この2冊はアマゾンで同時に購入しました。いわゆるアマクリしました。
『子どもの貧困』で阿部さんは、
「本書が提唱したのは、『子どもの幸せのための政策』である。子どもの数を増やすのではなく、幸せな子どもの数を増やすことを目標とする政策である」と。
「本書の中で述べてきた内容の中でも、特に強調したいのが、すべての子どもが享受するべき最低限の生活と教育を社会が保障すべきである」
著者はあらゆるデータを駆使して「日本の子どもの貧困」をあぶり出している。
一方、『アンデルセン、福祉を語る』では、レッスン1「家族の変化と女性革命」、レッスン2「子どもと機会均等」、レッスン3「高齢化と公平」という章立てになっている。
欧米といっても、地域によって、家族の役割、女性の就労状況は大きく違っている。北欧を中心に女性革命が先行している国は、少子化を免れており、スペインやイタリアのように女性が家庭の中にいる比率の高い国は、少子化が進行していると書かれてる。
日本もスペインやイタリアに近いと思ってよい。
以下の数字は衝撃的だった。
「合計特殊出生率が1.9人であれば、1世紀の間に人口は15%減るだけで収まるが、合計特殊出生率が1.3人の場合は、現在の人口規模の25%にまで縮小する」
すなわち100年後に、日本の人口は3000万人まで減少するということである。悲観的に過ぎると言われるかもしれないがこれは単純な計算で出る数字だ。
ちなみに、日本の公的な人口推計は今まで当ったことがなく、すべて希望的な観測に終わっている。
同じような状況にスペインやイタリアがあり、日本同様に経済的に厳しい状況に陥っている。
これは国の将来への展望が、実質経済にも織り込まれているという側面もあると思われる。
明るい展望が見えない国が投資対象になりずらいのは当然である。
「女性」と「子ども」への福祉の充実なくして国の未来はない。
胆に命ずべしです。