とうとう建て替えが決まった(まだ2年あるが)「中日ビル」の、飲食店が並ぶ地下2階の「そば所 よし田」へ。名古屋では知っている人は少ないかもしれないが、こちらは何を隠そう明治18年創業の銀座の老舗名店「よし田」の分店。本店は先鋭が立ち並ぶ銀座にあって、のんびりとした雰囲気で昼から一杯やっている人も多い居心地のいい店だった(現在は6丁目のビル2階に移転して営業再開)。もちろん自分も銀座では蕎麦前をいただいた。こちらは中日ビル誕生からずっと店を構えているのだそうだ。それでも既に50年以上の歴史がある。
テナントなので広くないが、給仕のおばちゃんは3人も居て、繁忙時間の混雑を予想させる。他と比べて平均年齢の高い中日ビルでは、演劇の前後や、昼時にはひっきりなしに客が入るんだろう。テーブル席に座り、壁に掲げられた短冊の品書きを眺める。出来たら蕎麦前をと思っていたのだが、酒肴が何も見当たらなかったので、まぁいいやと「もりそば」だけを注文した。
しばらくして老舗らしい応対の給仕のおばちゃんが「もりそば」を運んできてくれた。見るからにつなぎが多めの柔らかめの蕎麦(たしか「よし田」は静岡かどこかに製粉工場を持っていたはずだが、今回調べてみてもHPは無くなってしまっていた)。趣味蕎麦の人達には一刀両断されそうな蕎麦だが、本店でも蕎麦は大して印象に残らなかった覚えがある。時々ならこういう肩肘張っていない蕎麦も意外と悪くない。つゆは濃いめ甘めの、いにしえの名古屋仕様。この地方でも最近評判の蕎麦屋は名古屋仕様でない店が多くなってきたので、ある意味懐かしい味なのかも。サッと手繰って、白湯のような蕎麦湯でつゆを割り、ご馳走様。本店の名物「コロッケそば」があればいいのになァ。(勘定は¥700)
↑ 「中部日本ビルディング(通称:中日ビル)」(昭和41年・1966・建造)。大昔に屋上階の回転レストランに入ったことがあったなァ。
愛知県名古屋市中区栄4-1-1 中日ビル B2F
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