Legacy:ザ・エド・サリヴァン・ショー(DVD)/ Various Artists (2008)
高視聴率を誇ったアメリカのテレビ番組「エド・サリヴァン・ショー」。エド・サリヴァン(Ed Sullivan)が司会で1948年~1971年まで生放送され、ジャンルを超えた芸人が登場してトークや特技を披露した。1956年ににエルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)が登場し、その後はロック関係の出演者も多くなった。7枚組で全82曲収録。この商品は日本盤なのだが、どうも通販限定で売られたもののよう。そういうのって特に映像作品はがっかりな物も多いのだが、これは違う。ちゃんとした海外プロダクションの映像作品の日本語字幕付き。この作品は2008年発売だが、最近でもパッケージを変えて再発されているようだ。テーマ毎に7つに分かれていて音楽演奏場面のみならず、ナレーションで時代背景や、バンドの解説、インタビュー映像も見ることが出来る(音楽演奏場面だけ視聴選択出来るのも〇)。「エド・サリヴァン・ショー」の映像に関しては、近年個々のアーティストに的を絞った作品も発売されているが、それらと遜色ない綺麗な映像だ。
前述のエルヴィスをはじめ、ビートルズ(The Beatles)、ストーンズ(The Rolling Stones)、JB(James Brown)、スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)など、記述するとキリがないくらい豪華なアーティストが目白押しだけれど、クセのある大物司会者エド・サリヴァンはアーティストに大して都度色々な注文もつけていたそう。有名なところでは、例えばストーンズの「Let's Spend The Night Together(邦題:夜をぶっとばせ)」は、歌詞が「一緒に寝よう」の意味にとれるため「Let's Spend Somtime Together」に替えさせられたり(ミックは苦笑いしながらモゴモゴと歌っている)、ドアーズ(The Doors)の「Light My Fire(邦題:ハートに火をつけて)」では歌詞の「Girl, we couldn't get much higher」のGet Higherが麻薬でトリップする意味にもとれるため、「Girl, we couldn't get much better」に替えるように要請したり。でもジム・モリソンは楽屋ではハイハイと返事したのに本番ではそのまま歌ったため、エド・サリヴァンの逆鱗に触れ、以後1度も番組に呼ばれなかったそうだ(痛快)。それだけ司会者に大きな権限が与えられていたということだが、そういった当時の文化的な部分も垣間見られてとても興味深い。
全国(全米)放送で、今では信じられないほど番組の影響力も強かっただろうから、出演したアーティストも(きっと)緊張して気合入りまくりだったろう。ロック、ロックンロール、カントリー、リズム&ブルーズ、ソウル、ファンクと様々なジャンルの錚々たるメンバーの演奏を当時のファッションやドキュメンタリーと共に観ることが出来る映像。安く手に入れる事が出来て大満足。まだまだ映像の中に発見がありそう。
オークションにて購入(¥1,550)