北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

故松平監督の名言

2012-01-17 23:45:01 | Weblog



 中学生のころに一時バレーボールのクラブに入っていました。

 結局続かなくて、三年生になったころには辞めてしまったのですが、仲間内でやる草バレーボールではその後も結構楽しませてもらったものです。

 一番練習していたころは、バスケットボールのリングに触れたのですが、今では夢のようです。

 ちょうど其の頃、ミュンヘンオリンピックで男子バレーボールチームが準決勝ではセットカウント0-2という絶体絶命からの奇跡の逆転勝利。

 その勢いをかって見事に金メダルを取った時は本当に感動したものです。

 ちょうどそのころテレビでは「ミュンヘンへの道」という、男子バレーボール選手を紹介するアニメなどもやっていて、かっこよかったんですね。

 このチームを率いて金メダルへと導いた鬼監督であると同時に、この「ミュンヘンへの道」を企画・監修し、バレーボールの支持者を増やすようなアイディアマンであったのが故松平康隆監督です。

 松平監督のちょっといい話が『致知』のメルマガにあったのでご紹介します。


    ※     ※     ※     ※     ※



     「バレー界の名将・松平康隆氏の飴と鞭論」
          『致知』1981年7月号より
     

現代の人の中では、亡くなりましたが、愛知揆一さんという政治家に一番影響を受けています。

愛知さんが教えてくれたことに、立体史観というのがあります。

どういうことかというと、視野の狭い人は点でしか判断できない、ちょっと視野を広くすると線になり課長クラスの仕事ができる、さらに広くすると面になり、大会社の部長クラスだ。

面を上下へ延ばすと円筒形になる。
そうなると樋口清之さんではないが、梅を見ただけで「梅ぼしと日本刀」という本が書けるようになる。

バレーボールで世界一になろうというなら最大の円筒形になれというのです。

とくに立体的に過去を勉強しろ、エジソンもキュリーも学びなさい、バレーと関係ないと思ってはいけないというのです。

それ以来私は円筒形を続けるためにも、努力して交友関係を広げています。スポーツ界で私はいちばん交友は多いと思います。


円筒形がなぜバレーに関係があるかというと、それがアメになるのです。

バレーの選手が、例えば図書館へ行って勉強したいという、あるいはなぜポーランドにワレサという新しい指導者が出てきたかなどといいだすと、そんな暇があったら練習しろというのが、バレー馬鹿のいうせりふです。


私はそうはいわない。

お前がポーランド問題に関心があるのなら、きょうの練習三時間やるよりも、新聞社の編集委員に会って来い、俺が紹介してやろう、といいます。そうして話を聞いてやる。

そしてポーランドはそういうことになっているのかというと、コートの上では私にしごかれている選手が、この問題については監督より上なのだという気持ちになれますよ。

これはおだてです。
ほめる材料を与えるわけです。
しかも監督が馬鹿にされることにはなりません。

むしろそういう示唆を与えてくれたことに対する尊敬というか、情を感ずる、そういうプラスがあるのです。
アメというものを、私はそこまで広く受けとめています」


企業の中で英語教育をやらせるのもアメだし、専門外のセミナーに行かせるのも、アメを心得た指導者のやることです。

そんな時間はもったいない、自動車の一台も売ってこいというのは、点か線の発想です。


---------------≪ 引用ここまで ≫--------------


 関係ないと思うことが、ある時にすべて繋がっていることが分かるということがあるものです。

 やはり偉大な指導者は物事を広い視野で見ることができるのですね。

 松平さんは去る平成23年12月31日に永眠されました。

 生前のご功績に心から敬意を表します。   合掌
コメント
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