岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「社会福祉と日本の宗教思想」吉田久一著を漂流す。

2008-04-23 15:37:22 | 社会福祉の源流
吉田久一先生の「社会福祉と日本の宗教思想」を少しずつ
読んでいますが、途中、石井十次について触れている部分を
つまみ読みしました。
彼の思想面からみた社会福祉について言及しています。
彼の下級武士としての出自。幼年時代に受けた儒学教育。
父親の西南戦争での敗北。厳しい環境から医師を志し、
キリスト教と出会う。
そして当時の先進的な欧米の社会福祉の考えを
彼なりに消化し実践した。

彼が明治の社会福祉を創ったといってもあながち間違いではない
でしょう。
少なくとも最も大きな幹です。
その十次や、内村鑑三、留岡幸助という重要な明治のキリスト者が、
実は二宮尊徳に強く影響を受ける。
私が石井十次を学んでいた時に、このことがどうもよくわからなかった。
このあたりも吉田先生に教えてもらいたいと思っています。

吉田先生は、「日本の社会福祉とはなにか」を追求した方です。
そして日本独自の社会福祉学を創らなければ、
この「30数年の社会福祉の後退」を止められないと思われた
のではないでしょうか。
日本の社会福祉思想に根っこを持った社会福祉の「原理」が必要ではないか。
接木した思想では、「原理」に力がないのではないか。

私もそのような思いにいたっている。

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