岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

松井秀喜選手のドキュメンタリーを観る。

2010-01-11 21:53:34 | スポーツ(身体に魅せられて)
昨年、松井選手は初めてワールドシリーズを制覇し、シリーズMVPにも輝いた。
ヤンキース所属、最後の瞬間の輝きとなった。

1月9日のNHKアーカイブで松井選手の番組が2本放送された。
午前中だったので出かけようとして、番組にはまって出られなくなった。
罪な番組だった。

私は、巨人ファンではないので、松井選手にあまり興味は向かなかった。
だから、彼のことはあまり知らない。
それでも、イチローが松井選手と対談したあとのコメントが気になっていた。
「本当にいいやつだ。びっくりした」という内容のコメントだった。

アーカイブのドキュメント1本目は、
2003年松井選手がニューヨークに行った年を1年間かけて作家の伊集院静氏の目で
追っている。

伊集院氏は、松井びいきと自ら認めている。
ひいきの人が冷静に評論できるかというとまず無理と言わざるをえないが、
それでも、ひいきを差し引いても、松井選手の映像は興味深かった。

特にインタビューは引き込まれた。
「中学時代から友達の悪口は一度も言ったことがない」というのは本当という。
言いたくなることはないのか、との問いには、
「山ほどある」と松井選手。
私も安心した。

彼はいつも「こどもたちのために命がけでプレイをする」という。
これもまったく本心だ。

彼は怪我も恐れない(ように見える)。

彼は後に、ライナー捕球時に左手を複雑骨折するのだが、それはダイビングキャッチをするのが原因だが、
2003年の映像を見ても、とても危険な捕球をしている。
怪我をもいとわぬ捕球だった。。

これはイチローとは正反対だ。
イチローも捕球は、負傷のリスクの少ない取りかたを研究し、それを極めている。

松井選手は、そんなことは考えたこともないという捕球姿勢だ。

このことが松井選手に苦難の道を歩かせたことは間違いないが、彼は決して後悔はしないだろう。

この年(2003年)、リーグ優勝決定戦は、宿敵ボストンとの壮絶な戦いとなった。
第7戦でヤンキースは逆転勝ちをする。
私もそのシーンをテレビで観ていた。
松井がホームインした時の喜びようは今までみたことのないものだった。
このドキュメントのクライマックスはこのシーンだった。

伊集院氏は、松井が「野球の神様に抱かれた姿」に見えたと言った。
なるほど、そのようにも見える。

苦難をいとわない松井選手の姿勢は、昨年のワールドシリーズで
「野球の神様」に認めてもらうことになった。
もうニューヨークを離れてもいいのだ。

今年は新天地。
西海岸のアナハイムで赤いユニフォームを着る。
またあの怪我をも恐れぬダイビングキャッチをみることになる。

※写真は山陽道吉備サービスエリア内。自転車の私が入っているのは不思議?
実は裏門があって、歩いて入ることができる。地元の人もレストランを利用しているらしい。
白い塔のてっぺんには鬼の顔がのっかっている。
右の回廊は吉備津神社の回廊を模していると思われる。


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