愛知県一宮市の萩原町にある和菓子の老舗「川村屋賀峯総本店」を久しぶりにのぞいてみた。江戸時代に創業し、こちらの場所に移ったのも昭和3年(1928)という歴史のある店だ。外から見るだけだと普通の和菓子屋という感じだが、ガラス引戸を開けて中に入ると、老舗らしく趣のあるしつらえが見応えあり。土間に並んでいるガラスショーケースで狭いが、腰をかがめて綺麗な和菓子をひと通り眺める。
この日いただいたのは「わらび餅」「早蕨(よもぎ羽二重)」「佐保姫(ねり皮)」「黒糖きんとん」の4種。わらび粉たっぷりのわらび餅は餡が入ったもの。よもぎの羽二重はとろっとしたこしあんで、口に含むと蓬生の香りがきれいに鼻を抜けていく。佐保姫は皮を畳んだだけのように見える菓子。餡が変わった風味で面白い。きんとんには餡も少し入っている。黒糖の風味がしっかりで、2種類の芋きんとんが合わせてある。なかなか手がこんでいて旨い。以前はこの近くのラーメン屋によく来ていたが、最近はラーメンの食べ歩きは卒業して、とんとご無沙汰なのでなかなかついでが無い。時々訪れて旬の素材を使った生菓子を季節毎に味わいたい店だ。(勘定は¥1,200程)
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↑ 萩原の商店街の中にある「旧・萩原郵便局」(昭和元年・1926・建造)。手直しが入っているが現在は何も使われていない様子。
↑ 木曽川町の住宅街にある「木曽川資料館(旧・木曽川町会議事堂)」(大正13年・1924・建造)。国登録有形文化財。
↑ 現在は展示室となっている議場は吹き抜けの格天井で、狭そうだがちゃんと傍聴席もある。演台の上には漆喰で造られた装飾が(写真上右)。
↑ 「JR東海道本線木曽川駅・倉庫」(大正元年・1912・建造、移設)。過保護に柵をめぐらされた小さな煉瓦積み倉庫。ポイント切替の為の油倉庫だったとか。明治時代の趣ある木造駅舎は2008年にピカピカの橋上駅に建て替えられた。
京菓子司 川村屋賀峯総本店
愛知県一宮市萩原町串作1449
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