岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

『グローバル資本主義と日本の選択―富と貧困の中で』を読んでいます。

2010-10-18 21:30:20 | 



岩波ブックレットNo.779
金子勝、橘木俊詔、武者遼司

60数ページの小冊子だから、わからないなりに読み通せますね。
テーマとしては、
1.世界金融危機後の経済
2.日本経済の行方と貧困の構造
の2点と思います。

おおまかに理解(曲解?)した内容を頭の中で反芻してみます。
3人はそれぞれ考え方が違います。当然のことです。
でもだれがどう考えているかはあまり考慮にいれません。

1.世界金融危機後、経済はどうなるか。
経済は立ちいかなくなったから必然的に次の経済の基幹を探さなくてはならないという考え。
これがグリーンニューディールを進めること。石油や石炭、原子力からのエネルギー転換を進める。直観的な判断に近いが。

いやいや、金融資本経済は続く。10年や15年は続く。なぜなら中国を始め新興国の経済発展がその程度は続くから。
もっと長期的に考えると、これは非常に大きなリスクを抱えている。
中国や新興国の経済発展が終息した時になにが起こるか、だれにもわからない。
現在の世界経済は、中国や新興国のチープなコストによる生産力に支えられている。

2. 日本経済の行方と貧困の構造
これはいくつかの考え方があるのだろう。
一つは、金融的な収益を上げることができる構造を日本において再構築するという考え方。
二つ目は、危機の原因は金融なのだから、実体的な解決でなければならないという考え。
これは実体経済で国際競争力をつけるべきという考えである。
再分配だけでは貧困をなくすことはできない。

「清貧の思想」はどうかという議論。
貧困をなくした上でどういう社会を描くか。
「そこそこ働いて楽しい人生を送ればいいじゃないか」という考えはどうか。

個人的には魅力だが、そうなると日本はそれで終わってしまうではないか。

江戸時代では藩を上げて行った清貧も、グローバル世界の中では難しいようだ。

※これはライジングサンではなさそう。

  


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