岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「中国、トップ交代を前に』 賀衛方・北京大学教授

2012-11-07 20:41:29 | 世界のなかま
オバマ大統領が再選を果たし、2期8年を務めることになった。
一定の期間指導者が交代しないのはメリットが多いと思ってしまう。
日本も首相公選制を採用するわけにはいかないのだろうか。

この11月は、中国の代表者も交代する。こちらは10年体制(1期5年)。
まったく政治体制が異なる両国が同時に代表者が交代するのは20年に一度となる。

中国に選挙制度はないので、新政権には、それが正統であるという根拠は乏しい。
毛沢東のようにカリスマ性があれば別だが、胡錦涛や次期候補習近平にはそれはない。
統治をすることに困難が伴うのは明らかだ。

朝日新聞オピニオン欄に掲載された賀衛方(ホーウェイファン)さんの主張には聞くべきものが多い。
彼は驚く程現体制を鋭く批判する。それは相当勇気のいることではないだろうか。

2006年、北京の知識人が非公開会議を開いた。その時の彼の発言。

多党制、報道の自由、真の民主主義、真の個人の自由

当然ながら今の中国にはないものだ。
彼は権威主義にも利点があることは認めている。

08年の金融危機にあたり、即決で景気対策を打ち、短期的には成功しました
民主的議論を経ないと動けない先進国と違う、1党統治の強みが発揮されてしまった。


北京五輪や上海万博も開いた。面倒な政治改革を急がなくてもよい言い訳ができたのです。

経済成長には強権政治が適しているという考えは説得力があるように聞こえるが、アルマティセンは、根拠のないことだと否定している。
今日電車の中で読んでいた『貧困の克服』2000年に書いてあった。
私も根拠がないと思っている。

薄氏の裁判についても厳しい意見を持っている。

この事件の裁判は、司法の独立とはほど遠い「政治ショー」です。誰がどんな罪を犯したのか、証拠、証人とも定かではない。あれだけの事件を短時間で判決する。検察官や弁護士の発言もよく分からない。中国では、司法も政治を支えるためにあることでを世界に示してしまった。

そうなのか。このあたりのことはよくわからないが参考にしたい。

中国の政権が持っている「恐れ」とはなにか。
国民の怒りを恐れて、強圧的になる。権力が強大になる。
その強大になった権力がいつか政権に向かうのでないか。
恐れが「恐怖政治」を呼ぶ。

その恐怖から脱するには、健全な批判勢力を抱えながら、人々の声を政治に反映するシステムを作るように本気で取り組むことではないでしょうか

最後に、
経済発展にしか正統性を持てない政党が統治する国家は危険です。

中国の政治改革はむこう十年、大きな課題になると思います。


いよいよ目を離せない中国です。

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