星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

Girlieなオフィーリア。

2002-10-02 | 文学にまつわるあれこれ(詩人の海)
 昨夜のつづき・・と言ってももう終わってしまったお芝居でゴメンなさい。
 紹介では舞台をボクシングリングのよう、と書いてありますが、相撲の土俵、と言ってもいいかも。それと言うのも、四方を囲む客席の通路(花道とでも言いましょうか)も、舞台の延長で、私の背後をお父さんの亡霊が横切っていったり、ラストの決闘シーンでは客席じゅうを駆け回ったり。暗くて段差のある舞台を駆け下りたり駆け上がったりするのに、つまづいたりしないのかしら、と心配になる位の激しい動きなんだけど、俳優さんたちのエネルギッシュできびきびした動きはもう眼をつぶっていても走り回れるように鍛えたのでしょうね。ハムレットは、他の俳優さんよりは小柄で、遠目にはTravisのフランみたいにチャーミングで、傷つき、反抗し、潔癖さゆえに残酷にもなり、破滅を招いても走らざるを得ない、そんな痛々しさと愛らしさが同居している感じで本当に素敵でした。男物の白いシャツに靴下だけ、というスタイルで真っ白なテレキャスターを肩にかけて、傷心の歌をささやくオフィーリアもまるで妖精のようでした。

 カーテンコールの時、左右から役者さんがふたりずつ位、ぱーーっと舞台へ駆け込んできては客席におじぎをしてね、ぱーーっと散っていく、その様子はさすがバレエのお国柄・・どきどきするほど美しくって、あんな風にエレガントな動きはムリでも、せめて立ち姿くらいはまっすぐ美しくしていたいなあ、と思ったものです。