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バケットにこだわるベーカリーチェーン

2024-11-24 12:00:00 | 24期のブログリレー

こんにちは、24期生の金子政弘です。

今回はオールスクラッチ(手作りで全工程作る)方式のベーカリーチェーンのバケットについて書きます。

今年、パリでオリンピックが開催されたことがきっかけになり、フランスの絵や食に関心が強くなりました。

フランスの身近に食べられる食と言えばフランスパンを想起します。

パリのブーランジェリー(パン屋)が日本にも出店しているのでフランス本場のお店のバケットは昔に比べて身近なパンになったと思います。

以前はバケットのような油脂を使わないハード系のパンは日本では売れないと言われてきましたが、日本でも食事パンとしてハード系のパンを好んで食べる人が多くなっているのかもしれません。

ハード系で一番ポピュラーなパンとしてはバケットやバタールがあります。細くて長いほうがバケットで太くて短いのがバタールです。配合は一緒で形状が違います。プロに聞いたらちょっと違うと言われるかもしれませんがイメージはそんな感じです。

最近、私はバケットが好きで家で食べる機会が増えました。

美味しいブーランジェリーの商品はそれぞれ特徴があるので色々なお店のバケットを買って食べ比べるのは楽しいです。パリッとした皮の食感とクラム(中身)のふくらみ方や小麦の香りや色は店によって違いがあるので奥が深いです。

バケットには発酵に使う酵母を自家培養する店や液化天然酵母(ルヴァンリキッド)を使い独自の風味を出す店があります。酵母以外にも、昔ながらのパン生地を長時間発酵して作ることにこだわる店や、小麦粉の挽き方にこだわる店や、塩にこだわる店、クープ(生地の切り込み)の入れ方にこだわる店、等店独自のこだわりで差別化しています。材料は小麦粉、塩、酵母、水のシンプルな配合ですが、美味しさを追究する職人の努力が結集した商品です。すべては小麦の味を最大限に引き出す工夫がされています。味や食感は当然人によって好みが分かれるので自分の好みを探します。

私は前職で様々なベーカリーチェーンと取引があったので店舗を増やして経営を維持していくことの大変さを見てきました。ベーカリーチェーンのパンの提供方法は大きく3つに分かれます。

1つ目は職人を各店に配置して一から生地を作って焼きたてパンを販売するオールスクラッチ(手作りで全工程作る)のお店、2つ目は経営の効率を求めて工場で冷凍パン生地を作り、お店でパン生地を解凍してパンを成形して焼き立てパンを出しながら、品揃えの一部に工場で焼いたパンを一緒に店頭に並べるお店、3つ目は工場でパンを焼いた商品をお店に運んで、パンを焼かずに販売だけするお店、の3つに分かれます。職人を店に置いて昔ながらのオールスクラッチ(全工程手作り)の焼き立てパンを作ることにこだわっているベーカリーチェーン店はとても少ないです。

料理と同じでパンも手間と愛情をかけないといいものができないと私は思っています。

オールスクラッチにこだわるベーカリーチェーン店は人の育成が経営を維持するうえで最重要です。

技術はじっくり時間をかけて教え込み、どのお店もレベルが揃ったパンを供給します。朝4時ごろから仕込み始める為、通勤も大変で、人の確保は大変だと想像します。人が育つとお店を増やす経営をされていた企業がありました。今後更に残業管理が厳しくなると、パン職人を養成してベーカリーチェーンを経営するスタイルはどんどん難しくなるのではないかと心配になります。またメニュー開発を常に行わなければお客に飽きられてしまう為、商品開発力を向上する努力も必要です。店で販売する従業員に対しては接客に関する様々な教育や、新商品の販売促進の為にお客様への声掛け、新商品の説明を常に勉強する等、色々な人材教育の努力をしながらブランドのイメージアップに取り組んでいます。

商品とサービス両面からブランドイメージを守りながら経営する日本のオールスクラッチベーカリーチェーンを顧客として応援したいと思っています。

特にバケットを看板商品にしているベーカリーチェーンのパンはどこで買ってもおいしいと思っています。

こういう手間のかかる、楽ではないパン作りですが、パンを作る職人さんはやりがいを感じて生き生きと仕事をされている方が多いと感じていました。パン作りが面白くなって、もっとうまくなりたいと思ってやっている人が多いと思います。

個人店のブーランジェリーは親が朝早くから仕事をして長時間労働する姿を子供は見ているので後を継がない人が多く、親の代で終わってしまう店が多いです。

手作りのパンを買う固定客が増えて地域に愛されるお店が繁盛することで、おいしいバケットがどこでも普通に手に入る環境が維持されることを願っています。

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (柴田純一)
2024-11-24 21:16:50
わが家もバゲット大好きです。今夜の夕食は牡蠣とエビのアヒージョ&バゲットでした。シンプルなのでお店の個性がでますね。
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Unknown (山口賢哉)
2024-11-24 21:27:42
ベーカリーの事情がわかり勉強になりました。私の住んでいるエリアも、以前は1件しかありませんでしたが、今は数件に増えました。飽きが来ないよう常に商品開発をしたり、競合も増えたりとなかなか厳しいのではと思いますが、パン作りに情熱と楽しさを感じてらっしゃるということですね。どこも美味しいと評判です。
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Unknown (森谷進吉)
2024-11-25 04:36:01
地元にPOMPADOURがありますが、確かにそこで買ったフルスクラッチのパンはおいしいです。
パン屋さんの呼び名、製造形式、販売形式などで様々な用語がある事が分かりました。それだけお店毎のこだわりがあるという事なのでしょう。
今度からお店の立ち場に立った見方でパンを楽しんでみたいと思います。
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Unknown (永岡伸一)
2024-11-25 05:07:27
様々な種類のパンがならんでいるだけでもワクワクします。「人気NO1」「●●地域特産の■■パン」などポップアップをみるのも楽しいし、つい買ってしまいます。生き残るための独自の戦略も様々ですね。おいしいパンの店が残ってほしいものです。
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Unknown (今村信哉)
2024-11-25 12:46:05
普段、あまりパンを食べないのですが、先日サービスエリアで食べたパンが美味しくて感動しました。
個人店のブーランジェリーの承継問題など、知らないこと多く勉強になります。ありがとうございます!
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