こんにちは17期の小口です。
本日は香港に出張で来ています。
「稼プロ!」第一回目の自己紹介時にお話ししました通り、私は過去三回、合計13年、香港に駐在しておりました。こうして香港に帰ってくると、毎回駐在時代の思い出が溢れてきます。
そこで、今回は香港駐在時にマネジメントとしてその対応に悩んだ「課題」についてご紹介したいと思います。同様の課題を抱えている日系海外現地法人も多いと思いますので、皆さんの参考になれば幸いです。
安定雇用・安定経営
私の勤務していた現地法人の「強み」は、会社を心底愛し、長年勤務してくれている現地社員でした。管理職層、非管理職層含め多くは、勤続25年以上のベテランであり、貢献意欲も高い、そんな彼らに恵まれたおかげで社長在職時代は、円滑に、安定的に組織を運営していくことができました。
ポスト・新しい視点の不足、そして定年問題
しかしながら、管理職層の雇用が安定していることは、管理職ポストが「詰まっている」ことを意味しました。非管理職層にとってみれば、いくら努力しても上司が在職のうちは管理職への昇格が望めない状況です。そんな中でも、非管理職スタッフは真面目に業務に取り組んでくれていましたが、「如何に非管理職のモチベーションを維持するか」は大きな課題でした。
また、雇用が安定し、新しい社員を採用する必要がないことは、時間をかけての人材育成を可能とするものの、新たな発想が生まれにくい状況にあることを意味していました。よく気合いだけで「イノベーティブな発想をしろ!」と言う人もいますが、そうではない「仕組み」作りが必要でした。
そして、多くの管理職層スタッフの年齢が似通っているため、将来のある一時期、キーパーソンの多くが定年退職者として一斉に会社を去ることが分かっていました。「サクセッションプランを策定していれば問題ないでしょう」と教科書通りのツッコミを頂きそうですが、一定の経験を必要とする職務の「サクセッション」には、組織トータルで人員の増となる時期を必要とします。それはトータル人数を増やすことが簡単でない現地法人にはハードルの高いものでした。また、人間関係を重視する中国ビジネスにおいて、長年かけてベテラン社員が構築した顧客との関係性を一斉にオールクリアし一からつくり直す、
のは事業として許容できるのかも真剣に悩みました。
香港は、元来Job Hoppingが盛んな土地柄です。流動性の高い労働市場を有効活用し、新たな視点、能力を求め、積極的に新陳代謝(採用、解雇)を行う欧米系等の企業においては、上記は発生しない課題かもしれません。しかしながら、これら企業に対し、安定雇用がもたらす現場力で勝負している日系現地法人は多く、当時、日本人商工会等で会う他社マネジメントの多くからも同様の悩みを聞いていました。
さて、
具体的に実施した対応の内容については、企業秘密としてここで言及することは避けたいと思いますが、皆さんは診断士として、当時の私にどのようなアドバイスをされますか?
事例研究のような結びになってしまい申し訳ありませんが、機会があればディスカッションしたいですね。