岐阜県下に出されていたコロナ緊急事態宣言がようやく取り下げられた後の休日。天気が良くなることが分かっていたので、早朝からバイクを出して東濃地方に点在する芝居小屋の建物を観て回ることに。岐阜県は全国でも珍しく”地歌舞伎”が根付いた土地なのだ。芝居小屋は「えっ!こんな所に?」と驚くような山間の小さな集落にあるので、ハシゴして回るのは結構大変。野を越え、山を2つくらい越えて見て回った。宣言が無くなって車が多いかもと思っていたが、自分が走るような林道、山道は誰もおらず、車とすれ違うことさえほとんど無い。快適なワインディングロードや険しく細い山道で人馬一体となる気分を味わい、昼食にと決めていた店、中津川市の旧・加子母(かしも)村にある「ライフ・タッチ」へ。外看板の”タッチ”のフォントはあの漫画の…(笑)。
店は258号線沿いにあり、”ドライブイン”といった感じ。開店少し前位の時間に着いたのだが、中を覗くと何ともう満席…。ヤンキー系の大型バイクの集団がすでに店内を占拠していた。しかも加えて待ち客が3名ほど。でもこの辺りだと店は多くないので他に行くあても無い。仕方なく待つことに。その後も次から次へと、主にバイク・ツーリングの客が駐車場に入ってくる。30分待ってようやく呼ばれ、すぐに「けいちゃん一人前」「小ライス」「うどん」を注文したが、自分の前に予約をしていたと思しき10人のバイク集団が隣の座敷に入っていったので、調理はまだ始まりもしない。更に30分待ってようやくテーブルに大きめの卓上かセットコンロがセットされた。客がほぼ総入れ替えの状態になってやっと食材が到着。まだこれをコンロで焼く時間が要る。「けいちゃん」(←発音は”ひょうたん”のように)とキャベツと玉ねぎ。量は多め。ご飯は小なので茶碗に。うどんは茹で麺が丼に。これにたくあんが付く。
焼けたところからやっと口に入れていく。匂いにずっとやられていたから旨い旨い。こちらのけいちゃんの味付けはさらっとしたあっさりめ。味噌は使っていないようだ。あっという間にご飯が無くなったのでうどんを投入。水で薄めたようなタレが少しかかっていてほぐし易くなっている。焼けたけいちゃんと絡まっていい色具合になってきた。火を入れてもグズグズになってしまわないいい感じのうどん。旨い。これだけ食べるとさすがに喉が渇くが、(ビールを)グッと我慢して水を飲む。こちら丼物とかもあるので、ゆっくり出来る時があったらそういうのも食べてみたいナ。(勘定は¥1,001)
↓ 東濃の各地に点在する芝居小屋を観た順に。まずは下呂市門和佐にある「白雲座」(江戸末期建造、明治23年・1890・増築)◇。こんな所に?という山間の集落にある。残念ながら開いておらず中は見学出来なかった。裏手には白山神社。
↓ こちらも下呂市御厩野にある「鳳凰座」(文政10年・1827・移築、明治16年・1883・改修)◇。とても綺麗に整えられていた。横の入口が開いていたがさすがに勝手に入る訳にはいかない…。
↓ 最後は旧・加子母村にある「かしも明治座」(明治27年・1894・建造)◇。こちらは公開されていて、地元の方がツアーをして下さった。花道はもちろん「すっぽん」や「奈落」「楽屋」など隅々まで見せてくれる。楽屋の壁にはここを訪れた十八代目中村勘三郎をはじめ役者や著名人の落書きやサインが。カラフルな引き幕は「娘引き幕」と呼ばれ、創建当時の地区の娘さん達から送られたものだそう。それぞれの屋号と名前が染められている。120年も現存しているのが凄い。屋根は「榑(くれ)葺き」と呼ばれる板葺き。屋根板募金をしたら娘引き幕柄の素敵な手拭いが貰えた。
↓ 加茂郡白川町の飛騨川に架かる「白川橋」(大正15年・1926・建造)◇。国の登録有形文化財、土木学会選奨土木遺産に指定されている。
↓ 以前にも立ち寄った「飛水狭」と呼ばれる峡谷にある「上麻生ダム」(大正15年・1926・建造)◇。モダンな操作室(ゲート室)がかっこいい。入ってみたいナ。
ライフ・タッチ
岐阜県中津川市加子母4339-1
( 加子母村 かしも タッチ ライフタッチ LIFEタッチ ケイチャン ホルモン 鉄板焼 ラーメン ギョウザ 丼物 近代化遺産 地歌舞伎 劇場 芝居小屋 歌舞伎小屋 )