prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「死者の書」

2006年03月12日 | 映画
川本喜八郎相変わらず入魂の一作だが、長編となると「鬼」「道成寺」「火宅」あたりの短編のスゴ味と不条理感は薄れるみたい。
人形に命を吹き込む人形アニメだと生死のあわいが自然に表現できる。

折口信夫の原作同様、近代の直線的なものとは違う中世の多焦点的な時間や「語り」の感覚を再現しようとしているよう。志が高いのはわかるが、その分いささかとっつきにくい。
実写では吉田喜重の「嵐が丘」が試みていたことに近い。

基本的に顔の表情は動かないで、局面の変化によって色々な表情に見えてくるというのはウルトラマンみたい。というか、日本的なマスクのあり方なのかも。

エンドタイトルの協力者の名前の多いのなんのって何百人もずらっと並ぶのにちょっと参る。大山のぶ代、ジェームズ三木、古川タクなど知っている名前もちらほら。

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