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開業3か月半経ちました。

2021-10-14 12:00:00 | 21期生のブログリレー

21期生の中川聖明です。ご経験深い事務局の後のブログは大変プレッシャーがかかりますが、自分の身の丈にあった内容で4回目に臨みたいとおもいます。

7月開業後は変化が大きかったので、比較的受け身の毎日を過ごしました。国際部の方から仕事をご紹介されたり、職場の先輩からご子息への事業譲渡のアドバイスの依頼を受けたりしていましたが、そのような中、労働問題が目につきました。

私は社会保険労務士資格があり、一応依頼には応じられますが本業にはしていません。それでも一緒に考えアドバイスします。以降の最終的な仕上げや、労基署への届け出はクライアントにお願いをしています。そのような進め方ですが、最近お会いしたお客様から気づいたことを2点ほど記載します。

1.クライアントの求める本質的内容は、依頼される言葉だけでは足りなすぎる。

   ご依頼の多くは発生した労務問題のお話が中心になり具体的な対応を求められるケースから解決策を求められました。内容は個別対応もあり差しさわりがあるので言及しませんが、最初から本質的な部分について話をしてくださることはまずありません。 
 労務関係のトラブルは総合労働相談所で相談できますが、統計上多いのは退職、労働条件違い引き下げ、賃金不払い、いじめ(ハラスメント)が多いとのことでした。

   例として、社員側からは、突然退職を言い渡されるケース、上司と考え方が合わなく人間関係が悪化するケース、会社側は、社員が出社拒否をするケース、怠業するケース、社員からチャレンジ(訴訟等のことをいいますが)されるケース、突然管理統制がいかなくなるケース等があげられます。そのような中重要なのは、紛争に至る場合双方立場での言い分は確認する必要があります。一方的にどちらが悪いということだけではないようです。特に突発的に起きた時こそ言えるようです。

それゆえ、クライアントからだけの話だけではそれが客観的な内容なのか判断ができません。やはり話す側は自分を有利に説明することが多く、不利な話はされません。  
 でも、もしかしたら単に「言い過ぎてごめんなさい」と会社なりもしくは社員なりが、一言謝れば解決することもあったかもしれません。よく、当事者同士の誠実な話し合いが一番解決しやすいのでしょう。でも、プライドが許さないのかなかなか、その場が持てないし、上司と部下だと、その関係を超えた話し合いができずに複雑になってしまうこともあります。簡単な問題でしたら、まず上司は目線を合わせて話を聞くことが大切と思います。

また、仕組みとしても、労働条件の不明確さも紛争の要因につながります。就業規則や労働契約書の未整備や不明瞭さが問題につながることも多いのです。

私は労使紛争が未然に防止できるように就業規則の見直しと契約書、誓約書等その他入社時関連書類の整備をよく提案します。幸いまだ、紛争解決のステージまで行くケースはここ数か月ございませんでしたが、サラリーマン在職中に感じた範囲では、紛争を起こした当事者が話し合い、事実を確認し悪かったことは謝罪するなり弁償するなりが一番無難な解決と思います。懲戒解雇案件も対応しましたが、この時もやったことはいけないことでも、社員本人の尊厳や至った経緯についてはよくヒアリングしました。会社の仕組みが追い付いていなかったことも気づかされ切ない思いもしました。

また、労働者もよく勉強しています。そこは踏まえておくべきでしょう。これは日本にも、権利、義務に関する、契約という意識が定着したことを意味しています。昔みたいに飲み会n場で「まあいいじゃないか」というあいまいな決着は通用しなくなりました。

さて、例としては、社労士の業務ですが、就業規則見直ししてほしいという依頼があった場合、私は以下のフローで対応しています。

①課題のヒアリング→②現行の就業規則の確認→③公開中のモデル就業規則及び、現在有効な労働関連法令の記載の有無の確認→④業界にある特別な慣行の確認と就業規則への反映→⑤経営者の課題意識とそのご意向の確認→⑥改定案のドラフトの作成→⑦インタビューによる再確認→⑧素案の確定→⑨労働組合があれば組合競技の上意見書の作成→⑩就業規則の確定→⑪対象社員への説明会PPT→⑫行政提出書類の作成(就業規則変更届)→⑬労働基準監督署への提出→⑭押印済みの就業規則保管→⑮実施後のフォローアップ 

これを感覚的にしていましたが、結構なステップを経てましたね。ここまで行うといろいろなお話ができますので、クライアントが本当は何をしてほしかったのか、もめた場合は何が原因だったかわかってくることもあります。その後の紛争の未然防止に向けて留意しなければいけないことが見えてきます。やはり信頼関係を築きながらのインタビューは重要です。あと加えていえば実施後のフォローアップはとても大切です。残念ながら、なかなかそこまでたどり着いたクライアントはまだございません。

ちょっと社労士向けでしたが、診断士としても相談の業務フローをきちんとして抜けもれなくやるということは共通しているのかなと自分は考えています。

 

2.会社が自らの判断で行動できるようにしていく。

  自分は基本的にはよく広告にみかける「おまかせください」はしないようにしています。あくまでコーチングです。

一緒に考えて頂かないと成果物とのギャップでクレームに至るかもしれませんし、会社も学習し、ノウハウを蓄積するといういうことができません。ということもあり、丸投げの依頼はやはりお引き受けはできません。検討課題のヒアリングの前には成果物のする合わせは十分行うようにしてますが、自分が進めた部分については最後に丁寧かつ詳細な説明にお付き合いいただき、会社に成果物の責任をシェアして頂きます。

  IT化により行政の申請も電子化がかなり進んでいます。私達の役割は助成金、補助金申請のサポートそのものでなく、全体、各論での経営戦略や経営計画策定サポートであり、その中に補助金や助成金があると考えていかないといけないのかなと思っています。

  以前、免許センターの門前にいらした行政書士が代書屋さんをされていた時代もありましたが、これは自ら行う時代になりました。同様に申請の是非自体は会社主体で考え、私達の立場はそのためのサポートやアイデア出しと指導していく仕事に変化していくのがいいのではと感じています。経営革新計画、事業再生計画については帳簿作成や行政手続き中心の専門家では難しい話も多いのでそちらが中心となれば助成金、補助金関係の中小企業の関与度は上がってくると感じています。

  ただ、今後気をつけたいのは、申請獲得後の実施後のフォローアップと思います。ただの助成金申請代行にならないよう。助成金や補助金は、各社の経営活動の一部に過ぎない考え方で取り組んでいけるような業務スタイルを志向したいと感じてきています

会社が自らの意思でやりたいこととその是非や要否を判断して頂く、そのためのコーチングをしていく。事業者が自立を促していけるような支援スタイルを確立してみたいと思います。そのためには自分も相当勉強しないといけませんね。

今回は自分の経験と思ったことだけを書きましたが、しばらくは人事系の話題にしようかと思います。

 

  2021年10月14日      中川 聖明

コメント (3)
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