岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

NHK『東北被災地をめぐる薬師寺僧侶たちの苦悩「仏の教えを説く資格があるか」』を見る。

2013-06-10 22:34:04 | 東日本大震災
昨日、NHK『東北被災地をめぐる薬師寺僧侶たちの苦悩「仏の教えを説く資格があるか」』を偶然見ました。
いろいろ考えさせられました。

東北の被災地を巡る僧侶が呟く。
すべてを失った方に、なにも失っていない私に できることなどあるのだろうか。

写経を手に 法を説く 
それが 形だけでは 通用しない

僧侶が対峙したのは 家族のほとんどを失った 看護師さん
僧侶は言葉を失った

色即是空 空即是色 の言葉も
あまりの色即是空の重さに たじろき 苦悩する

この看護師さんの名前がテロップに出た時、あっと心で叫んだ
雄勝病院の看護師さんだ。
実は、この看護師さんは『海の見える病院』に名前が載っていた。
名前のみ記され、一言も話されていない。
『海の見える病院』にも書かれていない苦しみがここにあった。

彼女は取材者の前では話せないことを僧侶に話した。
僧侶と写経に心の平安と魂の救済を求める。
文字通り「藁をもすがる」心境だったとお察しする。

僧侶は 悟りを求めて、覚悟という言葉の意味をかみしめる。

色即是空 空即是色
身を持て 命を問う人に
僧侶も 人生をかける 覚悟がいる

それは 釈迦の使いではなく
釈迦の心を持ち 被災地を歩くことなのだ


覚悟の決め方 僧侶が伝える15の智慧
河野 太通,南 直哉,釈 徹宗,田口 弘願,小池 龍之介
扶桑社

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