いよいよ両親への花束贈呈の時間となり、係の方の合図で両家の親は出口付近に立たされました。なんだかさらし者みたいだけれど、これも仕方のない役回りです。
やがて司会の合図で新郎新婦が席を立ちこちらに向かってきます。(そんなに急いでこなくていいよ…)
(どっちがどっちに花をくれるんだっけ?新郎からもらうのか?)妻にささやきますが、もう妻もそれどころじゃない感じ。
やがて新郎は先方のお母さんの前に、新婦の長女が私たち夫婦の目の前に立ちました。(マ、マズイ…目を合わせないようにしよう…)
そこで、花をくれるだけかと思ったら、案の定、娘からの手紙の朗読。(やっぱりか。あるかと思ったけれど、どこにもそんなこと書いてなかったじゃん…)
娘の手紙の朗読が始まりました。
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「結婚が決まってからプロフィールビデオを作るために小さい頃からの写真を見返しました。生まれてから今まで、見返すのが大変なくらい、うちにはたくさんの写真がありますね。『旅行に行ったときのだよ』私が覚えている以上の思い出話を話してもらうのが好きでした」(うぐぐ…)
「…高校に入ってからは単身赴任が続き、お父さんと過ごす時間が短くなりましたが、いつも娘のことを考えていてくれましたね」(うぐぐぐ…)
「お母さんは自分のことをあまり面白くないと思っているけど、じつはとても面白いお母さんでした」(うぐぐぐぐ…)
「これからはもう、家族四人で過ごすこともなくなると思うと寂しいですが、お父さんお母さんと同じくらい、私を大切にしてくれる人と巡り会いました
…」(うぐー、うぐー)
「二人の娘でいられたことに感謝しています。子育てが終わったこれからも、映画を見たり旅行をしたり、健康に気をつけて仲の良い夫婦でいてください 可奈より」(うぐー、うぐー!!)
もう最後の方は娘を直視できず、ずっと遠くを見ている私でした。必死で耐えてきたけれど、もう一押しすれば涙がどっと出てきそう。うぐぐー
※ ※ ※ ※ ※
手紙の朗読が終わって娘から花束が妻へ、私にはちいさな花が渡されるのでした。花束をもらった妻は涙ポロポロ。もう無理だなあ
私への花…、私への花…は?どこ? 私にくれる花を娘はもっていなくて、何を私に渡すのかそこで迷っている様子。
はっと横を見ると新郎が胸に挿している花が目について、それをくれようとしました。ところがそれは襟の後ろで留められるようになっていて簡単には取れません。
会場からは見えない後ろ姿にざわつきが始まりました。
すると横から新郎のお母さんが「何やってるの、こうやれば取れるわよ」と迷アシスト(?)おかげで無事花が取れて私にも花が渡されました。
ところが本当はここで下でしゃがんでいた係の方が私用の花を新婦に手渡すことになっていたのですが、なんとドタバタのなかでそれを渡しそびれてしまったのでした。
(こ、これで良かったのか…?)(いいことにしましょうよ)という新郎とのアイコンタクトに、何事もなかったように振る舞いましたが、新婦も本当は花を係の方からもらうことに気づいて、それを受け取ると今度はそれを新郎の胸に挿して苦笑い。(やっちゃったー)
土俵際まで押し込まれて徳俵で必死にこらえていた涙でしたがこのハプニングでどこかへ飛んでしまいました。
それを取り返すまもなく今度は私からの両家代表謝辞の番です。
「本日は新郎新婦による結婚披露宴のご案内を申し上げましたところ、時節柄大変お忙しい中、また遠路はるばる、大変多くの皆様がご出席をいただき、誠にありがとうございました…」
ここからは練習に練習を重ねた挨拶ですが、途中で「…娘は選べないけれど、息子は選べることに気がつきました。変な奴だったら選ばなきゃ良いんだ、と思いましたが、マイクパフォーマンスもあるし案外良い奴だったので、お願いして息子になっていただきました…」とやって、少し受けたけど、この頃にはもう涙どころではなくなっていました。
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【新郎挨拶】
※ ※ ※ ※ ※
私の挨拶の後に新郎からもひと言お礼を述べると、新郎の直属の上司から乾杯を受けて、親たちは会場の外へ。
やがて新郎新婦が退場してきて、私たちと一緒にお客様たちをお見送りします。
「やっちゃったー」「あれで涙が止まったよ」
どこまでも最後の最後でドジな娘ですが、新郎にはそれも含めてしっかりと受け止めてあげてください。ここまで手塩にかけた娘です。多少頑固ですが、どこに出しても恥ずかしくないようにはなってくれました。私の自慢の娘なんですから。どうかよろしくお願いします。
今やっと涙が出てきました。
やがて司会の合図で新郎新婦が席を立ちこちらに向かってきます。(そんなに急いでこなくていいよ…)
(どっちがどっちに花をくれるんだっけ?新郎からもらうのか?)妻にささやきますが、もう妻もそれどころじゃない感じ。
やがて新郎は先方のお母さんの前に、新婦の長女が私たち夫婦の目の前に立ちました。(マ、マズイ…目を合わせないようにしよう…)
そこで、花をくれるだけかと思ったら、案の定、娘からの手紙の朗読。(やっぱりか。あるかと思ったけれど、どこにもそんなこと書いてなかったじゃん…)
娘の手紙の朗読が始まりました。
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「結婚が決まってからプロフィールビデオを作るために小さい頃からの写真を見返しました。生まれてから今まで、見返すのが大変なくらい、うちにはたくさんの写真がありますね。『旅行に行ったときのだよ』私が覚えている以上の思い出話を話してもらうのが好きでした」(うぐぐ…)
「…高校に入ってからは単身赴任が続き、お父さんと過ごす時間が短くなりましたが、いつも娘のことを考えていてくれましたね」(うぐぐぐ…)
「お母さんは自分のことをあまり面白くないと思っているけど、じつはとても面白いお母さんでした」(うぐぐぐぐ…)
「これからはもう、家族四人で過ごすこともなくなると思うと寂しいですが、お父さんお母さんと同じくらい、私を大切にしてくれる人と巡り会いました
…」(うぐー、うぐー)
「二人の娘でいられたことに感謝しています。子育てが終わったこれからも、映画を見たり旅行をしたり、健康に気をつけて仲の良い夫婦でいてください 可奈より」(うぐー、うぐー!!)
もう最後の方は娘を直視できず、ずっと遠くを見ている私でした。必死で耐えてきたけれど、もう一押しすれば涙がどっと出てきそう。うぐぐー
※ ※ ※ ※ ※
手紙の朗読が終わって娘から花束が妻へ、私にはちいさな花が渡されるのでした。花束をもらった妻は涙ポロポロ。もう無理だなあ
私への花…、私への花…は?どこ? 私にくれる花を娘はもっていなくて、何を私に渡すのかそこで迷っている様子。
はっと横を見ると新郎が胸に挿している花が目について、それをくれようとしました。ところがそれは襟の後ろで留められるようになっていて簡単には取れません。
会場からは見えない後ろ姿にざわつきが始まりました。
すると横から新郎のお母さんが「何やってるの、こうやれば取れるわよ」と迷アシスト(?)おかげで無事花が取れて私にも花が渡されました。
ところが本当はここで下でしゃがんでいた係の方が私用の花を新婦に手渡すことになっていたのですが、なんとドタバタのなかでそれを渡しそびれてしまったのでした。
(こ、これで良かったのか…?)(いいことにしましょうよ)という新郎とのアイコンタクトに、何事もなかったように振る舞いましたが、新婦も本当は花を係の方からもらうことに気づいて、それを受け取ると今度はそれを新郎の胸に挿して苦笑い。(やっちゃったー)
土俵際まで押し込まれて徳俵で必死にこらえていた涙でしたがこのハプニングでどこかへ飛んでしまいました。
それを取り返すまもなく今度は私からの両家代表謝辞の番です。
「本日は新郎新婦による結婚披露宴のご案内を申し上げましたところ、時節柄大変お忙しい中、また遠路はるばる、大変多くの皆様がご出席をいただき、誠にありがとうございました…」
ここからは練習に練習を重ねた挨拶ですが、途中で「…娘は選べないけれど、息子は選べることに気がつきました。変な奴だったら選ばなきゃ良いんだ、と思いましたが、マイクパフォーマンスもあるし案外良い奴だったので、お願いして息子になっていただきました…」とやって、少し受けたけど、この頃にはもう涙どころではなくなっていました。
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【新郎挨拶】
※ ※ ※ ※ ※
私の挨拶の後に新郎からもひと言お礼を述べると、新郎の直属の上司から乾杯を受けて、親たちは会場の外へ。
やがて新郎新婦が退場してきて、私たちと一緒にお客様たちをお見送りします。
「やっちゃったー」「あれで涙が止まったよ」
どこまでも最後の最後でドジな娘ですが、新郎にはそれも含めてしっかりと受け止めてあげてください。ここまで手塩にかけた娘です。多少頑固ですが、どこに出しても恥ずかしくないようにはなってくれました。私の自慢の娘なんですから。どうかよろしくお願いします。
今やっと涙が出てきました。
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