1961年作品。
家の財産を分割させないためにトスカーナの田舎からフィレンツェに出てきた青年(ジャン=ポール・ベルモンド)が娼婦ビアンカ(クラウディア・カルディナーレ)に入れ揚げるようになり、雇われている伯父の金に手をつけて一族から勘当され、娼家の用心棒になってビアンカの客と争いになって刺される。
娼家の描写がムードたっぷり、フィレンツェの街もまことに美しく描かれている。
その一方で「若者のすべて」あたりと通じる家族の崩壊の予兆と、アナーキズムあるいはマルキシズムの台頭も匂わされている。
忘れられている感じが強いけれども、マウロ・ボロニーニというのもおよそ今では作れない映画を作っていた人。