北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

【新春スペシャル】外国語が話せるように…

2010-01-06 23:50:51 | Weblog
 冗談の好きな友人から「最近霊的な体験をした」という話を聞いて苦笑い。

 あるご神体に願いをかけると不思議に良いことが続くんだとか。おいおい、もう子供じゃあるまいしいい加減にしてよ、と内心思うのだけれど、向こうも半分疑いながら半分は信用しかけている様子。どうも危ないなあ。

 この間もメールが来て、「今度その体験講座を受けてみようと思うんだ。今回の講座にはないけれど、前世に外国にいた自分を呼び出してそこの国を言葉を話せるようになる講座もあるそうです。それは受けたいと思っています。たぶん半年後には数カ国語を話せるようになっているはずです」などと、本気とも冗談とも取れるような変な言いっぷり。

 人の信仰や心情に関わりたくはないけれど、気を確かに持ってもらいたいものです。

 そこで私からの返信メール。

「おいおい、冗談もいいかげんにしてくださいな。お祈りと講座を受けるだけで外国が話せるようになると言いますが、前世がイギリスやフランス、イタリアくらいだったら格好よいけれど、世界にはいろいろな地域にいろいろな言語があるからね」と、希少外国語の例を示す。

[中国大陸]
ウイグル語 エツ語 海南語 広東語 呉語 上海語 台湾語 チベット語 チュアン語 北京語(中国語) 客家語 ビン語 福建語 北方語 ミャオ語 蒙古語 ロ-ロ-語 など
[インドネシア共和国]
アチン語 インドネシア語 ジャワ語 スンダ語 ダヤク語 バタク語 バリ語 ブキ語 マドゥラ語 ミナンカバウ語 など
[フィリピン共和国]
イゴロト語 イロカノ語 イロイロ語 カパンパンガン語 サマラン語 セブアノ語 タガログ語 ダバオ語 パンガシナ語 パンパンガ語 ヒリガイノン語 ビコル語 ピリピノ語 マラナオ語 など

   *   *   *   *   *

「貴君の前世が中国大陸の奥地やインドネシア、フィリピンだったら、いずれローロー語やスンダ語、ミナンカバウ語、バンバンガ語などを話せるようになるというわけですな、楽しみです。ところでそれがどの言語だって一体誰がわかるのでしょうか?(笑)先に『ところで私の前世はどの時代のどの地域にいたんでしょうか?』って訊いてみてからのほうが良さそうですよ。紀元前3世紀の古代スンダ語でもいいんですかねえ?」

 
 なぜか日本人が外国を思うときって欧米しか思わないんですよね。世界は広いよ…って、いやいや問題はそこじゃなーい!
 
 おいK! 頼むから冗談だと言ってくれー(祈)
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官僚叩きの予言

2010-01-06 23:37:14 | Weblog
 前回お話した慶応大学の権丈先生は、「勿凝学問シリーズ」というコラムをネット上で書き続けておられます。

 その中身は社会保障をめぐる政治と社会を覚めた目で見たシニカルな意見や、先生が出席しておられる各種の委員会は分科会でのリアルタイムで生々しい議論の数々が紹介されたりしていて、これまた手に汗握る(いや、大げさでなく)展開が見られるのです。

 そこからの興味深い部分がこちら。


---------- 【ここから引用】 ----------
勿凝学問178  度を超えた官僚叩きという小泉路線の一番の後継者は小沢民主党だろう(2008年9月26日)
 http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/korunakare178.pdf


 小泉氏引退表明の日 2008年9月26日 慶應義塾大学 商学部 教授 権丈善一 この勿凝学問には、引退シリーズというのがある。といってもたったひとつだけですけどね。

【勿凝学問82】 マニフェスト選挙と民主主義の運営コスト――6月27日のブレア首相辞任に思うことなど
小泉氏が引退表明されたそうなので、ふたつ目をメモしておきます。

 今日、2008年9月25日の夕方、「高齢者医療見直しに関する検討会」初会合を終えての帰路――駅で夕刊フジの見出しが、民主党代表の小沢氏が言う「腐った役所に責任取らせる」霞ヶ関への【品性に欠ける度を超えた批判になっているの(注1)】を横目に、先日の総裁選で小泉氏が支持した小池氏の「霞ヶ関をぶっ壊す」と同じだなと思いながら帰宅する。するとニュースで小泉氏の引退表明。 僕にとっての小泉氏の名文句は、次。



 講演などで、上の小泉氏の言葉を紹介して後、「日本の財政状況を考えて、この国で許される選択肢は負担増か歳出削減しかないとします。この時、この国で負担増を国民に求めれば政権は吹っ飛ぶと判断した勘の良い政治家には、歳出削減しか途は残されていないことになります。

 さてこの状況下で、彼ら政治家にとって好都合な情報戦略、キャンペーンは?・・・霞ヶ関を叩きに叩いて大衆に官僚を憎ませ、正義はわれら政治家に有りと国民に信じ込ませることでしょうね。エリート叩きをメディアをはじめとした国民は大いに喜びますし、政治家は負担増を求めるリスクから大いに解放されますから」と話したりもする。
 
 そして、「官僚叩きという小さな政府派、負担増先延ばし派の常套手段」を小泉氏から継いだ安倍氏の政治をみていて書いた文章が、次。


【勿凝学問73】 華麗なる一族によるこの国の改革――インセンティブスキームとしての社会構造の破壊
 http://news.fbc.keio.ac.jp/%7Ekenjoh/work/korunakare73.pdf

 上の勿凝学問73に登場する安倍内閣の幹事長中川氏(そして小池氏の応援団長)の言葉が、「閣僚や官僚は首相への絶対的な忠誠と自己犠牲の精神が求められている」であった。

   *   *   *   *   *

 度を超えた霞ヶ関叩きという小泉安倍内閣の政権浮揚策は、僕からみれば、次の文章に書いているように、この国のインセンティブスキームとしての社会構造を根底から破壊してしまい、このままだったらこの国は壊れるなと感じるほどに危ないものだった。

 その危なさの正統な後継者が、先日の総裁選時の小池氏グループ44名の国会議員であり、そのグループと連立政権でも作れるのではないか(いや、そのつもりなのかな?)と思えるくらいにまったく同じことを大衆にアピールすることにより、大衆の支持を得ようとしている小沢民主党であるようにみえる。小沢民主党のように、これだけ立派な後継者が育ったのだから、小泉氏も、安心して引退できるのだろう。

 今の自民党は、総裁が自公からなる全閣僚に「官僚を使いこなす」というような、いかにも大衆受けしなさそうな柔やわなことを指示するほどに、(僕的には)あまりにも正しいことを言うようになってしまったので、小泉安倍路線が採ってきた霞ヶ関をぶっ壊す路線での浅はかな政権浮揚策をとるDNAは、民主党にしか遺伝されていない状態になっている。

 この国の国民相手に財源の話などしていては政権などとれるわけがないじゃないかとうそぶく小沢民主党にとって、官僚叩きが生命線になるのは、論理必然的な帰結である。見わたせば、負担の話などをしたら国民的人気など維持できるはずがないではないかとうそぶいて、政官のあり様を勧善懲悪仕込みの三文劇場に仕立て上げた小泉路線の正統な後継者は、小沢民主党の他にないように見える

 (以下略)

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【注1】 夕刊フジの見出しを探そうと思ってネットで検索してもみつからず、近くのコンビニ3軒を回っても、日刊ゲンダイしかなく、夕刊フジはどこにもなし。どなたか、昨日の夕刊フジの見出しをご存知でしたら、教えてください。小沢氏が夕刊フジの単独インタビューに応えたとか、なんだかそんな感じの記事だったような気がします。

お礼 いやはや知っている人だけでなく、多くの知らない方からの情報提供、ありがとうございました。身の引き締まる思いです・・・何が? 見出しは、次の文章をもとに記者が作成されたものですね。 「自民党と役所、業界は何十年にもわたり政官業癒着を続け、自分たちの既得権益を守ってきた。それが腐敗し、機能不全を起こしている。民主党が政権をとれば、役所にも明確に責任を取らせる。十手(検察や警察)の力を借りなければならないケースもある」
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   *   *   *   *   *


 別なところで権丈先生は、「政府のムダはムダでなくす努力を継続するのは当然です。しかしそこから財源が出てくるほど甘くはない」ともおっしゃっています。

 先生の主張は政策の方向とは国民全体の所得に占める政策経費の割合で見なくてはいけない、というものです。

 公的医療がGDPに占める割合を先進国と比較すると、2005年レベルで日本は6.6%、アメリカが6.8%、イギリスが6.9%、ドイツが8.1%、スウェーデンが7.7%とのこと。

 日本のGDPは年間約500兆円ですから1%は約5兆円。スウェーデン並の医療を実現しようとすると1ポイントを上昇させなくてはならずその額は5兆円、ドイツ並だとすると1.5ポイントで7.5兆円が必要です。

 この5兆円という額をイメージしろ、と権丈先生は言います。
「5兆円というと、100万円の束が1センチの高さですから、50kmの高さになりますよ。7.5兆円だったら75km。政府のムダといってもせいぜい数メートルの話(=数十億円)の話で議論しているのではありませんか」

 社会保障を語るときに、毎年の財源の話をしないまま、ムダを削減すれば捻出できるという主張の無理を国民も受け入れるべきだというのが権丈先生の主張。

 しかしそれだけ財源が不足していながら日本の医療は何とか持っているではないか、と考える人がいるかもしれません。しかしそれは「医療界の、劣悪な職場環境に耐える献身的な働きがあるから」であり、「しかしもはやそれも刻一刻と限界に近づいていて、地方医療が崩壊しつつあるのがその先駆けだ」と言うのです。

   *   *   *   *   *

 敵がどこにいるのかをわからなくしてしまう目くらましにまどっているうちに、官僚叩きという勝てそうな敵に勝つ姿だけを見ていて良いのだろうか、とつくづく思います。

 この文章が2年前に書かれていることを思うと、権丈先生の慧眼がお分かりいただけることでしょう。 
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