岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

『猫様』想田和弘著 エッセー写真集  異色な猫本です。

2024-10-22 04:48:22 | 

まずは解体新書。カバーのみの写真です。

帯付きの表カバー

裏カバー 帯付き

カバーを取るとさらに展開が

画像はここまでです。

内部は様々な猫様の写真と愉快で考えさせるエッセイ。

野良猫様の日々と人々のかかわりが物語になっています。

さくさくと読めて眺めてもよし、いろいろと考えてもよし。

まさに映画の副読本的な役割も。

この本を読んでから映画を観ると猫様の名前とつながりがわかりやすい。

基本的に観察映画では説明をしないので。

できれば観て読んでいただければ二度おいしいこと間違いない。

 

 

野良猫様と家猫様の世界の違いが興味深い。

野良猫様の世界は厳しい。

寿命は数年らしい。自由と引き換えに身を削っている。

野良猫様が家猫様になることも多い。

家猫様もふらっといなくなってしまう。

つい人様の世界についても考えてしまう。

ほとんどの人は家人(いえびと)様だけど

野良人様もいる。

漂泊の人様、流浪の人様、全国行脚する人様。

その自由さが魅力的に感じる時がある。

もちろん「行旅死亡人」となる可能性もある。

「フーテンの寅さん」が葛飾柴又に帰れなくなればどうなるのかと思ってしまう。

家猫様は20歳まで生きるともいわれるが人様の寿命も同じかもしれない。

管理慣れしてしまい、家人様化しすぎていないかと思う。

 

猫様の世界も見ながらもつい人様のことを考えてしまう。

猫様が人様の世界を豊かにしているのだ。

この本は野良猫様の「生態」集でもある。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

ウクライナと中東に平和を!



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