北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

自転車でのおもてなし

2006-03-23 23:10:24 | Weblog
 北海道での自転車文化振興はどうあるべきか、という会合を開催しました。道内の自転車の関係者に加えて東京と掛川からも北海道への暖かいアドバイスをいただきました。
 そろそろまちのなかも自転車が増えてきました。

【自転車というおもてなし】
 先週沖縄ツール・ド・おきなわの関係者にお話を聞いて、すこしは沖縄北部での自転車による地域振興の状況が分かりました。

 そのこと自体は3月14日の本編に譲るとして、改めて沖縄における自転車イベントとは何か、ということを考えてみました。

 ツール・ド・おきなわは二日間でのイベント言う事ですが、イベントの予算はだいたい6千万円~7千万円といったところです。

 参加者による参加料も収入の4割ほどにはなるものの、残りの部分は自治体や自転車振興会からの協賛金によるもので、それなりに安定はしている収入源といえそうです。

 自転車イベントしては収支がとんとん程度なのだが、このイベントに参加するためにはとにかく飛行機で乗り込んで周囲のホテルに1~2泊をしなくてはならないということになるので、終始計算書には現れない周辺への経済波及効果が高いと言えるのです。

 そのことによる周辺の地域振興という事がまず根底に流れているので、イベントの趣旨は「おもてなし」なのです。

 北海道では、イベントに参加してもらう事やすることに特化している風があって、来道者や道内自転車関係者に対するもてなしということへの対応が沖縄に比べるとやはり見劣りをしてしまうようです。

 とにかく全ての事柄は来てくれた人へのおもてなしなのだ、という徹底したマインドこそが沖縄であるようにも思えるのです。
 北海道が見習うべき事は多いように思います。

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 会合で掛川から来てくれたSさんが、自身が手がけた伊豆の狩野川周辺で作ったサイクリングマップを紹介してくれました。

 このマップは、私も存じ上げている自転車文学家を自称するSKさんが作成に深く関わってくれているのですが、川沿いの道をサイクリングするときのサイクリストのためのマップになっています。

 それは単に走る事の出来る道路を指し示しているのではなく、まさにサイクリストSKさんが「自分が走って楽しくて、この楽しみを他のサイクリストに伝えたい」という思いの込められたマップになっています。

 だから安全である事は大前提で、注意しなくてはならない箇所は詳しく書いているだけではなく、道路もただ横断するのではなく、交通量見合いで横断が危険な箇所については、わざわざ「遠回りして信号を渡るように」というルート案内までしています。
 自転車に乗っていて、「ここは横断させるわけにはいかないな」と思った気持ちが伝わってくるのです。

 また景観のポイントも細かくガイドされていますので、ただ疾走するだけでなく、いつでも止まれて時間をスローに過ごす事が出来る自転車を、人生を最大限に楽しむツールとして使おうという主張がしっかりと込められています。

 マップの作り方一つにも、もてなしの気持ちが込められているのかどうかが大事になってきます。すべからく小事を軽く考えない気持ちが大事なのと、仕事を本当に楽しんでいる人の成果はやはり気持ちの入り方が違うということがよく分かります。

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 夜は送別会で、東京から転勤で来ていた友人が1年9ヶ月の道内勤務を終えて今度は横浜へ向かうという。

 本当に数回しか会っていないのだが、マインドを共有出来る人とは会う回数などあまり意味がないものです。また仕事でも何回も会いたいものです。新任でも活躍されますように祈っています。ご苦労様でした。なんだか寂しくなる春でもあります。

 
コメント
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