こんにちは。17期生の山本はるかです。
夏はお祭りの季節ですね。(前回も同じことを言っていたような)
最近はまちづくりの中のお祭りの役割についてよく考えます。
さて、8月20日に名古屋商店街研究会で大須(おおす)商店街へ視察(という名の食べ歩き・2回目)に行ってまいりました。
ちなみに1回目はコチラ。
①大須商店街とは
大須観音を中心に広がる、名古屋を代表する商店街です。
なんと商店街振興組合組織が8つもあり、組合加盟店は約500店舗、周辺店舗含めると約1,200店舗。
全国的にも稀にみる大規模な商店街ですので、全国から視察にみえるようです。
東京でいうところの下北沢と秋葉原が融合したような街と言ったらイメージが湧くでしょうか。
食べ歩き、電気街、サブカルチャー、古着、エスニック、コスプレ、メイド喫茶、家具、と特徴は多岐にわたります。
(メイド喫茶ができたのは全国で3番目ですが、「おかえりなさいませ、ご主人さま」と出迎えるようになったのは大須が初めてとのこと。)
2年前に、落語が楽しめる大須演芸場が復活したことで、若者だけでなく年配の方も集う場所でもあります。
来るもの拒まずという性格の商店街であるため、年間7~8%の店舗が入れ替わっています。
インバウンドも多く、中国の方だけでなく東アジア・東南アジアの方も増えています。
②大須商店街の歴史
戦前は名古屋城の南の寺町として栄え、名古屋の都心としての役割を果たしていました。
空襲で焼け、戦後の区画整理により大きな道路に囲まれ、陸の孤島になりました。
映画館が10件程あった時期もありましたが、徐々に衰退していったと言います。
40年ほど前までは他の商店街と同じように衰退の一途を辿っていたようですが、その後復活劇を遂げます。
復活の要因は3つです。
・アメ横ビルができたこと(大須のおもちゃ箱と呼ばれる、家電・パソコンショップ)
・大須観音駅ができたこと(地下鉄のアクセスが良くなり、回遊性が増す)
・大須大道町人祭りがスタートしたこと(大道芸人によるお祭り)
③大須商店街のお祭り
40年前にスタートした大道芸人祭り。
大道芸人によるお祭りは今では定番ですが、この大須が発祥の地ということです。
大道町人祭りには、今でも守られている3つの掟があります。
・オール大須(8つの商店街振興組合が一緒にやる)
・手づくり(自ら汗と知恵とお金を出す)
・実行委員長は一生に一度(固定化させない)
④2つの気づき
若者がトレンドを創り出すまち、という印象の強い大須商店街。
しかし実は、2016年の大道町人祭りの実行委員長は80歳の地元の店主でした。
その有志を見て、今年になり青年部が結成され、今年の実行委員長は30代の方になったという経緯があるようです。
まちづくりは「よそ者・若者・ばか者」が活躍するとよく言われますが、
年配者だけしかいなくても、悲観することはなく、できることはたくさんあると気づかされました。
また、8つの商店街振興組合が互いに協力する機会があることで、大須商店街全体としてどう見られていて、どうしていくとよいかと、
視野を高く広く持つことができます。
商店街振興組合の垣根を超え、個店も巻き込み、まち全体としての活性化という視点についても、非常に重要だと気づかされました。
見事実行委員長の職を全うされた後は、各組合の理事などとしてまちづくりの面で活躍されるそうです。
大須案内人の方の言葉を借りると、「祭りが人をつくり、人がまちをつくる。」
祭りには、ひととまちをつくる役割があるというのが、現時点での私の仮説です。