北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

タクシーの中で

2010-01-21 23:53:29 | Weblog
 出張で今日から札幌入りです。

 東京が暖かかったのと、北海道でも暖気が入って雪や氷が融ける異常な暖かさだという報道で、コートの裏地なし、マフラーなし、手袋なしで来たのは失敗でした。

 急激に寒気が入って寒いこと寒いこと…。気持ちも内地の人になりかけているのかも。

    ※    ※    ※    ※

 夜遅くなりバスもなくなってしまったのでタクシーに乗りました。運転手さんは60歳くらいのおじさん。

「今タクシーって台数を増やせなくなったんですか」
「一応そうですねえ、減らすのは良いということですが」

「タクシーの台数を減らすって言っても、どうやって減らすんですか」
「ま、事故やったらその車はダメ、とかね。微々たるもんですよ」

「タクシーの給料では生活が大変だと聞きますけど…」
「きついねえ、うちは完全歩合制で手取りは12~13万円ですよ」

「うわー、それじゃ生活出来ないじゃないですか。奥さんはいるんですか」
「それが、離婚しました。私の母親が半身不随で介護やらなにやらがあったんですけどね。父親はもういなくて、母親がもらう遺族年金と給料でなんとかやっています。息子は市内で大学を出て就職していますが、あまり顔も見せませんね」

「タクシーに乗る前はどこかで働いていたんですか」
「夫婦で食堂をやっていましたよ。そのころはなんだかんだ結構売り上げもあって、手元に残ったものですが、母親が倒れてからはそちらにかかってしまって食堂は畳みました」


「タクシー代を値上げしてもダメですか」
「値上げしない方が良かったですねえ。結局お客さんが離れて、トータルの売り上げは減りましたから。会社は『もっとがんばれ』と言いますが、自分が頑張って何とかなるものでもありませんし」

    ※    ※    ※    ※

 よく「タクシーは世相を反映する」と言われますが、厳しさは一層募っているようです。

 やはり鍵は所得の再配分。眠っている資産をどう起こすかなのですが難しいですねえ。
コメント (1)
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