北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

サイクリストだから分かる北海道の魅力

2013-12-06 22:01:13 | Weblog

 

 道庁の空知総合振興局と石狩振興局が連携して主催する『そらち・いしかりサイクルツーリズム』シンポジウムを見てきました。

 基調講演に掛川の友人の佐藤雄一さんが来るということもありましたが、自転車による地域振興の北海道における可能性について勉強もしたかったのです。

 佐藤さんはこれまでに自転車ブームは3回ほどあったのではないか、と言います。

 1970年代には、汚い恰好で北海道を野宿で走る"修行"にも似たようなツーリングの時代。

 80年代には、マウンテンバイクブーム。そして90年代後半からロードバイクが上り坂になり、2000年代になってからはスポーツバイクショップは売り上げを伸ばしマチの自転車屋さんは姿を消してゆく時代になったのだ、と。

 佐藤さんは、2000年から伊豆狩野川(かのがわ)で、川を観光商品化しようとした取り組みに初期から関わってきました。

 この狩野川で地域を観光商品化仕様という過程で、四つの事業を柱立てして行ってきたのだそう。

 その四つとは、①ルートの設定、②マップの編集と発行、③サインの整備、④イベントの実施です。
 
 よく、何百人もが参加した自転車イベントが話題になることがありますが、それはたった一日の出来事で、多くはよそから来た人が楽しんで帰るだけになりがち。

 しかしそれでは、やがて地元の良さを自転車の視点で発見し、来客を自転車でガイドしてもてなしてくれるようなローカルサイクリストが育たないのだ、と。

 最近は台湾やシンガポールなどの外国からも自転車を背負って北海道のツーリングに来る観光客も増えたと言いますが、彼ら彼女らに対して地域の自慢のコースを自信を持ってガイドできる人材は決して多くはありません。

 地域にサイクリストが増えることで、車でもない徒歩でもない、その中間の視点でマチを眺め、マチの自慢を再発見し、その価値を洗い出すことができるのではないか、と佐藤さんは言うのです。


   ◆   


 実際掛川には、市民サイクリストが毎月一回市役所に集まって、市内を巡る市民サイクリングが行われていますが、その際には大体二十数名が集まってきます。

 こういう人たちはそれぞれに自分だけが知っている自慢のコースや得意なコースを持っていて、来客が自転車をしたいというときは連絡を取り合って数人がガイドとして地域を案内するというネットワークができています。

 しかしどうも北海道にはそうした活動をする人が少ないように思えます。

 自分たちが思い思いにサイクリングを楽しむことはあっても、自転車ガイドによるマチの案内ということに慣れていないということもあるのかもしれません。

 佐藤さんは、マップ作成やサイン設置にも、さらにはイベントの実施にもサイクリストの視点が欠かせないと言います。  

 コンサルタントや印刷屋さんやイベント会社が中心になって行うようでは、やはりサイクリストの視点が欠けてしまうのではないか、と。

 北海道には大きなポテンシャルがあるだけに、ポテンシャルに頼るだけではなく、それをサポートするようなサインなどの施設インフラだったり、マップというソフトだったり、それを支える人材をしっかりと育てていってほしい。

 佐藤さんは、「静岡は、北海道にも沖縄にも地域ポテンシャルでは到底かないません。三番目くらいには入りたいな、と思いますが」と笑わせます。

 そのうえで、「地域を相互に行き来するような自転車による互いの交流が進めばもっとよくなると思う」とも。

 先輩地域として、やるべきことを教えてもらったからにはあとは実践。

 私もまた自転車に乗ってガイドができる様にちいきをべんきょうしましょうか。


 例えばアイヌ語の地名なんて、外から来た人にはとんでもなく興味深いテーマです。その意味をちょっと伝えるだけでも喜ばれるはず。

 自分たちの財産を改めて見つめ直したいものです。

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする