ボビー・ダーリンのステージの再現かと思うと、ダーリンその人の伝記映画の撮影現場になり、さらにその伝記映画の場面となるという具合に、自在に場面が知的に飛躍構成されていて、それが理屈っぽくややこしくならずに、音楽とともに生き生きとリズミカルに処理されているのがいい。
ケヴィン・スペイシーの歌と踊りもだが、演出のミュージカル・センスが見事。見ていてスウィングする。
主人公がもともと病弱で複雑な出生という設定だから、下手するとボブ・フォッシー風にダークな作りになりかねないのを、ダーリンの少年時代(と、それを演じる子役)がダーリンの生涯を目撃していく作りにして、全体をあくまで“生きる歓び”でまとめている。
死んでオシマイではなく、後に何事かを残していることをはっきり印象づけられる。
スペイシーはいつもと変わらない顔で出ていて、特に外観を似せているとは思えない。しかし、スペイシーがこれほどのエンターテイナーぶりを見せるとは思わず、芸人の根性そのものから近づこうとしているよう。
映画での演技者の印象ばかりが強いが、この人がもともと舞台でスタンダップ・コミックをやっていたのを改めて思わせる。役と役者の関係のやりとりだけで完結するのではなく、生の観客の前に立っていた感覚が出ている。
ちらっとだけダーリンがオスカーをさらわれる「ハッド」のメルヴィン・ダグラスの物真似が似ているのが可笑しい。
(☆☆☆★★★)

ビヨンドtheシー 夢見るように歌えば - Amazon
ケヴィン・スペイシーの歌と踊りもだが、演出のミュージカル・センスが見事。見ていてスウィングする。
主人公がもともと病弱で複雑な出生という設定だから、下手するとボブ・フォッシー風にダークな作りになりかねないのを、ダーリンの少年時代(と、それを演じる子役)がダーリンの生涯を目撃していく作りにして、全体をあくまで“生きる歓び”でまとめている。
死んでオシマイではなく、後に何事かを残していることをはっきり印象づけられる。
スペイシーはいつもと変わらない顔で出ていて、特に外観を似せているとは思えない。しかし、スペイシーがこれほどのエンターテイナーぶりを見せるとは思わず、芸人の根性そのものから近づこうとしているよう。
映画での演技者の印象ばかりが強いが、この人がもともと舞台でスタンダップ・コミックをやっていたのを改めて思わせる。役と役者の関係のやりとりだけで完結するのではなく、生の観客の前に立っていた感覚が出ている。
ちらっとだけダーリンがオスカーをさらわれる「ハッド」のメルヴィン・ダグラスの物真似が似ているのが可笑しい。
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