岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

『世代を超えて語り継ぎたい戦争文学』澤地久枝+佐高信著

2009-08-04 20:22:08 | 
岩波書店 2009年

誰かが案内してくれなければ、今は遠い戦争文学書を読むことは至難の業である。
かつて五味川純平氏の助手を務めたことにある澤地久枝さんが最適任者であることは、
誰も異存はないだろう。
なぜ彼女が「九条の会」の発起人であるか、改めて理解できた思いがする。

この本は、7名の作家を中心に語られる。
・五味川純平の章
・鶴彬の章
・高杉一郎の章
・原民喜の章
・大岡昌平の章
・幸田文の章
・城山三郎の章

さて、皆さんは何人ご存じだろうか。
これらの作家の本の中には手に入りにくい本が多いと思われる。
やはり大きな図書館で借りるのが一番ではないだろうか。

が、まずこの本を読まれることをお奨めする。

いかに戦争について知らないか。
思い知らされる本である。

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2 コメント

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いい本をだされましたが (藤元仁一郎)
2009-08-16 20:04:52
佐高さん、澤地さん、いい本を出されました。今、大学生に戦争が終わったのはいつか知っているかと聞くと、「日本史とってないから、知らない」とくる。それが普通です。過去の戦争のこと、何も知らないし、大連とかコロ島とか言っても、何の反応もない。だから、やりがいがあると思いますが、反面、過去のことなんか、なんぼう知っても、未来戦は一瞬にして、殺される、そんな戦争だもん、役に立たないとも思われる。つまり、近未来戦を描いた作家群も入れてほしかったということです。
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近未来戦。 (岩清水)
2009-08-16 20:45:08
藤元様
コメントありがとうございます。
不勉強なのですが、近未来戦の作家とはどのような方々なのでしょうか。
教えていただければありがたいです。
ぜひ、読んでみたいと思います。
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