読者の皆様、こんにちは。
22期の柴山宗馬です。
世の中のChat GPT熱に対して、無根拠かつ過度な期待感があるのでは?と思いつつも静観していました。
一方で、勤務先でもChat GPTとの問答をそのままチャットやメールに張り付けて情報共有する人が現れ始めました。
私も疑うだけではよくありません。Chat GPTにいろいろ聞いてみました。
※「SO」が私です。
一発でおかしいとわかりますね。これをそのまま発信してほしいと思う中小企業診断士はいないでしょう。
では少し難しい法律分野の質問を。こういった調べものにも使えるという声があるようなのでお試しです。
おや? 1と5は同じものだし、今年6月に施行される改正電気通信事業法の論点は漏れていますね。
他にもいろいろ聞いてみましたが、やはり期待とは異なる回答が返ってきています。
・AI「古田敦也さんは主に1番二塁手を務めました」 ← 実際は捕手であり、1番打者での出場はほぼないはず
・AI「ピカチュウは猫をモチーフにしたポケモンです」 ← ネズミがモチーフ
・AI「本能寺の変は1578年です」 ← 1582年が定説
上記の発言に対して正誤を問いただすと正しく答えてくれるので、質問の本題とは少しずれた補足情報に間違いを含めやすいようです。
結論として、ChatGPTは非常に作文上手ですが、情報の正確さと偏りの観点からは回答を鵜呑みにはできなさそうです。
業界特殊的な言葉や、同じ文字列でもニュアンス、定義が異なる言葉、概念の区別にもかなり弱そうです。
裏を返すとフェイクニュースの作成は簡単にできてしまいそうなので、やや怖さもあります。
何かを調べるときの現実的な使い方としては、自分が不得意の分野に対して漠然と質問し、却ってきた回答からキーワードやポイントを汲み取って自分自身で調査するとっかかりに使うといったところでしょう。「結論」にはなりえないという印象です。
あくまで今後に期待できる有力株の1つであり、巷で言われているような使い方がなんでもできると断言するのはまだ厳しそうです。
ChatGPTに限らず、魅力的な新技術は評判だけを鵜呑みにせず、その弱点や個人・組織が運用するうえでの留意点についても一考したいところです。
ちなみに、ChatGPTとの問答はアカウントを作れば誰でも無料できます。
皆さんもアカウントを作って、自分の得意分野に関する素人質問を投げかけてみると、AI回答の違和感が良く分かると思います。
とても自然な分かりやすい文章がスラスラ。
ちょっとした質問の回答は、
そのまま使えそうで本当に感心します。
ただ、これまで執筆で、インターネットや書籍を参考にして加工して表現する場合、ちゃんと出所を明記するから成立するわけで、そこがまるっきり欠落しているのは危険な技術と感じます。
英語だともう少しまともな答えが出るという話も聞きます。
そちらも試してみてはいかがでしょうか。
おっしゃる通り、誤情報拡散の連鎖とそれによってAIの学習データが汚れていくことは懸念の1つですね。
社会としての方針が決まらないうちは、なおさら利用者のモラルやリテラシーが問われると思っています。