prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

池袋の古本屋

2005年03月11日 | Weblog
池袋の新文芸座近くの光芳書店が、久しぶりに行ったら閉店していて、パチンコの景品交換所になっていた。
ウナギの寝床みたいに長細い作りの店で別に愛用もしなかったが、まるで殺風景な中に窓だけが空いている交換所よりはいい眺めだった。池袋は立教大学があるせいか結構古本屋があるのだが、じりじりと減っているみたい。

このまた豊島区役所近くに、二階建ての古本屋もあり。
二階に上がる時、鞄類を預けるシステム。何も買わずに出ていくのがはばかられる(でも平気で買わないで出ていく)。



「ビヨンド・the・シー 夢見るように歌えば」

2005年03月11日 | 映画
ボビー・ダーリンのステージの再現かと思うと、ダーリンその人の伝記映画の撮影現場になり、さらにその伝記映画の場面となるという具合に、自在に場面が知的に飛躍構成されていて、それが理屈っぽくややこしくならずに、音楽とともに生き生きとリズミカルに処理されているのがいい。
ケヴィン・スペイシーの歌と踊りもだが、演出のミュージカル・センスが見事。見ていてスウィングする。

主人公がもともと病弱で複雑な出生という設定だから、下手するとボブ・フォッシー風にダークな作りになりかねないのを、ダーリンの少年時代(と、それを演じる子役)がダーリンの生涯を目撃していく作りにして、全体をあくまで“生きる歓び”でまとめている。
死んでオシマイではなく、後に何事かを残していることをはっきり印象づけられる。

スペイシーはいつもと変わらない顔で出ていて、特に外観を似せているとは思えない。しかし、スペイシーがこれほどのエンターテイナーぶりを見せるとは思わず、芸人の根性そのものから近づこうとしているよう。

映画での演技者の印象ばかりが強いが、この人がもともと舞台でスタンダップ・コミックをやっていたのを改めて思わせる。役と役者の関係のやりとりだけで完結するのではなく、生の観客の前に立っていた感覚が出ている。
ちらっとだけダーリンがオスカーをさらわれる「ハッド」のメルヴィン・ダグラスの物真似が似ているのが可笑しい。
(☆☆☆★★★)



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