先日、北海道開発局長の記者会見があって、そこで発表されたことですが、今年から「道の駅スタンプラリー」のルールが一部改正されるそうです。
道の駅は今や単なるロードサイドの休憩・物販所にとどまらず、地域を代表する観光拠点になってきました。
今や全道に114駅になった道の駅ですが、制度が始まった1993年当時は道内の道の駅は11駅から始まりました。
制度ができた当時から始めた「道の駅スタンプラリー」ですが、道の駅が増えるのと共に人気が出て、今や春から始まる北海道の道内旅行の風物詩になってきたような気がします。
道の駅に到着してスタンプ帳にスタンプを押すのは、後から振り返るととても良い思い出になることでしょう。
ところが駅へ到着してスタンプを押そうと思うと、スタンプを置いてある物産館の閉館時間を過ぎていて、スタンプが押せないということがときどきあります。
かつてはそんなときのために、物販コーナーが終了してもスタンプを外に置いて自由に押せるようにしていたところもあったのですが、鎖を切ってまで持ち去る事件が起きて、そのためにスタンプを時間外には外に置かなくなってしまいました。
その結果、一生懸命ドライブをして道の駅に到着するのが時間外になるとせっかく着いてもスタンプを押せないことがよく起こります。
楽しみにしていた子供さんなどが泣いちゃった、という話も良く聞きます。
そうした声が寄せられることが多くなったことから、今般、スタンプラリー参加には、スタンプそのものではなく、その道の駅を訪ねたという証拠となるような写真などでも良い、ということにしました。
具体的には、ラリー帳に「本人」、「ラリー帳」、「道の駅がわかるポイント」が写った写真を添付していただくことで、スタンプの代替とする、新しいルールを追加したものです。
しかしながら、スタンプラリーの目的は「地域情報」や「地域の特産品」を知っていただくなど「地域振興の一環」であって、できるだけ道の駅の開館時間帯に訪れて欲しい、ということもあって、新ルールの適用は、ラリー帳1冊につき5駅までとすることにしたそうです。
【スタンプを押せないときに】 http://bit.ly/18qotoj
でも、スタンプを押せる時間が少なくなると、運転が乱暴になって交通事故を起こしてしまいかねません。
もう間に合わないと思ったら、「写真でもいいさ」と気を楽にして安全運転に心掛けてほしいものです。
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さて、この「道の駅」は、道路を整備する際の地域振興策として素晴らしい成果を上げた国交省の政策です。
発展途上国から国土開発の研修に来た研修生には、道の駅の制度を説明するカリキュラムもあるそう。
アフリカの国々では、道路づくりを支援しても沿道には物売りの少年がたむろしていたりすることがよくありますが、これでは地域の振興とか発展ということに結びついていないのです。
今や道の駅のありようは、途上国のモデルにもなりつつあって、世界銀行が道路整備のために融資をする際には道の駅を設置するように、と指導されているそうです。
ただスタンプを押すだけではなく、地域を少し味わって景色や産物を楽しむ余裕を持ちたいものですし、そのことが地域を振興することに繋がっているという地域への感謝も忘れたくないものですね。
そろそろ夏休みも近づいてきました。子供さんと一緒に道内旅行をするときは、スタンプ帳を忘れずに。
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