年末から年始にかけて読んだ、二冊の「パニック小説」~~!
ハラハラドキドキ・・・息もつけずにページをめくりました~~!
「炎の塔」 と 「波濤の城」 五十嵐 貴久 著
銀座第一消防署の消防士・神谷夏美が主人公のシリーズものです。
その一冊目~~、
「炎の塔 The Tower of Flame」
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↓裏表紙のあらすじより~~、
「高さ450メートルを誇る超高層タワーが銀座にオープンした。
数万人が集まる営業初日、漏電による小火(ボヤ)が発生。
防火設備を過信するあまり対応が遅れ、タワーのあちこちで炎が噴出、嵐のような火が群衆を混乱に陥れた。
未曽有の大火災に飛び込んだな夏美は、最上階に取り残された人々を救えるのか?」
「わぁっ~~大丈夫?」「そんな・・・!」「どうするの!」「えぇっ~えぇっ~」と、思わず声を上げたくなる展開(苦笑)
「小説なので、主人公が亡くなることは絶対にない!」と、思いつつも~~、まさにハラハラドキドキの連続でした!(笑)。
物語の最初の方に描かれている、夏美の恋人が責任者となっている「恐竜展」のこと、大きなプールの水の消毒のために使う塩素と間違えて、多量の「塩酸」が運び込まれたこと、高校で化学を教える教師と生徒との「恋愛」~~、
この何の関連もないことが、やがて重要な意味を持ってくる展開にうなりました!
二冊目~~、
「波濤の城」
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↓裏表紙のあらすじより~~、
「巨大台風が九州に迫る頃、カジノ誘致を目論む代議士の要請で、11階建ての豪華クルーズ船が航路変更の上、強行出航した。
乗客乗員二千名の中には、銀座第一消防署の女性消防士・神谷夏美の姿もあった。
深夜、突如、異音とともに排水が逆流し船が傾き始める。
避難誘導されるなか、業火が夏美と逃げ遅れた乗客の退路を塞ぐ。
装備も救援もない状況で、夏美たちは脱出できるのか!」
女性消防士・神谷夏美の活躍を描いた二作目です。
夏美が、先輩女性消防士といっしょに休暇を楽しむために乗った豪華客船での事故のお話です。
(描かれている豪華クルーズ船の内部の様子は、北欧での船旅で利用した「シリアライン」の「セレナーデ号」のことを思い出しながら、なつかしみました~~♪
そして、「船長」という責任者の力量と人間性が問われる船舶事故の物語に、「船乗り」だった私の父が「板子一枚下は地獄」と、よく言っていた言葉を今更ながら思い出しました!)
主人公・夏美は、消防士だった父親が消火中の火災現場で亡くなったことから消防士を目指すのですが、本来は気の小さい怖がりなのです。
でも、「消防士として、どこの誰かも知らない人を全力で救う。だれも死なせない!」という強い気持ちを持つ消防士なのです。
二つの物語を読んで感じたことは、
「人間は、極限状況下に置かれたとき、本質や個人の資質があらわになる」ということ・・・。
そして、夏美のような一生懸命な人間の他に、「私利私欲のために、どんな下劣な手段でも平気で使う人がいる」ということ・・・。
消防の知識や、火災現場での状況の判断の仕方、周囲の人たちとの協力~etc,
いろいろ学んだ本でもあります。