こんにちは!16期の中嶋です。
今回は、私の今の仕事であるIoTについてお話します。
私のキャリアのスタートは某電機メーカーの研究所から始まりました。電子機器のプリント基板製造の研究、そして研究に関連する国内外の生産ラインの立ち上げや改善、調査を行ってきました。さらには、はんだ付け技能スクールの運営を10年ほど行った経験があります(今でも先生の資格は持っています)。
その後、もう少し広く生産技術全般の視点で、IEを中心とした生産ラインの調査や改善を国内外で行うようになり、これまたIEの全社教育の講師と事務局を行うことになりました。
見てきたモノは、半導体レベルの小さなモノから、プラントのような大きなモノまで。1日に何千何万と作る超量産品から、リードタイムが年オーダーのインデント品まで。この世のモノづくりの全てではありませんが、幅広く貴重なモノづくりに関係する経験をさせて貰えてました。
そんな私の今の仕事は、製造系IoTソリューションの企画や導入のコンサルティングです。
IoTという言葉を見聞きしたことが有る方は、稼プロ!ブログ読者にも多いと思います。Internet of Thingsの略で、あらゆるものをインターネットにつなげて、モノに関わる情報を把握し、管理したり予測したりする技術もしくは考え方です。
製造系IoTソリューションとは、モノ=生産に関連する情報を取り出して管理できるようにした仕組み、というものだと考えてください。例えば、樹脂成形金型で部品を作る時に、樹脂の温度や樹脂を金型に流す速さなどを、部品一つ一つで測定し管理するような仕組みです。
この考え方はかなり昔からありました。私自身も20年ぐらい前に装置からデータを取り出してグラフ化したり、基準値を超えた時にアラームメールを作業者に配信する仕組みを作ったことがあります。
最近、センサーの高度化や小型化、無線LAN技術、インターネットの高速化などから、急速にIoTが発達してきたように思います。
難しいのは、人間の動きに関わる情報の取得方法です。特に人間系作業が中心となる、労働集約型の生産現場には、IoTへの注目度は高いものの技術的なハードルが高いのが現状です。それでも、画像認識技術やAR(Augmented Reality:拡張現実)技術を使った、「人の動きをとらえる」「人の作業を助ける」手法が最近出始めています。ゲームの世界では、画像認識がセンサーで人の動きをとらえるモーションキャプチャーで、ARがポケモンGOなどで実用化されていますね。
製造系IoTは、プロダクトライフサイクル曲線で言うならば「導入期から成長期に差し掛かっているところ」であり、導入には費用も高く「これからの世界」です。どちらかと言うと未だ大企業向けです。しかし、いずれ中小企業へも導入が進む技術であると思っており、業界の動向を注視しています。
実は8月頃に、現所属企業グループ全体に向けた製造系IoTソリューションのプレゼンテーションを行うことになりました。この世界はIT屋さんがほとんどなので、私のような経歴を持つ者がIoTを語るのは珍しいと思います。稼プロ!で学んだ手法を駆使し、ユーザ視点の魅力的なプレゼンテーションを行おうと、現在準備中です。
モノづくりに関連する私のキャリアがもう一つ増えたことに人生の面白さを感じています。
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16期が終わりに近づいてきました。
色々と思うところがありますが、最後は16期生名物の発声練習大会で締めたいなと思う、今日この頃です。