この少年たちのストーリーは実話です。
ガザは自治都市ですが、イスラエルの標的になっている地区です。
もちろんアラブの人々が住んでいます。イスラエル人も入植していたことがありますが今は撤退しています。
制空権はイスラエルにあります。
面積は岡山市の半分、人口は岡山市の3倍近く、人口密度の高さがわかります。
出入国の自由はほとんどありません。閉じ込めらているといっていいでしょう。
2005年のガザから始まります。
子どもたちは、たくましく育っていますが、未来への希望がなかなか見出せません。
それでも主人公のムハンメドは大好きな姉ヌールとバンドでスターになる夢を持ちます。
ムハンメドは、天性の美声を持っています。人々の心を癒し統合する力があると言われます。
自分たちが稼いだお金で楽器を買い、コーチを見つけてきます。
結婚式のバンドをはじめ街中で活躍し始めます。
そんな日々、姉ヌールに異変が起こります。腎不全に陥り腎臓移植しか生存の可能性がなくなりました。
お金の手当てができなく命を落としてしまいます。
バンドは解散し年月が過ぎます。
2012年、イスラエルの攻撃によりガザは荒廃してしまいました。
ムハンメドはタクシードライバーをしながら大学に通っています。
彼の美声を知っている人々は彼にエジプトのカイロで開かれるコンテストに出るように勧めます。
彼は挑戦することに決めました。
難題は出国です。国境の入管までたどり着きますが係官に偽のパスポートと見抜かれますが、
出国目的を聞かれ、コンテストと話すと、「歌ってみろ」と。美声を披露すると係官は出国を許可します。
歌舞伎の勧進帳を思い出しました。
なんとかコンテストを受けるまで漕ぎつけます。
カイロのコンテストを勝ち抜きました。次は「アラブのアイドル」を決めるコンテストに出場するためにベイルートに行きます。
ガザの人々は夢を彼に託します。重圧が彼を襲います。
最後のコンテスト風景とそれをテレビで見るガザの人々の映像は、ドキュメンタリー(実際の映像)です。
その映像と創作した映像にまったく違和感がないことに驚きました。映画技術の力です。
ガザの人々の暮らしを知ることのできる貴重な映画です。
そして、人々にとって希望がいかに大切か、理解できると思います。
ぜひ、ご覧ください。