こんにちは。21期塾生の小林です。今週末はいよいよ合宿であり、オンラインでしかお会いできていなかった皆さんと対面でお会いできるのが楽しみです。
今回のブログは、前回に引き続き、日沖健さんの著書を読みましたので、紹介します。
今回の本は、日沖健著『独立する!中小企業診断士 開業のコツ60』中央経済社、です。この著者の本は、質問に対してズバリと本音で回答してくれるので、読むと非常に多くの示唆を得られるように思います。この本では、中小企業診断士が独立するにあたってのよくある質問、特に、独立開業の意思決定と顧客獲得に関する60の質問について、一問一答で回答してくれています。
私が読んだ中で、特に印象的なものは、「どういう意気込みで独立開業を決意したか?」という問いに対して、回答は、「弾みで会社を辞めました」「成り行きで独立しました」「ちょっと思い立って始めました」というコンサルタントが圧倒的に多いとのことです。
コンサルタントは見えないサービスを売るので、売上を正確に予想するのは困難であり、採算性を検討しても、決心がつくのは難しい。採算性を検討するよりも、弾みや成り行きなど軽い気持ちでやってみる人が多く、コンサルタントの独立開業は非合理的な意思決定といえる、ということは目から鱗の考え方でした。
また、「専門分野をどう確立するか?」という問いに対して、「コンサルタントは自分の強みを生かせる領域を専門分野にするのが基本」であるという回答です。ただし、もともと、すごいスキルや経験を持つ人は少ないので、独立開業後に経験を積む中でスキルを身に付け、専門分野を磨くのが普通、ということも、今後の活動を検討する中で励まされるものでした。
特に、この本では、60の質問の内の20問が、顧客獲得関連の質問であり、顧客獲得のための具体的方法が書かれています。受注のチャネル、ネットワークの形成、受注確率を高める方法など、実践的な方法が多く書かれており、今後折に触れて読み参考にしたくなるものでした。
この本は、著者が診断士養成課程の講師として、多くの診断士と関わってきた経験から、独立開業に伴う気になることを、明快に本音で答えてくれ、具体的な方法を提示してくれています。
独立開業をリアルに考えさせてくれる、独立開業を検討する人にとって読む価値のある本だと思います。