いつも参考にさせていただいているゆめ未来さんのブログで気になっていた「京繁」へ初訪問。この日は岐阜市内で用事があり、きっちり夕方に終わったので、思い切って向かってみた。京料理というと身構えてしまいそうだが、アットホームな雰囲気のこじんまりとした店で、女将さんに予約が無い旨を伝えると、どうぞどうぞと招き入れていただいた。店はカウンターとテーブル席。カウンター席に座らせてもらう。カウンター向こうでは主人が調理の真っ最中。京会席のコースで料理をお願いした。
元々、会席料理は酒を呑む為の料理としての側面もあるから、まずはお酒。特にリストはないようなので女将さんに尋ねると、高山のある酒を出してくれた。先付けの銀杏豆腐で胃を落ち着かせ、次は八寸。訪問時は秋だったので、玉子焼きの黄色や柿の形の麩饅頭など、秋の色が鮮やか。その後には鱧の柳川などが出てきた。酒がどんどん進むが、最初にもらった酒の調子はあまり良くなかったので、辛口ではナ…と迷ったが「三千盛」に切り替える。
主人はテーブル席の方の調理も黙々と進めながら、こちらの箸の進み具合が早いのを気にして下さる(早喰い早呑みで申し訳ない)。会席の流れに沿って色々な料理が出てくるが、調理場は広くないので下拵えが肝要になるのだろう。食べる方は楽しいけれど、日本料理って大変だ。明るく可愛らしい(失礼)女将さんが何かと声を掛けて下さるので、初訪でも居心地がいい。
その後もじっくりと火を通された馬瀬の鮎や、栗ご飯など、秋の味覚を楽しみ、水菓子をいただいて、了。思ったより濃く感じる出汁は、いわゆる京料理らしくはなかったが、この地方の傾向に合わせてあるのかも。酒はびっくりするほど安かったが、少々高くても、もう少し幅をもたせるか、(料理に合った)調子の良い酒が置いてあるともっと楽しめたかな(酒量が増えるだけか・笑)。心もお腹も満たされ、店を後にする。また季節を変えて訪れてみたい。(勘定は¥7,000程)
↓ かつては紙問屋の建物だったという靭屋町を通る「御鮨街道」の「空穂屋(うつぼや)」(明治25年頃・1892・建造 ※登録有形文化財)。現在は喫茶、雑貨屋などとして利用されている。
京料理 京繁
岐阜県岐阜市鷹見町27
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