北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

流雪溝ツアーとは、苫前町のプレゼンテーションだった

2020-02-16 23:59:57 | Weblog

 

 苫前町「冬の暮らし体験ツアー」の二日目。

 今日はいよいよ流雪溝に雪を投入する除雪体験です。

 昨日事前視察をしておいた現場に向かって、スコップ、ツルハシ、スノーダンプをもった20人を超える一団が、雪のない本通りを歩いてゆくのは壮観です。

 それでも昨日狙いを定めておいた少しは雪の塊がある場所に着くと、流雪溝の蓋を開けてそれぞれの道具で崩した雪の投入を始めます。

 私は昨年までの雪の状況を知らないのですが、今回の雪は暖気を受けて固まった部分が多く簡単には削れないのでいささか手ごわい相手です。

 今回私は、新潟県の浅野木工所から提供されている「カチ割ダンプ(中)」を持参してこの雪かきに挑みましたが、これが結構使えました。

 道内で市販されているスノーダンプの多くは先がプラスチックで、北海道の柔らかい雪用にできています。

 しかし今日のような一度融けかけて固まった雪には、ステンレス製の先金がついている本州仕様のカチ割ダンプが実に効果的。

 足で押し込むことで、スコップなどで一度雪を崩す手間をかけずに雪を崩し運ぶことができます。

 温暖化が進むと、北海道でもこうした道具が使われるようになるような気がします。

 それに自宅で普段やっている、「雪を移動させる除雪」ではなく「みるみるうちに雪が消えてゆく除雪」というのは結構新鮮で楽しく、やっているうちにゲーム感覚になってきます。

 除雪の仕方、ノウハウを確立させれば面白い運動にもなりそうですが、それは除雪マニアの私だけでしょうか(笑)

 さて、人数の割にはやはり雪が少なくて、作業は当初の予定通りスムースに進行。

 作業が終わるとやはり道路は通りやすくなります。

 集合写真を撮って今日の除雪作業は終了、参加者の皆さんお疲れさまでした。


      ◆


 作業後は、苫前のまちを知る次なるプログラムが用意されています。

 苫前漁港のダブルデッキを見学し、マイナス40℃の休息冷凍庫の中の寒さに驚き、ホタテの稚貝の作り方を教わります。

 昼食は地元の若者たちが用意してくれた、苫前産のホタテ焼き、カレイのから揚げ、そして地元産の茹でたて・焼きたてのミズダコに舌鼓。

 裏方で料理を用意してくれたスタッフの皆さんに感謝しつつ、小笠原君からの苫前で進められている持続可能な漁業の話に感心します。

 水産品をブランド化させるための一つのアプローチが"FIP/AIP"という考え方です。

 これは「漁業・養殖漁業改善プロジェクト(Fisheries/Aquaculture Improvement Project:略称 FIP/AIP)」というもので、認証取得可能なレベルまで漁業の持続可能性を向上するプロジェクト。

 一定のガイドラインをクリアした漁業ということが認定され、それを消費者が支持すれば、流通業界もそれを支え努力が評価や収入の増加につながるだろうという試みです。

 FIPは日本ではまだ6つのプロジェクトしか認定されていませんが、その5番目に認定されているのがここ苫前の「樽流し漁ミズダコ」です。

 苫前で漁業の最前線を教えられるとは。

 
 結局この「流雪溝を中心とした暮らし体験ツアー」というのは、ただの雪かき体験ボランティアなのではなくて、それをきっかけにした苫前のプレゼンテーションでした。

 最後は地元のコミュニティの問題なのですが、それに刺激と支援を与える外部とのつながりがあるとそれらは楽しみながら繋がってゆくのではないか。

 このような着地型ツアーを上手に生かしたまちづくりは、人口減少に悩む町に何かのヒントになるに違いありません。

 地方自治体の方も大いに勉強する値のある事業です。

 苫前漁港も良い釣りができるとか。これからも苫前での試みに注目していこうと思います。

 関係者の皆様、お世話になりありがとうございました。

 

 

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