イヴは bunkamuraへ。
開館時にはすでに長い列になっていて、 フェルメールはいつ行っても人気。。 でも、 中へ入ってからは 思いのほかゆったりと絵の前にいられて 時間をかけて見ることができました。
フェルメールは好きではあるけれども、 特別に好き、 すべてが好き、というわけじゃない、、 作品数が限られているフェルメールを 日本に居ながらにして見られるのはとても貴重、、という想いもあるにはあるし、、 見ておきたい、という気持ちもある、そんな微妙な画家です。 でも、やはり現実に作品を見ると、 絵画の中の「光」に いつも感動させられる。 そして、 当時の デルフトの生活の一場面にふっとトリップできる気がする。。
、、ところが、 有難いことに何点かのフェルメールをこれまで見てきて、 いつのまにか、、
家に画集もあって、 壁に額も飾ってあって、、 年月の経過とともに、 その絵が実物で見たのか 画集で見たのか 記憶が曖昧になることが、、、(お恥ずかしい) 今日も、 グッズ売り場の複製画を見つつ、 (これ見た?) (え? 見てないんじゃない?)、、と 家族で困った会話。。。 これはいけません。。。
、、というわけで、 これまでに見たフェルメール作品を いちおうまとめておくことに。。
*「画家のアトリエ」(>>)
2004年 栄光のオランダ・フランドル絵画展
*「窓辺で手紙を読む若い女」(>>)
2005年 ドレスデン国立美術館展
*「牛乳を注ぐ女」(>>)
2007年 国立新美術館 、「アムステルダム国立美術館所蔵フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展」
*「マルタとマリアの家のキリスト」
*「ディアナとニンフたち」
*「小路」
*「ワイングラスを持つ娘」
*「リュートを調弦する女」
*「ヴァージナルの前に座る若い女」
*「手紙を書く婦人と召使い」
2008年 東京都美術館 フェルメール展(>>)
*「レースを編む女」
2009年 国立西洋美術館「ルーヴル美術館展」(>>)
*「地理学者」
2011年 bunkamura 「フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展
」(>>)
*「手紙を読む青衣の女」
*「手紙を書く女」
*「手紙を書く女と召使」(2008年と同じ絵)
bunkamura 「フェルメールからのラブレター展」(>>)
たぶん、 これだけだと思います。。
やはり 「画家のアトリエ」は 特別にすばらしい作品でした。 そして、 フェルメール作品の中でいくつかある 黄色のアーミン毛皮の服を着た少女の表情は、 とても愛らしいです。
来年6月には、 東京都美術館に「真珠の耳飾りの少女」が展示されるのですね(>>)
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今年の春、「地理学者」を見に行った頃は、 大震災の後でもあり、、 貸し出した美術館ではどんな思いでいるだろう、、とか、、 絵を前にして、、 もしかしたらこれはもうすでに《複製》なのかも…? などと話したりもしたけれど、、 どんな膨大な額の保険をかけたところで、 災害で(あるいは国によっては戦火やテロで、、) 絵画の現物が失われてしまったら 取り返しがつかない。。 そのことを思うと、 あの震災や原発事故以後も、 こうやって日本に大事な美術品を貸し出してくれる各国の好意には ほんとうに感謝しなければいけないと思う。。。
今年見に行けなかったけれど、 大英博物館の古代ギリシャ展の 大理石像とか 陶器の壺とか、、 ほんとにこの地震国の日本に よくぞ貸し出してくださると思ったもの。。。
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この目で見てみたい美術作品は まだたくさんある。。 有名だから、、とか 見ないと損だから、、とか ではなくて、 いつか会ってみたい人、 会えたら嬉しいな、、と そんな気持ちで心の中に貯めている作品が、 いくつかある。 その機会が訪れたら、 それは幸せな神さまからの贈り物、、だと思う。
映画『ポンヌフの恋人』で、 失明するかもしれない画学生(ジュリエット・ビノシュ)に、もう一度絵を見せてあげようと、 深夜のルーヴルに忍び込むシーンがあった。。 蝋燭の灯りをたよりに、、 路上生活者のおじさんに肩車(だったよね?)してもらって、、 そしてレンブラントを見る。
そういう気持ちで絵に出会うこと、、
それは忘れないでいたいと思う。