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林業体験

2024-11-25 12:00:00 | 24期のブログリレー

22期生の塩谷です。

前2回のブログに続いて、今回もその後の林業研修について書かせていただきます。実は書いている本日(11月24日)は卒業に向けた学科、実技の各試験日です。無事にクリアすれば晴れて12月8日の卒業式を迎えることができるという日のため、このブログも試験前の緊張の中で書いています。

昨日までは、樹高25mある針葉樹、20m弱の広葉樹を伐倒していました。特に25mある針葉樹の胸高直径は50㎝にも及びます。小さなチェーンソーでは届かないので大きめのチェーンソーで切ります。受け口を作った後、前ツル、追いツルと作っていくのですが、正しく作らないとどこにいつ倒れてくるか分からないというほど大切な作業です。プロの方についてもらって作業を進めるのですが、平らなところと勝手が違い、斜面だと平行に作れない。まっすぐに入れたつもりのチェーンソーの刃もイメージ通りに入っていない。結果、一番大切な前ツルを切ってしまうということも起こりえます。これはこれで緊張の連続です。この授業で怪我をする人はいませんが、林業の怖さのようなものを肌で感じることが出来ました。

また、遡ること1か月前は伐採から製材までする企業の視察に行きました。そちらの企業は近県の木を伐り出し取引先に部材まで仕上げて納品しています。とても進んでいて多くの工程を機械化し、JIS規格をクリアした工程もあります。木を加工する工場でありながら、本当にキレイなことに驚きました。案内していただいた方にその旨をお伝えしたところ、「数年前まではこんな状態ではなかった。ただ、工場を見たいという法人、個人のお客様が増えたこと、発送ミスによる作業負担が増えたこと、などから現場の社員が声をあげ、今の状態になった」とのこと。

林業での死傷者にはこの造材工程でも発生しています。造材作業については随分と企業によって対応が違っていて、大手になってくると機械化が進み、事故のない現場が出来ているようです。但し、この企業であっても山で行っている作業は、これまで書いてきた通り、難しい現場です。やはり、急斜面での日本の山は欧州と勝手が違い、多くの場面を人力に頼らざるを得ないのが実情です。そのようなことを見て聞いて感じる、様々体験させていただいた5か月でした。一方、多くの危険を肌身をもって知ることができた時間でもありました。

少し話は変わりますが、先日、社員10名程度の企業の社長にお会いしました。その社長は80歳、全然そんな年齢に見えない方です。その方がこんな話をされました。「こんな小さな会社ですが、社員は家族のようなものです。その家族を路頭に迷わせないためにも、私が元気であらねばならい。だから車に乗ることさえ躊躇することもある」と。最後の最後でこの話を持ってきたのは他でもありません。当たり前ではありますが、企業に守られている時と守る側に立つ人との大きな違い。これまた、今の自分に大きな気づきを与えていただいた話となりました。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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2 コメント

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試験おつかれさまでした!そして試験前の投稿ありがとうございます。 (今村信哉(24期))
2024-11-25 12:36:12
最後の社長の一言、凄みを感じました。この大きな違いを常に忘れないように、事業者の方々と接していきたいと思います。そして診断士としても、プロとしての矜持を持てているのか、自らに問うてみます。
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Unknown (柴田純一)
2024-11-25 12:35:32
試験の無事合格をお祈りします。
守る側と守られる側の意識の違い、確かに大きいと思います。
安全は本当は皆が力を合わせて守るもの、だと思うのですが、現実はそう簡単には参りませんね。
事業承継の道筋を作ることも、従業員のためになるように思いました。
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