建設事業協会の例会での講演。お題は「コンパクトシティとその課題」と聞いていたので、そのつもりで背景とこれからについてお話をしました。
講演をするときは質問を受けるのが一つの楽しみ。一番最初の質問によって場の空気が熱くもなればしらけもします。
良い質問と言うのは内容をよく聞いていて、事前に(よし、これを質問してやろう)と準備をしなければできるものではありません。だから良い質問ができる人は良き聞き手である、というのが私の持論で、自分自身もできるだけ良い質問をしようと心がけています。
今日の釧路におけるコンパクトシティ論では、ほぼ確実視される人口減少局面ながら、少しでも地域に雇用を創造して若者を定着させることを考えなくてはならない、というお話もしました。
質問者はそのあたりについて、「どのように若者に仕事を与え、若年者雇用を増やせるだろうか」ということを訊いてきました。
それに対する私の答えはこんな風。
「今大変なのは若年層に対してお金が回らないこと。今の高齢者は亡くなるなる時が一番お金持ちと言う状態で、年金などを使わずに貯めたまま死んでゆくのです。しかも長寿社会で死ぬ年齢がどんどん高くなっているために『老老相続』という状態が発生しています。つまりお年寄りの財産相続をする子供がすでに60歳以上ということなのです」
※少し前の調査ですが、個人金融資産の3分の2を高齢者が持っていて、相続する人の平均年齢が60歳を超えている、とのこと
「亡くなる直前のお年寄りともなると我慢強かったり、もうお金を使う対象もなくなるのかもしれませんがそれが大問題なので、いかに高齢者に満足を買う出費をさせるか、合法的にお金を還流させることができるか、が鍵になります」
「それはお年寄りに満足や興奮や幸せを買うことができるのだ、というビジネス創造が必要で、それは旅を介護がサポートすることかもしれないし、釧路だったら空港から阿寒湖畔までがずっとバリアフリーで介護サポートもしっかりしている、というような受け皿なのかもしれません」
「そして多くの地方都市が単なる人口減少+少子高齢化に悩んで手の打ちようがない、と思っているときに、豊かな観光資源とインフラに恵まれている【釧路の今ならば】お年寄りに幸福感を提供できる素地があるのではないか、と思います」
「同時に、大人たちが若者をもっと支援するような風潮やまちの気風も必要なように思います」
※ ※ ※ ※ ※
質問者の二人目は「津波の被害を受けたが、防災面での街づくりはどうか」という質問。これまた良い質問です。これに対する答えはこんな感じ。
「もちろん避難するということが一番大事です。防潮堤などの施設で津波被害を軽減しようとするまちづくりは現実的ではありません。しかし、では何もしなくて良いのか、ということにもならないでしょう」
「予算や制度の制約はあるものの、ここは少し大ぼら的に聞こえても、将来はこうあっても良いのではないか、というような大きな構想を土木学会などの各種学会や技術アドバイザーなどから求めたい」
「例えば、一階部分に柱を立ててピロティ方式で二階以上を使えるような人工地盤を公共が補助することで、安全性と賑わいを一石二鳥で可能にするような計画ができないものか。今すぐと言わないが50年後までには、というような長いスパンで考えてはどうか。こういうことに対して広く市民の皆さんの考えを聞いてみたいと思います」
多少のホラめいた構想でも、被災地の側から「こうしたいがどうか」という求めがない限り、助けが来るものではありません。さて、あちらこちらに知恵を出してもらわなくては。
※ ※ ※ ※ ※
お話の後の懇親会では同席した方から、「夢のある事業に我々の業界でもお金をあげていた時代があったんですよ。シカ肉を食品にしたい、という人がいて面白がって補助してみたら、今やそれが現実になりかけていて本人は大学で研究する実になったということもありました」
「へえ、それは立派なビジネス支援ですね」
「いや、中には『UFOを呼びたい』というプレゼンがあって、要求額100万円だったのを二万円だけつけたところ、『これじゃ何もできません』ってお金を返してきたということもありましたよ。100万円渡していたら本当に何をしていたんだか(笑)」
「UFOを呼ぶ、ですか呼び方を知っていたんでしょうかね(笑)」
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しかしこれからの混沌とした時代には、それくらいの突拍子もない突破力があっても良いのかもしれません。
これからは平時の優等生ではなく、有事の現場力が必要なように思います。さて、なにかヒントになったでしょうか。
もうUFOでも呼びますか!?
講演をするときは質問を受けるのが一つの楽しみ。一番最初の質問によって場の空気が熱くもなればしらけもします。
良い質問と言うのは内容をよく聞いていて、事前に(よし、これを質問してやろう)と準備をしなければできるものではありません。だから良い質問ができる人は良き聞き手である、というのが私の持論で、自分自身もできるだけ良い質問をしようと心がけています。
今日の釧路におけるコンパクトシティ論では、ほぼ確実視される人口減少局面ながら、少しでも地域に雇用を創造して若者を定着させることを考えなくてはならない、というお話もしました。
質問者はそのあたりについて、「どのように若者に仕事を与え、若年者雇用を増やせるだろうか」ということを訊いてきました。
それに対する私の答えはこんな風。
「今大変なのは若年層に対してお金が回らないこと。今の高齢者は亡くなるなる時が一番お金持ちと言う状態で、年金などを使わずに貯めたまま死んでゆくのです。しかも長寿社会で死ぬ年齢がどんどん高くなっているために『老老相続』という状態が発生しています。つまりお年寄りの財産相続をする子供がすでに60歳以上ということなのです」
※少し前の調査ですが、個人金融資産の3分の2を高齢者が持っていて、相続する人の平均年齢が60歳を超えている、とのこと
「亡くなる直前のお年寄りともなると我慢強かったり、もうお金を使う対象もなくなるのかもしれませんがそれが大問題なので、いかに高齢者に満足を買う出費をさせるか、合法的にお金を還流させることができるか、が鍵になります」
「それはお年寄りに満足や興奮や幸せを買うことができるのだ、というビジネス創造が必要で、それは旅を介護がサポートすることかもしれないし、釧路だったら空港から阿寒湖畔までがずっとバリアフリーで介護サポートもしっかりしている、というような受け皿なのかもしれません」
「そして多くの地方都市が単なる人口減少+少子高齢化に悩んで手の打ちようがない、と思っているときに、豊かな観光資源とインフラに恵まれている【釧路の今ならば】お年寄りに幸福感を提供できる素地があるのではないか、と思います」
「同時に、大人たちが若者をもっと支援するような風潮やまちの気風も必要なように思います」
※ ※ ※ ※ ※
質問者の二人目は「津波の被害を受けたが、防災面での街づくりはどうか」という質問。これまた良い質問です。これに対する答えはこんな感じ。
「もちろん避難するということが一番大事です。防潮堤などの施設で津波被害を軽減しようとするまちづくりは現実的ではありません。しかし、では何もしなくて良いのか、ということにもならないでしょう」
「予算や制度の制約はあるものの、ここは少し大ぼら的に聞こえても、将来はこうあっても良いのではないか、というような大きな構想を土木学会などの各種学会や技術アドバイザーなどから求めたい」
「例えば、一階部分に柱を立ててピロティ方式で二階以上を使えるような人工地盤を公共が補助することで、安全性と賑わいを一石二鳥で可能にするような計画ができないものか。今すぐと言わないが50年後までには、というような長いスパンで考えてはどうか。こういうことに対して広く市民の皆さんの考えを聞いてみたいと思います」
多少のホラめいた構想でも、被災地の側から「こうしたいがどうか」という求めがない限り、助けが来るものではありません。さて、あちらこちらに知恵を出してもらわなくては。
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お話の後の懇親会では同席した方から、「夢のある事業に我々の業界でもお金をあげていた時代があったんですよ。シカ肉を食品にしたい、という人がいて面白がって補助してみたら、今やそれが現実になりかけていて本人は大学で研究する実になったということもありました」
「へえ、それは立派なビジネス支援ですね」
「いや、中には『UFOを呼びたい』というプレゼンがあって、要求額100万円だったのを二万円だけつけたところ、『これじゃ何もできません』ってお金を返してきたということもありましたよ。100万円渡していたら本当に何をしていたんだか(笑)」
「UFOを呼ぶ、ですか呼び方を知っていたんでしょうかね(笑)」
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しかしこれからの混沌とした時代には、それくらいの突拍子もない突破力があっても良いのかもしれません。
これからは平時の優等生ではなく、有事の現場力が必要なように思います。さて、なにかヒントになったでしょうか。
もうUFOでも呼びますか!?