ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

京繁 @岐阜県岐阜市

2017年01月10日 | 岐阜県(岐阜)

いつも参考にさせていただいているゆめ未来さんのブログで気になっていた「京繁」へ初訪問。この日は岐阜市内で用事があり、きっちり夕方に終わったので、思い切って向かってみた。京料理というと身構えてしまいそうだが、アットホームな雰囲気のこじんまりとした店で、女将さんに予約が無い旨を伝えると、どうぞどうぞと招き入れていただいた。店はカウンターとテーブル席。カウンター席に座らせてもらう。カウンター向こうでは主人が調理の真っ最中。京会席のコースで料理をお願いした。

元々、会席料理は酒を呑む為の料理としての側面もあるから、まずはお酒。特にリストはないようなので女将さんに尋ねると、高山のある酒を出してくれた。先付けの銀杏豆腐で胃を落ち着かせ、次は八寸。訪問時は秋だったので、玉子焼きの黄色や柿の形の麩饅頭など、秋の色が鮮やか。その後には鱧の柳川などが出てきた。酒がどんどん進むが、最初にもらった酒の調子はあまり良くなかったので、辛口ではナ…と迷ったが「三千盛」に切り替える。

主人はテーブル席の方の調理も黙々と進めながら、こちらの箸の進み具合が早いのを気にして下さる(早喰い早呑みで申し訳ない)。会席の流れに沿って色々な料理が出てくるが、調理場は広くないので下拵えが肝要になるのだろう。食べる方は楽しいけれど、日本料理って大変だ。明るく可愛らしい(失礼)女将さんが何かと声を掛けて下さるので、初訪でも居心地がいい。

その後もじっくりと火を通された馬瀬の鮎や、栗ご飯など、秋の味覚を楽しみ、水菓子をいただいて、了。思ったより濃く感じる出汁は、いわゆる京料理らしくはなかったが、この地方の傾向に合わせてあるのかも。酒はびっくりするほど安かったが、少々高くても、もう少し幅をもたせるか、(料理に合った)調子の良い酒が置いてあるともっと楽しめたかな(酒量が増えるだけか・笑)。心もお腹も満たされ、店を後にする。また季節を変えて訪れてみたい。(勘定は¥7,000程)

 


 

 ↓ かつては紙問屋の建物だったという靭屋町を通る「御鮨街道」の「空穂屋(うつぼや)」(明治25年頃・1892・建造 ※登録有形文化財)。現在は喫茶、雑貨屋などとして利用されている。

 

 


 

京料理 京繁

岐阜県岐阜市鷹見町27

 

( 岐阜 ぎふ きょうしげ 割烹 小料理 会席料理 懐石料理 日本料理 和食 日本酒 近代建築 国登録有形文化財 うつぼや 靭屋 )

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Collection Ⅰ(1976-79) / 矢野顕子

2017年01月10日 | ロック(日本)

  

Collection Ⅰ(1976-79) / 矢野顕子 (1990)

矢野顕子の初期アルバムの5枚ボックスセット。自分が彼女を知ったのはYMO(Yellow Magic Orchestra)のライヴ・サポート・メンバーだった70年代終わり頃。その頃発売されたソロ・アルバム「ごはんができたよ」は長兄がアナログ盤を購入し、それを借りてそれこそ擦り切れるほど聴いていた。YMOの面々が前面バックアップし、曲もいわゆるテクノ・ポップの領域に入ったものが多く、その独特な世界観と詩、歌声とピアノにハマり、次作アルバムからは自分で購入するようになった。ただ時が経ち、80年代終わり頃には違う音楽趣味に走ったので疎遠になり、自分が聴き始めるよりも前の、これらの作品を深追いすることは無く終わってしまっていた。

こんなおあつらえ向きのボックス・セットが発売されていたとは知らなかった、彼女がデビューを飾ってから前述のアルバムを発売するまでの5枚を収録。安値だったし、持っていないアルバムばかりで好都合とばかりに購入。ボックスの中身は通常プラ・ケース。収録されたアルバムは順に、

・「ジャパニーズ・ガール」(1976年)・リトル・フィート(!)参加のデビュー・アルバム(写真上段左)
・「長月 神無月」(1976年)・デビュー・コンサートを収録したライヴ盤(写真上段中)
・「いろはにこんぺいとう」(1977年)・デビュー前からのセッションを収録したアルバム(写真上段右)
・「ト・キ・メ・キ」(1978年)・セルフ・プロデュースしたニューヨーク録音(写真下段左)
・「東京は夜の7時」(1979年)・YMO全員+山下達郎、吉田美奈子参加の豪華ライヴ(写真下段右)

というラインナップ。デビュー時は若干21歳だったという矢野。天真爛漫な彼女の性格や音楽性のみならず、向こうのアーティストらや、日本最高峰のアーティストらを前にしても”オリジナル”で、彼女の才能が溢れるように表出する。まさに天才。ちなみにリトル・フィート(Little Feat)のローウェル・ジョージ(Lowell George)は、矢野の才能に驚き、録音セッションで自分は力不足だったとギャラを断った、なんていう逸話も残っているのだそうだ。それぞれのアルバムの収録時間は長くないのだが、濃密で、奔放で、楽しくて、どこか物寂しい、矢野ワールド全開といった感じ。「ごはんができたよ」期はYMOとの共作といっていい状態で、ひょっとすると矢野色は薄いのかナと思っていたけれど、なんのことはない、矢野顕子は既にデビュー当初から”矢野顕子”として完成品だった。今まで聴いてこなかった事を激しく後悔。

オークションにて購入(¥2,900程)

  • CD (1990/11/25)
  • Disc : 5
  • Label : 徳間ジャパンコミュニケーションズ

( 矢野顕子 やのあきこ イエローマジックオーケストラ Yellow Magic Orchestra 坂本龍一 細野晴臣 高橋幸宏 大村憲司 渡辺香津美 )

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