prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「アサルト13 要塞警察」

2006年03月01日 | 映画
同じ素材を使っていてもジョン・カーペンターのオリジナル「要塞警察」が包丁一本で仕上げたお造りなら、リメークのこちらは他にさまざまな素材をとりあわせてソースにも凝った一皿。

オリジナルだと警察を襲うのが不良少年(ほとんど無人格な昔の西部劇のインディアンみたい)だったが、ここでは悪党の帝王みたいなローレンス・フィッシュバーン(さすがに貫禄)と手を組んでいた腐敗警官たちが口封じに襲ってくるというのだから、敵味方の入り乱れ方にずっと厚みがある。

レーザー・サイト・ライフル、グレネード弾、閃光弾、などの他に原始的な棒や刀や火炎瓶まで取り揃えている武器の多彩さ。
二重の陽動作戦、人物のどんでん返し的扱い、名のある役者にはそれなりの役を割り振るなど、やるべきことはやっている。
襲ってくる警官のほとんどを顔が見えなくして、ばたばたやられるのを不思議でないようにしたのは、オリジナルの踏襲だろう。雪の中の闘いにしたのも、抽象的な印象を強くした。

酒と薬に逃げていたイーサン・ホークがそれを克服するのは、オリジナルのさらに元ネタの「リオ・ブラボー」の如し。ただ、克服するところで今ひとつ演出にアクセントがないのは残念。
リメイクというだけでなく、昔の手の生かし方がオタク的でなく、丹念な昔のB級作品の伝統的な作り。
(☆☆☆★★)

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