Curtis Live! / Curtis Mayfield (1971)
インプレッションズ(The Impressions)を離れたカーティス・メイフィールド(Curtis Mayfield)の「Curtis/Live!」。ファーストに次いでリリースされたライヴ・アルバム。昔からずっと買ってみようかと思って見送っていた盤だ。こちらは2000年になってから米ライノ(Rhino)によりリリースされたリマスター盤。オリジナルは2枚組だったらしいが、そこに2曲追加されている。レパートリーはインプレッションズ時代のもの、ファースト・ソロのもの、このアルバムが初出のもの、で構成されていて、プロデュースはご当人、ミックスはジミヘン(Jimi Hendrix)、ツェッペリン(Led Zeppelin)、キッス(Kiss)などでお馴染みのエディー・クレイマー(Eddie Kramer)が担当している。カーティスのアルバムで仕事をしていたとは全然知らなかった。
ニュー・ソウルを象徴するかのような、やや暗く都会的なサウンドのソウル・ミュージック。もちろん根底に流れるのはゴスペル音楽。多用されるワウワウとカッティング・ギター、ブンブン鳴るベースとコンガの音色が特徴的なドラムスが作り出すグルーヴが、カーティスのファルセットと共にだんだんと熱が上がっていき、聴いていて引き込まれる好盤だ(でもボーナス・トラックは蛇足かな)。もっと早く聴くべきだったなァ。演奏をするバック・ミュージシャンの手腕も見事。
とはいえ実は自分、若い頃に映画「ブルース・ブラザーズ(The Blues Brothers)」にハマったので、ソウル・ミュージックは比較若い頃から好きだったが、カーティスを聴くようになったのはかなり遅い。随分前に同じくライノから発売されていたベスト盤を購入していたが、最初はあの独特のファルセットがどうにも苦手で、ボブ・マーリー(Bob Marley)や、ロッド・スチュアート(Rod Stewart)ら有名アーティストがこぞってカヴァーしたインプレッションズ時代の名曲「People Get Ready」も、それこそカヴァー・ヴァージョンの方が好きだったくらい。カルト映画としての評価も高かった「Superfly」も、表題曲らはコンピ盤などでよく聴いていたが、アルバムを通して聴いたのはまだ最近だ。それが甘い声で歌われる曲に、イメージとは違う政治的なメッセージが込められていると知ってから興味が湧き、時間をかけてだんだん好きになっていったのだ。音の感触も、なぜ70年代初頭のソウル・ミュージックはこんなに艶やかというかリアルな音像なんだろうといつも不思議になる。レコーディング機材なのか、テープなのか、はたまたプロデューサー、ミキサーの手腕なのか…。現在のデジタル時代にはないマジックがそこにある。
オークションにて購入(¥557)
- CD (2000/8/15)
- Disc : 1
- Format: CD, Original recording remastered, Import, Live
- Label : Rhino / Wea