ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Goin' Home : A Tribute To Fats Domino / Various Artists

2018年03月16日 | ポップス・オールディーズ

Goin' Home : A Tribute To Fats Domino / Various Artists (2007)

ロックンロールのオリジネーターの1人でありながらチャック・ベリー(Chuck Berry)らとは違い日本では知名度が今ひとつといった感じのファッツ・ドミノ(Fats Domino)。愛敬のある体つきでピアノを弾く姿でお馴染みの彼だが、2005年のハリケーン「カトリーナ」では一時行方不明になってニュースになったこともあった。プレスリー(Elvis Presley)をはじめビートルズ(The Beatles)のメンバーやツェッペリン(Led Zeppelin)によるカヴァーで有名で、自分が最初に彼の曲を知ったのもツェッペリンのライヴ・ブートレグで「Blueberry Hills」を聴いてから。彼が亡くなったのは昨年10月。日本ではやはり大きなニュースとはならなかったが、その10年も前に豪華なトリビュート盤が発売されていたと知って購入してみた。

何とも凄い面子が参加しているこのトリビュート盤。一般的な日本人でも知っている曲は多くないので、どれほどの影響力があったアーティストだったかはなかなか想像出来ないが、このグウの音も出ない凄い面子を見たら影響力は理解できるというもの。ジョン・レノン(John Lennon)の1以外はこのアルバムの為に改めて録音されたものだそう。彼に限らずロックの創始から活躍したアーティストは晩年になってから生活に窮していると聞くことがある。まだ著作権などがしっかり確率されていなかった時代に活躍したものだから、不利な契約に縛られて権利を放棄してしまっていたりした人も多いのだとか。大抵のトリビュート盤は亡くなってから製作されるが、これは存命中に発売されたものなので多少なりとも本人に印税という形で恩返し出来たことを願う(自分のように中古盤を買っていると貢献出来ないが…)。

コードを連打する彼のピアノ・スタイルに忠実なカヴァーが多く、参加アーティストが多彩で聴きどころは沢山。派手さはないがコロコロとピアノが転がる気持ちの良い作品が多い。ミディアム~スローなテンポの曲が多く構成もシンプルだが、こうやって様々な音楽スタイルのアーティストにカヴァーされると、彼の曲の米南部らしいリズムと素朴な良さが伝わってくる。一度ベスト盤を買ってみようかな。

<Disc 1>

01. Ain't That a Shame - John Lennon
02. I'm Walkin' - Tom Petty & the Heartbreakers
03. Goin' Home - Ivan Neville's DumpstaPhunk and B.B. King
04. Blueberry Hill - Elton John
05. My Girl Josephine - Taj Mahal and the New Orleans Social Club
06. Every Night About This Time - Buddy Guy, the Dirty Dozen Brass Band and Joss Stone
07. I Want to Walk You Home - Allen Toussaint
08. Whole Lotta Loving - Rebirth Brass Band, Troy Andrews, Pee Wee Ellis, Fred Wesley, Maceo Parker and Lenny Kravitz
09. Don't Leave Me This Way - Dr. John
10. I'm in Love Again/All By Myself - Jon Cleary and Bonnie Raitt
11. Please Don't Leave Me - Art Neville
12. Going to the River - Robbie Robertson and Galactic
13. Blue Monday - Randy Newman
14. It Keeps Rainin' - Lil Band O Gold and Robert Plant
15. One Night (Of Sin) - Corinne Bailey Rae

<Disc 2>

01. Walking to New Orleans - Neil Young
02. Valley of Tears - Robert Plant and the Soweto Gospel Choir
03. My Blue Heaven - Norah Jones
04. Honey Chile - Lucinda Williams
05. Rising Sun - Sam Bush and Marc Broussard
06. When I See You - Olu Dara and the Natchezippi Band with Donald Harrison, Jr.
07. Be My Guest - Skatalites and Ben Harper
08. Let the Four Winds Blow - Toots & the Maytals
09. I Hear You Knockin' - Willie Nelson
10. I Just Can't Get New Orleans Off My Mind - Irma Thomas and Marcia Ball
11. Don't Blame It on Me - Bruce Hornsby
12. I'm Gonna Be a Wheel Someday - Herbie Hancock, Ziggy Modeliste and Renard Poche
13. The Fat Man - Los Lobos
14. So Long - Big Chief Monk Boudreaux and Galactic
15. When the Saints Go Marching In - Preservation Hall Jazz Band and Theresa Andersson

オークションにて購入(¥750)

  • CD (2007/9/25)
  • Disc : 2
  • Format: CD, Import
  • Label : Vanguard Records
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新杵堂 @岐阜県中津川市

2018年03月16日 | 岐阜県(東濃・老舗)

昨年の晩秋にこの辺りを歩いた時にも買って帰ろうかどうか迷った岐阜県中津川市の「新杵堂」へ。創業は昭和23年(1948)だとか。この店かなり分かりにくい路地の奥にある。古い家屋が建ち並ぶ通りからも外れているので最初は偶然見つけたという感じ。ただし後から調べてみるとそのこじんまりとした古体な店とは違い、ネット販売を含めえらく手広く展開している会社のよう。そちらのHPにもしっかりここの住所が”本店”としてあるのでここから派生したのは間違いないだろう。そうなると製造は大工場だろうし、自分は急速に興味を失ってくるのだが…。

店に入るとガラスショーケースに入ったお菓子が沢山並ぶごく普通の和菓子屋の佇まい。とても丁寧な対応の年輩の主人が出ていらした。この店で食べてみたいと思っていたのは栗きんとんではなく「栗粉餅」。ただし季節が外れているので並んでいない様子。そこで購入したのは「栗三昧」という菓子。いくつか購入し持ち帰った。「栗三昧」は栗の粒と栗きんとんが羽二重餅の皮で包まれている。ふわっとした皮をつまみあげ口に入れると軟らかい食感の下に栗の粒が丸ごと。その周りを包む栗きんとんの餡は甘いだけでなく、少し野趣溢れる渋みも感じて旨い。熱いお茶とぴったりだった。(勘定は¥270/個)

 


 

↓ 古い建物が残る本町辺り。少し路地に入ると平成の世という事を忘れさせるようなカットが目に入る(写真下左・)。暗渠を跨いで通路が作ってある面白い建物(写真下右・場所失念)。

 

 


 

新杵堂

岐阜県中津川市本町3-2-29

 

( 中津川 なかつがわ しんきねどう 新杵堂本店 栗きんとん 栗粉餅 栗ざんまい 和菓子 老舗 くりきんとん ) 

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カラス @名古屋市中区・伏見

2018年03月15日 | 名古屋(中区)

ある日の午後、久しぶりに伏見の名喫茶店「純喫茶クラウン」(写真下)に行くと店先に貼り紙があり、”店主の娘一同”の名義で閉店のお知らせが…。主人はご高齢だったから仕方がないが、またひとつ70年もの歴史ある名店が消えてしまった。もっと通ってあの落ち着いた雰囲気を味わっておけば、と後悔するも後の祭り。

 

なのでそこから少し離れた御園座の南辺りにある喫茶「カラス」へ。創業は昭和47年(1972)で、最近初代主人から娘さんに代替わりしたばかりだとか。店に入ると落ち着いたダークウッドの色合いの内装で、古い時計やレコードプレーヤーなどのアンティークが置いてある。なぜか昭和の喫茶店に多い船の舵の飾り物や、重厚なランプシェードが素敵。内装は創業時からほとんど変わっていないらしい。主人の立ち働く調理場の周りはコの字のカウンターになっているようだが、常連さんが座っていらしたので窓際のテーブル席に座らせてもらう。

こちら食事もオムライスやカレーなど色々あって旨そうだし、ゼリーも人気だそうなのだが、腹は減っていなかったので「カラスブレンドコーヒー」だけお願いする。しばらくして銘の入ったカップとソーサーでコーヒーが運ばれた。厚めの口当たりのカップに口をつける。こちらのブレンドは名古屋らしいしっかり濃くて苦い味わい。甘い豆菓子が付いていてちょうど良かった。自転車で走り回って疲れた体を休めて(といっても15分も座っていないが)外に出た。次は「オムライス」か「ビーフカレー」、それとも「珈琲ゼリー」にしようかな。(勘定は¥400)

※閉店した「純喫茶クラウン」の記事はこちら

この後の記事はこちら (2

 


 

↓ 新築なった御園座の隣にある「山口銀行名古屋支店」(昭和41年・1966・建造)。圓堂政嘉氏の設計。中には名古屋城の鯱を描いた建築家・中村順平氏製作の大壁画があるのだとか。見てみたいが用事が無い…。

 

↓ 以前から素敵な意匠の建物だなと思っていた「葛谷眼科院」(建築詳細不明)。何の変哲もないように見えるが、よく見ると細かい所のデザインがとてもモダンでカッコイイ。

 

 

 


 

 

珈琲処 カラス

愛知県名古屋市中区栄1-12-2

 

( 名古屋 なごや 伏見 ふしみ 御園座 みそのざ 喫茶カラス 珈琲カラス ランチ クラウン 喫茶クラウン 閉店 近代建築 )

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大黒屋 @岐阜県加茂郡八百津町 (※閉店)

2018年03月14日 | 岐阜県(中濃・老舗)

八百津町の老舗食堂「三勝屋」に行く時にいつも前を通るのだが開いていない「大黒屋」。それもそのはず日曜営業はしていない。先日、平日の昼に「三勝屋」へ寄った時も、ここが開いていれば入ったことがないこちらへ入ろうと思っていた。でも暖簾が掛かっていなかったので入れず。また同じようなシチュエーションで仕事でこちら方面に居たので、今度は時間を少し遅めにずらして行ってみると…開いていた。神社前に車を停め「三勝屋」の前を歩いて通り過ぎ、暖簾をくぐる。

何時頃建て直した建物なのかは分からないが普請は古くない。店の中はテーブル席が3つのみとこじんまりしていてご夫婦で商っていらっしゃる様子。でも隣の厨房はそれと同じかそれより大きいぐらいで扉と窓口で仕切られている。古い店だろうと予想はついていたが、店の”おしながき”によるとこちらの創業は何と昭和2年(1927)だとか。それって「三勝屋」(創業昭和8年)よりも古いじゃないか! あちらはメディアにも取り上げられて賑やかなのに、ちょっと店の風情が足りないか…。現在は3代目だとのこと。洋食もあり、好物のオムライスもあったので迷ったが、最近は集中して東濃~中濃地方のカツ丼(亜種)を食べているので「カツ丼(並)」をお願いした。それにしても昭和初期に開業したここにも「三勝屋」にも品書きに「ソースカツ丼」があるのは偶然なのか、それとも長野県とかからの影響があるのか興味は尽きない。

なーんてことを考えながらぼけーっとしていると「カツ丼」が登場。多めの漬物とカットバナナ(笑)が付いている。こちらの「かつ丼」は玉子を出汁で溶いたゆるゆるの餡がカツの上からかけられたタイプ。「三勝屋」も同じタイプなので”地域性”とみるべきだろうか。カツ丼の”中山道ライン”はやっぱり面白いなァ(八百津町は中山道の「御嵩宿」「伏見宿」からほど近い)。ゆるゆるとろとろの餡がたっぷりかかっていて、味付けは強すぎず、旨い。長葱の青いところと玉ねぎが同居しているのが珍しい。ご飯の方にまで餡が多めに溢れ、するするといただいた。次はオムライスか、それとも件のソースカツ丼か。日曜にやっていればまたすぐにでも行きたいんだけれど…。(勘定は¥650)

※2019年末を以って閉店されました

 

 


 

 ↓ 店のある通りを北上したところにあった下見板張りの洋間を備えた日本家屋(建築詳細不明)

↓ 木曽川沿いの古い通りに「雪中寒梅」「蘇水峡」という銘柄で有名な「古田酒造」(建築詳細不明・)があった。ひと気が無いなァと調べてみると2012年に事業停止しているようだ。

 

↓ 同じ通りで見つけたタバコ屋の痕跡。その昔は薬屋で、火薬なども扱っていたようだ。

↓ 夕暮れ時の「旧八百津発電所資料館(旧・名古屋電力㈱八百津発電所)」(明治44年・1911・建造 ※国重要文化財)。資料館の入口が北側なのでそちらばかりしか見ていなかったが、南側に行ってみるとこちらの壁面にもしっかり逆読みの「名古屋電力株式會社」の文字が。陽に当たってなかなかいい顔。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

大衆食堂 大黒屋

岐阜県加茂郡八百津町八百津3883

 

( 八百津 やおつ だいこくや 大衆食堂 麺類食堂 洋食 オムライス カレーライス かつ丼 かつどん 亜種 近代建築 国指定重要文化財 酒蔵 閉店 廃業 ) 

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浅ひろ本店 @名古屋市中区・大須

2018年03月13日 | 名古屋(中区 老舗)

大須の万松寺の北側にある麺処「浅ひろ本店」。創業は戦前か戦後か判然としないが、少なくとも60年以上の歴史を持つようだ。他の場所から大須に移ってきたという話も。隣は「コンパル本店」、向かいは「丁字屋」と歴史ある店が目白押し。休日昼どきの大須商店街はどこも人でごった返している。いつ頃だったか前は閑散とした時期があって元気がなかった商店街も、完全に息を吹き返し観光の外国人も多く、ここは一体日本なのかと疑ってしまいそう…。店内に入るといかにも蕎麦屋という和風の落ち着いた佇まい。数多いテーブル席もほぼ埋まり、立ち働く給仕の女性も3人程と活気がある。品書きには「中華そば(古き大須の変わらぬ味)」というものもあり惹かれたが、外看板にも名前があった「みそ煮込・玉子入」を注文して待つ。

しばらくして「みそ煮込」が土鍋に蓋をして運ばれた。穴の開いていない蓋なのでこれを受皿にして、熱々の麺を手繰り寄せる。麺は平打ちでコシは強くない。具材は花麩、ねぎ、そして椎茸。つゆには椎茸の出汁が強めに出て、香り良く旨い。玉子は白身もゆるいので提供直前に落とされた感じかな。少し沈めておいてからつゆを濁らせないように慎重に取り出しうどんに絡ませていただいた。自転車で外を走って冷えていた体がしっかりと暖まった。(勘定は¥830)

手打めん処 浅ひろ本店

愛知県名古屋市中区大須3-20-21

 

( 名古屋 なごや 大須 おおす あさひろ あさひろ本店 浅ひろ 麺処 手打ち うどん そば 蕎麦 きしめん 饂飩 煮込み 味噌煮込み )

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Kiss Unplugged / KISS

2018年03月12日 | ハードロック・へヴィーメタル

Kiss Unplugged / KISS (1996)

キッス(KISS)のMTVアンプラグド。邦題は「停電(地獄の再会)」だとか(苦笑)。オリジナル・アルバムもほとんど揃ってきたが、まだ少しだけ歯抜けなので、ファン歴の浅い自分にとっては一番最後に買った方が良かったかもしれないアルバムかも。オリジナル・メンバーのエース・フレーリー(Ace Frehley)とピーター・クリス(Peter Criss)がゲスト参加し、その後メイク有りの復活劇に繋がったきっかけとなったスタジオ・ショウ。たぶんこういうのは映像で見た方が楽しいのだろうがDVDでは発売されているのかな?

本来演奏された曲群からの抜粋で、曲間のMCなどは極力カットされているので、アンプラグド作品でありがちな観客のわざとらしい大騒ぎは少な目でちょうどいい(笑)。その分エースとピーターが登場した時もあっさりで、会場の高揚感はかなり抑えめに聴こえて痛し痒しといったところか。彼らが登場する前までは当時のメンバーであるブルース・キューリック(Bruce Kulick)とエリック・シンガー(Eric Singer)が演奏し、当時最新作だった「Revenge」からの選曲も。新メンバーのエリックと旧メンバーのクリスがヴォーカルを分けあう「Nothin' To Lose」も微笑ましい。最後の「Rock And Roll All Nite」ではポール、ジーン、クリスと歌い回していくので、それまで復活はあり得ないと覚悟していたファンとメンバー自身の高揚感が最高潮に。楽しめた。

ブックオフにて購入(¥500)

  • CD (1996/3/12)
  • ディスク枚数: 1
  • フォーマット: CD, Import, Live
  • レーベル: Island / Mercury
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マカロニ軒 @岐阜県岐阜市 (※閉店)

2018年03月11日 | 岐阜県(岐阜)

岐阜市三番町の「のはら湯」(創業明治27年)で汗を流した後、JR岐阜駅に向かい、最近円相グループが出した日本酒が呑める店に向かうも、ランチが終わりかけの時間帯でまだ店が呑む雰囲気でなく、店の外に出ていたメニューを眺めたものの何か違うなァという気になって、同じビルで同グループの洋食屋「マカロニ軒」へ。こちらもまだ出来たばかりの新店。店の前まで行くとすぐ前のウエイティング用のベンチで酒片手に弁当を食べている剛の者(年輩)が…。店の人、そこは注意してもいいでしょ(笑)。店に入ると意外と簡素な内装。そつのない店造りをする会社なので、洋食屋としてもう少し雰囲気のある店なのかなと思っていたので意外(いわゆる”レトロ”っていうのを避けたのかな)。厨房前のカウンター席に案内されたので、腰かけてすぐに生ビールと「マカロニサラダ」を注文した。

喉がカラッカラなので五臓六腑にビールが滲みていく。「マカロニサラダ」はとても安い値付けなのにしっかりとした量があり、ねっとりとしたマヨネーズ和えにパセリが散らしてある。ビールのつまみにちょうど良かった。新しい店はどこもそうだがオーダーを含めてハンディ機器を使ってシステマチックに事が進んでいく。それだけならいいのだが客にはやや慇懃無礼。そして店員同士は「オーダー入りま~すっ!」「ハイヨーッ!」「〇×いただきました~っ!」「ハイヨーッ!」とかまびすしい。まるでどこかのラーメン屋のよう…。しかもカウンター席の頭の上に厨房があるような配置なので余計に…。世間がこういうのを求めているのかもしれないし、これを”明るく元気な接客”と評する浅慮な人も居るのだろうが、何でもかんでも大声を張り上げるのは幼稚過ぎないか。居酒屋じゃないんだから(←オイオイ居酒屋使いしてるじゃないかっ)もう少し落ち着いた大人の接客をして欲しいものだ。

こちらのメニューの特徴は何といっても主に中部地方の老舗洋食屋などに残る絶滅危惧メニューを取り上げているところ。「エスカロップ」「チキンミヤビヤ」「チキンマーブル」など、自分のように老舗食堂を食べ歩いている人間にはグッとくるものばかり(ただ「包み焼きハンバーグ」は銀座の「つばめグリル」か京都の「東洋亭」かな)。若干あざとさも感じるが、なかなかいいところに目を付けたなァと思う。仕掛人は言うまでもなくかなりの切れ者だ。そんなメニューの中から現在4店(名古屋市「勝利亭」、岐阜市「あじろ亭」、武豊町「享楽亭」、津市「中津軒」)に存在している「チキンミヤビヤ」と「角ハイボール」を注文した。ワクワク…。

しばらくして運ばれた「チキンミヤビヤ」は浅い丸皿に入れられオーブンで焼かれているのだろう。具はチキン、玉ねぎ、きのこ、グリーンピース、パセリ、そこに玉子が落とされている。老舗と違ってかなり濃い色のデミソースで煮込み焼かれているのだが、ソースはサラッとしていて少なめ、具材の切りも小さめ。玉ねぎは薄いのだが口に残る食感がある。これは一番外皮に近いところかな…。落とされた玉子は白身も透明なのでほとんど生卵の状態。全体的に具材の量も少なく、見た目からいくとオーブンでの火入れが長いよう。後発なのでもっと料理的な完成度を上げてくるのかなと思いきや…、若い客が興味で試してみてもこの値段で2回目があるかどうかちょっと心配。この材料だったらもう少しヴォリュームを持たせてもコストはさほど上がらないのでは。とは言っても、こういった岐阜市内にも残る絶滅しそうな貴重なメニューが日の目を見たのは快挙。次は「高等ライス」ですかね(笑)。(勘定は¥2,200程)

※同グループの「エリックサウス」開店に伴い閉店されました

 

 


 

↓ 前に建っていた建物が更地になり、”アッパッパ”になってしまった創業明治27年(1894)の銭湯「のはら湯。この日はスチーム湯が壊れていたのが残念。

 

 


 

BISTRO マカロニ軒

岐阜県岐阜市橋本町1-10-1 ACTIVE-G 2F

 

( 岐阜 ぎふ 岐阜駅 アクティブG ビストロ 洋食屋 洋食 円相フードサービス 円相グループ イナダシュンスケ 老舗洋食 ミヤベヤ マイヤベーヤ 閉店 )

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キッチン千代田 @名古屋市中区・鶴舞

2018年03月11日 | 名古屋(中区)

鶴舞駅から歩いてすぐのところにある洋食屋「キッチン千代田」。創業は昭和53年(1978)。”ステーキ&しゃぶしゃぶ”と冠を付けているだけあって街場の洋食屋よりは格式の高いこちら、日曜休みの店なのでなかなか寄ることが出来なかったが、この日は祝日だったので狙って入ってみた。店内も高級感があるシックな佇まい。カウンター席とテーブル席があり2階にも客席があるようだ。人気があり給仕の女性は女将さんとは別に2~3人も(サービスは庶民的)。カウンターが埋まっていたので案内されたのはテーブル席(1人だと申し訳ないが)。コックコートを着た年配の方は主人だろうか。オーダーしたのは「オムライス」。聞くところによるとメニューには載っていないらしいのだが(未確認)ランチでは評判なのだとか。自分もその評判を聞いて是非食べてみたいとやって来たのだった。いきなり「オムライスを。」って言ってしまったがオーダーはすんなりと通った。周りの人を見渡しても、後から注文する人も”オムライス率”の高いこと高いこと。

カトラリーが運ばれてしばらく経ち、平皿にのった「オムライス」が運ばれた。控えめな量でくるかと思いきや、しっかりとした大きさの紡錘形で、デミグラスソースがたっぷりとかけられている。薄焼きの玉子で巻かれていてとても綺麗なフォルム。勇んでスプーンを入れると、中のライスもデミグラスソースで味付けされていて…うん、旨いっ。質の良い牛細切れ肉がたっぷりと使われていて、デミソースの深いコクと香りと相まって堪らない。ディナーで出る和牛の端肉なのかもしれないがランチとしては破格なんじゃないかな。さすがに評判になるだけあるなァと唸る。オムライスとして値付けは高いほうかなと思っていたのに、食後にはデミタスカップに入ったコーヒーも出て、逆に安過ぎると感じるほど。満足。次はステーキのランチか、ハヤシライスを食べてみたいナ。(勘定は¥1,100)

この後の記事はこちら (2

 

キッチン千代田

愛知県名古屋市中区千代田3-7-7

 

( 鶴舞 つるまい つるま ちよだ キッチンちよだ 洋食 洋食店 ステーキ オムライス デミソース コーヒー ランチ )

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佐和家 @岐阜県中津川市

2018年03月10日 | 岐阜県(東濃・老舗)

昨年に中津川を訪れた際は栗きんとんの季節だったので、ついいつものように栗きんとんを買ってしまったが、次来たら絶対に寄ってみようと思っていた「佐和家」へ。店は以前訪れた和菓子の老舗「松月堂」のすぐ近くの並びにあり、この店も創業が大正元年(1912)という歴史のある店だ(大正5年という説も)。こちらの名物は「からすみ」。メディアにも取り上げられたことがあるので知っている人も多いことだろうが、もちろん海なし県の岐阜県でボラが獲れる訳ではなく、この地域独特の郷土菓子の名前だ。名前の由来は諸説あるようで、昔は各家庭でも作られていたとか。自分も大体のことは知ってしまっていたが、やはり食べてみなくちゃ分からない。ということで暖簾をくぐる。ガラスケースがあるだけの小さな店の売り場には老齢の女将さんがいらっしゃった。ケースの中には何種類もの「からすみ」が並んでいて、説明するにも必ず「ういろう」と比べる言葉が出てくる。でも「からすみ」は米粉だけを使うのだそうだ。一番基本の味は「白ざとう」と「黒ざとう」だとのこと。そのうち「黒ざとう」と「よもぎ」の2本を購入して包んでもらった。

家に帰って包みを開ける。「からすみ」は断面が富士山の形をした型で作られている。「黒ざとう」を適当な厚さに切って口に運ぶともっちりねっとりとした食感。かなり甘くしてあるのかなと思っていたのだが、甘さは強くなく素朴な風味。黒砂糖の風味がしっかりと味わえる。「よもぎ」の方も香りはしっかり。サクで大きいので、女将さんにすぐに食べないなら冷凍庫で保存するといいと言われていた。日を空けてまた食べるとさすがにやや硬くなっている。元々は硬くなったのを食べるという話もあったのだが、女将さんに教えてもらったようにフライパンで焼いて食べてみた。硬さが少し緩んでカリッとした表面の食感が変わり、これはこれで旨い。「よもぎ」には少し醤油を垂らしたりしても楽しんだ。(勘定は「黒ざとう」¥310、「よもぎ」¥340)

 

 


 

 ↓ 前回は近寄って見た「関西電力・賤母発電所(旧・名古屋電灯・賤母発電所)」(大正8年・1919・建造)を対岸から眺める。発電所の資材運搬の為に造られた「對鶴橋(たいかくばし)」(大正8年・1919・建造)を見に行ったのだが、つい最近解体されてしまい橋脚にはシートが掛けられていた(写真3枚目)。残念…。関西電力から市への無償譲渡打診があったのを市が老朽化と利用者の少なさ(そんなの当たり前だろうが…まったく)を理由に断ったのだとか…。

 

 


 

 

佐和家

岐阜県中津川市太田町2-5-30

 

( 中津川 なかつがわ さわや からすみ 唐墨 栗粉餅 老舗 郷土料理 郷土菓子 しずも発電所 対鶴橋 近代化遺産 近代建築 )

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天むす千寿 (2) @名古屋市中区・大須

2018年03月09日 | 名古屋(中区)

大須にある「千寿」へ。言わずと知れた「天むす」が名古屋名物と呼ばれるようになるきっかけとなったお店。元祖は三重県津市にあるが、世に広く知られるようになったのはこちらの店の評判が立ったからだと聞く。現在名古屋市内のデパートや駅構内、およびセントレアには「千寿」が何軒かあるが、それがこの店と関係があるのか、元祖と関係があるのか、はたまた別の企業体なのかはよく分からない。店の前まだ来るとほんのりと天ぷらを揚げる香りが漂う。暖簾をくぐってごく小さな店中に入ると少ないテーブル席があり、ひとつは先客が使用していたので長椅子の方の席に座らせてもらい、店内でいただいていくことにする。「一人前」を注文。昼どきとあって持ち帰りの客も多く、カウンターの中ではどんどん「天むす」が作られているようだ。

なのでさほど時間がかからず「一人前」5個が木目の器にのって登場。もちろんお約束のきゃらぶきが添えられている。たすき掛けされた海苔とご飯の間から見えるのは海老の天ぷら。熱々のひとつを口に放り込む。中の天ぷらまで熱々なので口中がえらいことに。いつもは持ち帰りなので少し時間が経っていてその蒸れたのも旨いが、やはり揚げたては格別に旨い。小海老の天ぷらの衣に緑のものが見えるのは三つ葉か何かだろうか。しっかりと塩味も効いていて、添えてあるきゃらぶきはこれ以上の相性は無いというくらいのぴったり感だ(きゃらぶきは店内で小売りもしているが買おうと思っていて忘れてしまった)。(勘定は¥756)

以前の記事はこちら

 


 

↓ 近くで何となく気になった建物「カメラ・小笠原」(建築詳細不明)。”カメラ”という割には店舗らしくない造りなのだが、どういう建物だったんだろう。

 

 


 

めいふつ 天むす千寿

愛知県名古屋市中区大須4-10-82

 

( 大須 おおす 上前津 かみまえづ 名物 天むす せんじゅ 本店 元祖 水谷ヨネ 藤森時計店 名古屋めし なごやめし 近代建築 )

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