北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

長女の結婚式(後編)~な、涙が…

2011-06-18 23:48:31 | Weblog
 いよいよ両親への花束贈呈の時間となり、係の方の合図で両家の親は出口付近に立たされました。なんだかさらし者みたいだけれど、これも仕方のない役回りです。


 やがて司会の合図で新郎新婦が席を立ちこちらに向かってきます。(そんなに急いでこなくていいよ…)

 (どっちがどっちに花をくれるんだっけ?新郎からもらうのか?)妻にささやきますが、もう妻もそれどころじゃない感じ。

 やがて新郎は先方のお母さんの前に、新婦の長女が私たち夫婦の目の前に立ちました。(マ、マズイ…目を合わせないようにしよう…)

 そこで、花をくれるだけかと思ったら、案の定、娘からの手紙の朗読。(やっぱりか。あるかと思ったけれど、どこにもそんなこと書いてなかったじゃん…)

 娘の手紙の朗読が始まりました。




「結婚が決まってからプロフィールビデオを作るために小さい頃からの写真を見返しました。生まれてから今まで、見返すのが大変なくらい、うちにはたくさんの写真がありますね。『旅行に行ったときのだよ』私が覚えている以上の思い出話を話してもらうのが好きでした」(うぐぐ…)

「…高校に入ってからは単身赴任が続き、お父さんと過ごす時間が短くなりましたが、いつも娘のことを考えていてくれましたね」(うぐぐぐ…)

「お母さんは自分のことをあまり面白くないと思っているけど、じつはとても面白いお母さんでした」(うぐぐぐぐ…)

「これからはもう、家族四人で過ごすこともなくなると思うと寂しいですが、お父さんお母さんと同じくらい、私を大切にしてくれる人と巡り会いました
…」(うぐー、うぐー)

「二人の娘でいられたことに感謝しています。子育てが終わったこれからも、映画を見たり旅行をしたり、健康に気をつけて仲の良い夫婦でいてください 可奈より」(うぐー、うぐー!!)


 もう最後の方は娘を直視できず、ずっと遠くを見ている私でした。必死で耐えてきたけれど、もう一押しすれば涙がどっと出てきそう。うぐぐー


      ※     ※     ※     ※     ※


 手紙の朗読が終わって娘から花束が妻へ、私にはちいさな花が渡されるのでした。花束をもらった妻は涙ポロポロ。もう無理だなあ

 私への花…、私への花…は?どこ? 私にくれる花を娘はもっていなくて、何を私に渡すのかそこで迷っている様子。

 はっと横を見ると新郎が胸に挿している花が目について、それをくれようとしました。ところがそれは襟の後ろで留められるようになっていて簡単には取れません。

 会場からは見えない後ろ姿にざわつきが始まりました。

 すると横から新郎のお母さんが「何やってるの、こうやれば取れるわよ」と迷アシスト(?)おかげで無事花が取れて私にも花が渡されました。

 ところが本当はここで下でしゃがんでいた係の方が私用の花を新婦に手渡すことになっていたのですが、なんとドタバタのなかでそれを渡しそびれてしまったのでした。

(こ、これで良かったのか…?)(いいことにしましょうよ)という新郎とのアイコンタクトに、何事もなかったように振る舞いましたが、新婦も本当は花を係の方からもらうことに気づいて、それを受け取ると今度はそれを新郎の胸に挿して苦笑い。(やっちゃったー)

 土俵際まで押し込まれて徳俵で必死にこらえていた涙でしたがこのハプニングでどこかへ飛んでしまいました。

 それを取り返すまもなく今度は私からの両家代表謝辞の番です。

「本日は新郎新婦による結婚披露宴のご案内を申し上げましたところ、時節柄大変お忙しい中、また遠路はるばる、大変多くの皆様がご出席をいただき、誠にありがとうございました…」
 
 ここからは練習に練習を重ねた挨拶ですが、途中で「…娘は選べないけれど、息子は選べることに気がつきました。変な奴だったら選ばなきゃ良いんだ、と思いましたが、マイクパフォーマンスもあるし案外良い奴だったので、お願いして息子になっていただきました…」とやって、少し受けたけど、この頃にはもう涙どころではなくなっていました。


   【新郎挨拶】

      ※     ※     ※     ※     ※


 私の挨拶の後に新郎からもひと言お礼を述べると、新郎の直属の上司から乾杯を受けて、親たちは会場の外へ。

 やがて新郎新婦が退場してきて、私たちと一緒にお客様たちをお見送りします。


「やっちゃったー」「あれで涙が止まったよ」


 どこまでも最後の最後でドジな娘ですが、新郎にはそれも含めてしっかりと受け止めてあげてください。ここまで手塩にかけた娘です。多少頑固ですが、どこに出しても恥ずかしくないようにはなってくれました。私の自慢の娘なんですから。どうかよろしくお願いします。

 
 今やっと涙が出てきました。

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長女の結婚式(前編)

2011-06-18 23:45:22 | Weblog
 今日はいよいよ長女の結婚式。

 お昼過ぎに家を出て、披露宴会場のホテルに着くと妻と次女は髪のセットに直行。三時の北海道神宮出発まではまだ時間があって男親は手持ちぶさたなのですが、本を読むほど心にゆとりがあるわけでもありません。

 朝の新聞の天気予報では、まさに午後三時から一時雨が降るという予報で、神社の境内で親族集合写真を撮る予定なのでちょっと不安です。

 やがてお互いの親族がどんどん集まってきました。私もレンタルのモーニングに着替えて準備万端、三時にバスに乗り込んで双方の親族約40人が北海道神宮へと向かいました。

 現地では入院中の義父も介護タクシーで駆けつけてくれて、これで全員が勢揃いです。


      ※     ※     ※     ※     ※


   【雨が晴れて良かった】


 神前結婚式では、祝詞奏上、玉串奉奠、誓詞読み上げ、指輪の交換、三三九度と進み、式は滞りなく終了。巫女さんのお神楽も見られて、厳粛な中にも見応えのある式となりました。 

 移動中は参拝者が写真を撮り始めます。私も神社へお参りに行ったときに結婚式に合うと「今日はついてる!」と思いますから当然ですが、自分が写される方に回るとは思いませんでした。

 ホテルを出発する頃にぱらついた小雨も、北海道神宮へ着く頃には上がり、無事に写真も撮れました。神様にも祝福されているようで見守られているという感じがして誰の日頃の行いのおかげでしょうか。


      ※     ※     ※     ※     ※


 さて、北海道神宮から帰ってくると控え室で休憩。新婦はこの間に洋装のドレスに着替えて18時半からの披露宴を迎えます。
 披露宴出席者は約100名。そのうち親族が40名ほどなので、和気藹々とした程よい規模のパーティとなりました。


   【新郎新婦入場】


 今回の披露宴ではお仲人さんも立てません。新郎新婦のプロフィールも司会の女性が紹介をしてくれるかたちで、全て自分たちで仕切るというもの。最近の結婚式ではこういう形も多いのだそうで、時代の流れなのでしょう。

 新郎新婦のそれぞれの上司から来賓ご挨拶をいただき、それぞれの職場でのエピソードが語られました。「職場のエースとして期待されている新郎」、「小学校の先生として学級経営に悩んでいた泣き虫先生の新婦」

 あまり知られない姿の紹介に、子供のこともあまり知らない親だったと痛感。ある時からはもう干渉すべきではない独立した大人になったはずの娘と、今日までは自分の子供だったんだな、という思いが交錯します。


   【雰囲気の良いパーティでした】

      ※     ※     ※     ※     ※


 新郎新婦がお色直しで中座している間に、会場には二人のこれまでがスライド映像で流されました。

 この間がちょうど両家の親が各テーブルを出席のお礼に回る時間にあたりました。新郎新婦が作ったスライドで、二人の幼いときからのアルバムの写真にひと言加えた工夫を加えたものでしたが、テーブルでビールをついで回って挨拶をしているとほとんど見ていることができません。

 本当はじっくり見たい気もしましたが、チラチラ見ただけでこみ上げるものがあって、じっくり見たら多分泣いちゃうので敢えて見ないようにして、挨拶に傾注していました。アブナイ、アブナイ…。


      ※     ※     ※     ※     ※

 
 お色直しがすんで赤のドレスと黒いモーニングの新郎新婦が登場すると、各テーブルへのキャンドルサービスが始まりました。


   【うむ、十分にきれいですぞ】


 これが終わるとそろそろ両親への花束贈呈と両家代表謝辞。新郎側にお父さんがおられないために、今回は私に両家代表謝辞を述べる役回りが与えられました。やれやれ、楽ちんに飲んで食べていればよいというわけには行きません。

 …と、ここでサプライズ好きの新郎から会場へのサプライズプレゼントがありました。それは北海道神宮での挙式の様子を撮ってくれた友人の写真画像をその場でパソコンからチョイスして会場に写しだし、アドリブで説明を始めたのです。

 挙式に参加した親族しか見られなかった娘の白無垢姿が大きく映し出されて、「折角の姿を是非会場の皆様にも見ていただきたくて、朝からの一日を映像でご紹介します」

 マイクパフォーマンスもなかなかなもので、会場から大受けでした。


 (なるほど、粋な趣向だ)と感心しながらも、私の方はだんだんお腹が一杯になってきました。どうしてみんなそんなに食べられるんだろう?今日は料理の量が多いよ…。ステーキもデザートももう食べられないよ。

 やがて係の方が近くへ寄ってきて、いよいよ両親への花束贈呈の時間となりました。うーん…、 以下次号
コメント (2)
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