講師の亀田です。
先週の土曜日はドラッカーの勉強会があり、3人の発表者の内の一人でした。
勉強会では、ドラッカーの課題図書の担当のパートをA4サイズ1ページにまとめた資料を作成し、発表します。
課題図書は『企業とは何か』で、GEの事業部制組織がテーマの章となりました。
事業部制組織は診断士試験でさんざん勉強しましたので、
発表時には、関連知識として近代的な組織の「アメーバ経営」につていても紹介してみました。
アメーバ経営とは、
・稲盛和夫氏が京セラを経営するなかで、京セラの経営理念を実現するために創り出した独自の経営管理手法
・組織をアメーバと呼ぶ小集団に分け、各アメーバのリーダーは、それぞれが中心となって自らのアメーバの計画を立て、
メンバー全員が知恵を絞り、努力することで、アメーバの目標を達成していく
・その結果、現場の社員ひとりひとりが主役となり、自主的に経営に参加する「全員参加経営」を実現
・京セラをはじめ、KDDI、日本航空など約600社に導入
というものです。
その【特徴】は、
1.常に小さな組織で独立採算(役割・責任の明確化)
採算管理できる最小の単位(数名~最大でも50名)に分けることで、一人一人が自分たちの活動成果が分かるようになる。
さらに、各アメーバの売上、利益、経費などの収支は、月が終わると直ちに集計され、全社員にオープンにされる。
2.収支決算は「時間当り採算」
部署ごとに「採算表」と名付けた家計簿のような帳簿を付け、これが時間当り採算表で、家計簿とほぼ同じ構造となっている。
そのため、社員一人一人がどのように動けば会社の売り上げを向上させ、
自分の給料の原資となる付加価値を増やすことができるのかを理解することができる。
3.タイムリーで正確な経営情報
各アメーバに毎日概算の収支の実績が伝えられるので、月の後半ともなれば予定の達成に向けて順調かどうかが見えてきて、
リアルタイムで経営数値が現場に伝わる。
の3つになります。
ライン組織、ライン&スタッフ組織、事業部制組織の特徴とは大きく、異なりますね。
一方で【問題点】としては、
1.アメーバが自らの採算にこだわりすぎると、会社全体よりアメーバだけの利益を追求してしまう
2.「時間当たり採算」の計算に時間と手間がかかる。
があります。
環境変化が激しく、タイムリーな判断や個々人の対応力が求められる昨今では、
アメーバ経営の考え方は、見習うべきところが多いと思いました。
チームマネジメントにも応用できそうですね。