ないことも、大きな特徴です。大概の力士は古傷との戦いで苦労していますが、白鵬は、怪我をせず、休場しないことが歴代1位の優勝回数を伸ばせる要因となっています。
最後に“心”。白鵬は、2000年10月に6人のモンゴル人と来日、友人が次々と入門が決まる中で、その体の小ささ(175㎝、68㎏)故に、最後まで受け入れてくれる部屋が見つからなかったようです。その後、猛烈な稽古や鍛練により、2007年5月場所後に横綱昇進、現在身長193㎝、体重160㎏の不動の大横綱の地位を得るに至っています。
その間不断の努力を続けてきているわけですが、なかでも、心の鍛錬が際立ちます。白鵬がかつての大横綱である故大鵬親方との対談で、次のように語っています。
「相手もみんな厳しい稽古を積んできた関取ですから、横綱とはいえ、ちょっとでも気持ちが弱くなって相手に自分の型に持っていかれたら負けます。…一瞬一瞬の心の置き所が相撲の勝敗を決めるし、それが積み重なって相撲人生が決まるわけです。」
まさに白鵬の相撲道を体現している言葉だと思います。
白鵬は、下位力士に対して立ち合いに張り手を行うことも多く、横綱なんだから、と苦言を呈する向きも多いのですが、張り手はその瞬間脇が空くので、危険を伴う立ち合いでもあります。大横綱であっても、常に対戦力士の研究を怠らず、真剣勝負を行う姿勢に感動します。
白鵬の今後の記録更新に期待しつつも、日本人力士の台頭も待ちながらこれからも大相撲観戦を楽しみたいと思います。お付き合いいただき有難うございました。