以前に一度訪れたのだが、年中無休のはずが臨時休業に当たってしまって買うことが出来なかった岐阜県大垣市の老舗煎餅屋「田中屋せんべい總本家」。創業は安政6年(1859)というから150年以上の歴史がある。何と言ってもまず建物が素晴らしい。風情ある店を愛でつつ中へ。中はモダンに改装されていて、いくつもの煎餅が並んでおり、香ばしい香りに包まれている。定番の「みそ入り大垣せんべい」のケースがすっからかんなので、売り切れかと思ったが、売り場の横で手焼きされており(外の窓から見ることが出来る)、焼き上がり次第追加されるのだとか。少し待っているとすぐに「焼きたてです」と追加されたので袋入りのものを、「たまり山椒」という変わり煎餅と一緒に購入した。
せんべいは丸く反った形をしてて、いわゆる瓦せんべいのよう。厚みは薄く、表面は艶があり、城の絵が描かれている。「つや付け」という作業をすることにより、200枚焼いても途中で油を足さずにいけるのだとか。卵が使用されていないので薄いが硬い。色からすると味が濃そうだがそうでなく、ほんのり味噌の風味がして甘みは少なめ。自分が購入したものは通常のものだったが、二ツ折、四ツ折なんていうものもあって、更に硬いのだとか。「たまり山椒」という煎餅は、たまり醤油味のせんべいを想像していたのだが、意外にも基本のせんべいの材料はそのままなのか、思ったほどたまり醤油味は強くなく、山椒も香りこそしっかりするものの、痺れるほどではない。どれも正直地味な味だが、しみじみと旨かった。(勘定は¥900程)
↓ 輪中集落の残る釜笛までバイクで足を延ばす。高い石垣と、上げ船が備えられているという水屋が建つ「臼井医院」(明治期建造)。田んぼの中にそびえ立っているという雰囲気。
↓ 浅草の「大橋家住宅」(建築詳細不明)。こちらも高い石垣の上に、長屋塀、それに堀まであって、母屋、水屋、土蔵などが高く配置されている。これが1丁分続くのだからスゴイ。
↓ 輪之内町にある「明治戊申館(旧・二木小学校)」(明治41年・1908・建造、移築)。玄関は千鳥破風で、壁は下見板張りという様式が面白い。現在は公民館的に使われているのかな。
岐阜県大垣市本町2-16
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