こんにちは。24期生の山口です。
今回は、「実践に活かせそうなもの」を意識して、先月訪問した「TOKYO PACK 2024」という展示会について述べさせて頂こうと思います。
TOKYO PACK 2024(東京国際包装展)とは、包装資材、包装機械から包材加工機械、食品機械、環境対応機材、物流機器類 等、生産・包装・流通の技術振興をはかるとともに、交流および包装の最新情報発信の場として、国際的な視野に立った社会の発展に資することを目的に2年おきに開催されている展示会です。
今年の入場者数は、3日間で221,301人と大きな展示会です。
(出所:https://www.tokyo-pack.jp/)
なぜ、この展示会を訪問したかというと、現在、会社で脱プラスチック包材化と包材コストダウンを包装設計技術者と共に推進しているためです。3分ミニプレゼンでも少し触れましたが、世界的に環境配慮が進んでおり、世界各国でプラスチック包材の規制が加速しています。そのため、プラスチック使用量の多い包材では、脱プラスチック化が必須の状況になっています。現時点では、一般的に脱プラスチック包材化するとコストは悪化する傾向であり、企業としては悩みどころです。現在、私の関わっている商材は、その特性から比較的コストダウンの可能性もあるため、脱プラスチック包材化とコストダウンの両立を目指しており、そのための手法や工夫の余地、新しい素材が無いかなど、ヒントや気づきを得ることを目的に訪問しました。
まず、全体の印象ですが、やはり昨今の環境対応の流れから紙質系の素材、生分解性のある素材を中心に使用事例や活用提案を主とした展示が多かったです。2年前にも同展示会を訪問しましたが、その時点から環境対応の展示が多く、その面からすると今回は斬新で目新しい物はあまりなかった印象です。例えば、ポリ袋の代替提案は前回もありましたが、今回もいろいろなブースで展示されていました。バリエーションや活用提案など増えた感じですが、どのブースで聞いても前回同様、コストは上がるという話でした。更なるロット効果を待つか、コストアップしても導入する必要性に迫られている領域か、環境アピールを会社方針として強力に打ち出そうと意図している企業などでないと、なかなか採用は難しいのではとの印象を受けました。
一方で、私の部門で取り扱っている商材については、少しアレンジしたり、工夫したり、組み合わせたりすることで、実現可能性のありそうな手法や設備等もあったので、今後、包装設計技術部門と検討してみたいと思いました。
また、前回より変わった点としては、アジア系の外国企業の出店が増えていたことです。前回は、コロナ禍が明けかけた頃でしたので、国際展示会ではあるもの、海外からの出店はそれほど目立たない印象でした。今回は、多数のアジア系企業がブースを構え展示エリアも広くなっており、日系企業への売り込みや取引拡大に向けた姿勢を感じました。
製品を出荷する際には、何らかの包装材が使われていると思います。1回で廃棄されるシングルユース包材や、取引先間と回転させるリターナブル包材、海外輸出している企業は国際輸送に耐えられる包材を使用するなど、種類や形態も様々と思います。また、製品の形状、重量、品質維持、危険物管理など、商品の特性により包材への要求事項も異なるかと思います。これら包材に掛かる費用も含めてコストになります。診断士として、中小企業 製造業の原価低減・コストダウンを含む各種支援にあたる場合は、製品に要求される事項を維持することは前提ですが、包材も一つの視点として見こうと思っています。
最後までお読み頂き、有難うございました。
東京ビッグサイトだと、複数の展示会やっていることも多く、スマホで登録してすぐ入れるので、新たな学びや発見の機会にもなり得ますよね。
現在SDGs関連のビジネスモデルを扱った書籍を読んでいますが、どの事例も画期的なアイデアで社会課題を解決するものとなっています。包装資材を含め、ラストワンマイルの流通において、コスト/環境負荷の両方を一挙に解決できるアイデアが実現できれば良いですね。